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一週間後。

ソウマから連絡があり、ルカと駅前で待ち合わせをして、店へ向かった。

ドアを開けると…。

「あっ、いらっしゃい! マカ!」

「いらっしゃい、ルカ」

「お待ちしてましたよ、お二人とも」

店内には…羽澄と真宮、そしてソウマの3人がいた。

「まっ真宮ぁ!」

ルカは感極まり、真宮に抱きついた。

私は肩を竦め、青のエプロンをしている羽澄の元へ行った。

「―お帰り、というべきか?」

「うん。ただいま、マカ」
そう言ってハイタッチ。

「上手くいったようだな」

ソウマに声をかけると、頭を下げてきた。

「次期当主のご命令ですしね」

「セツカはどうした?」

「疲れて眠っていますよ。一週間、ほぼ徹夜でしたから。ああ、あとキシくんもですね」

「そうか」

今回、二人には本当に世話になった。

「でもまだ、信じられないんだよね。…オレ、ちゃんとよみがえったのかな?」

羽澄が手を握ったり、開いたりした。

なので私はぎゅっと羽澄の頬を抓った。

「ひだっ!」 
「どうだ? 実感できるだろ?」

「できるできるっ!」

涙目になったので、離してやる。

「う~。マカってケータイにいる時から、変わらぬ接し方だよね」

「それが私だ。…良い悪友だろ?」

そう言ってやると、羽澄は軽く笑った。

「うん! オレの悪友だよ、マカは」

…もう一つの選択。

それは我が血族の一部となること。

まあいろいろなところは秘密なのでカットするが、ようは我が血族に仕えることを条件に、この世に肉体を再び持つことを許すという内容だ。

普通の人間として、最期を迎えるか。

人成らざる者として、よみがえるか。

そしてハズミとマミヤは選んだ。

私達と共にあることを。

「でもさ」

ふと羽澄が声を潜め、近寄ってきた。

「真宮とルカ、何か良いカンジじゃない?」

二人は再会を心から喜んでいた。

…ルカめ。一週間前、ケータイを預けた時は平然を装っていたな?

「やっぱ恋って良~よね。オレもまた、恋をしよっかな」

…よみがえる条件の一つとして、生前の者には会わないというものがある。

それはつまり、ハズミは義兄を………いや、羽澄はもう死んだんだ。

もう二度と、現れてはいけない。

それを分かっているから、ハズミもこう言っているのだ。

「厄介な相手はよしてくれよ」

「大丈夫。オレ、人を見る眼はあるから」

自信満々にハズミは言った。

「ほお。てっきりシヅキを選ぶかと思ったが?」

「シヅキはそういう対象にはならないよ。まっ、ちょっとは心動いたケド」

…コイツ、割と浮気性なんじゃないか?

ジト目で睨むと、ハズミは苦笑した。

「でも今度のオレの本命には、ちゃんと気持ちを伝えるよ」

「傷付いてもか?」

「もちろん! その勇気、キミが教えてくれたからね」

ハズミは満面の笑顔で、私に抱きついてきた。

「なぁっ!?」

「大好きだよ! マカ!」



【終わり】

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