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番外編【バレンタイン】6一足先に渡しました~おぞましい言葉をもらいました~
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三連休が終わり、明日からは仕事が通常通りに始まる。それは、オレも紗々さんも同じである。三連休をオレは、守と亨と大輔さんと過ごし、バレンタインの準備に費やしたが、紗々さんはどうやって過ごしたのだろうか。
「紗々さんは、三連休、どう過ごしたんですか。」
まさか、一日も外出していないとは言わないだろう。いや、紗々さんの引きこもり度をなめてはいけない。オレには三日も休みがあって、どこにも出かけないという選択肢はないのだが。
「そうですねえ。」
何やら悩みだした紗々さんだが、悩むことはないだろう。悩むということは、何かやましいことでもあったということか。オレの厳しい視線に気づいたのか、慌てて紗々さんは正直に話してくれた。
「まあ、大鷹さんには秘密にしていても仕方ありません。実は三連休は……。」
クイズ番組の答え合わせや賞の発表の時のデレレレレレレという効果音が背景から響いてきそうだ。
「すべて、実家に行っていました。」
嬉しそうにどや顔でそんなことを言う紗々さんに拍子抜けしてしまった。
「三日間ともですか。」
「そうです。だって、もうすぐバレンタインでしょう。バレンタインは二次元では、とても大切で重要なイベントです。それを一作家として書かずにはいられないでしょう。」
話を促すと、どうやらネタ集めとして実家に通っていたようだ。さすがに実家に泊まることはしなかったようだが、一緒に昼食や夕飯を食べたりはしたそうだ。もちろん、紗々さんの最愛のペット「グリム」ともしっかりと触れ合ってきたようだ。実家での出来事を真剣に話す紗々さんにほっこりとしてしまう。その後、自分に質問が帰ってくることをすっかり忘れていた。
「それで、私は実家で過ごしましたが、大鷹さんは何をして過ごしたのですか。ああ、話したくないならいいですよ。勝手に妄想、いや、想像しますから。」
あっさりと話さなくてもいいと言われると、へこんでしまう。しかし、何も話さないのが良くないことは、紗々さんと暮らしてはっきりしていることだ。黙っていると、紗々さんが勝手にオレが男でも女でも妄想上の人物と付き合うことになってしまう。いくら、現実のことではないとはいえ、紗々さんの頭の中で自分が紗々さん以外と付き合うのは承認できない。
「いや、話せないことではありません。オレは……。」
チョコを作ったことだけを隠せばいいだけだ。いや、むしろ、バレンタインには早いが、守の家で作ったお菓子をここで渡してしまおうか。結局、渡し方についてはいい案が思いつかなかったのだ。それに、バレンタイン当日は木曜日で日にちがある。お菓子が傷んでしまうということも考慮すると、今が渡すチャンスなのかもしれない。
「そう、オレは紗々さんにあげるバレンタインのお菓子を作っていました。守と亨と大輔さんの三人で。だから、これ、もらってください。」
自分の部屋に置いてあったお菓子をもって紗々さんの目の前に出すが、紗々さんの目にオレのお菓子は目に入っていないようだ。正直に話してお菓子を渡したのだが、オレが話している最中で、紗々さんの頭の中で何かがひらめいたようだった。
「そうですか。それはそれはお楽しみだったようで。そうですか。4Pですか。しかも、その中の三人は既婚者。これは急いで創作に組み込む必要があります。」
意味不明なことを言って、紗々さんはそのまま自分の部屋に向かっていった。ばたんと部屋のドアが閉まる音が響く。
「ああ、お菓子はありがとうございました。カモフラージュということで有り難くいただいておきます。」
お菓子はもらってくれたようだが、どうにも納得がいかない。
「きっとこれはネタにされてしまったということか。」
しかも、4Pとかおぞましい言葉を聞いてしまった。きっと、紗々さんは平気でそのネタを自分のBLに使ってくるだろう。
「それを好きなオレは変態ということか。」
そう思ったが、別に誰にも迷惑をかけることもないので、この気持ちを大事にすることにしよう。まずは、自分の気持ちを改めて最愛の人に伝えよう。お菓子は渡せたが、自分の気持ちは伝えられなかった。
オレはこの時、紗々さんも自分に隠し事をしていることに気付くことはなかった。
「紗々さんは、三連休、どう過ごしたんですか。」
まさか、一日も外出していないとは言わないだろう。いや、紗々さんの引きこもり度をなめてはいけない。オレには三日も休みがあって、どこにも出かけないという選択肢はないのだが。
「そうですねえ。」
何やら悩みだした紗々さんだが、悩むことはないだろう。悩むということは、何かやましいことでもあったということか。オレの厳しい視線に気づいたのか、慌てて紗々さんは正直に話してくれた。
「まあ、大鷹さんには秘密にしていても仕方ありません。実は三連休は……。」
クイズ番組の答え合わせや賞の発表の時のデレレレレレレという効果音が背景から響いてきそうだ。
「すべて、実家に行っていました。」
嬉しそうにどや顔でそんなことを言う紗々さんに拍子抜けしてしまった。
「三日間ともですか。」
「そうです。だって、もうすぐバレンタインでしょう。バレンタインは二次元では、とても大切で重要なイベントです。それを一作家として書かずにはいられないでしょう。」
話を促すと、どうやらネタ集めとして実家に通っていたようだ。さすがに実家に泊まることはしなかったようだが、一緒に昼食や夕飯を食べたりはしたそうだ。もちろん、紗々さんの最愛のペット「グリム」ともしっかりと触れ合ってきたようだ。実家での出来事を真剣に話す紗々さんにほっこりとしてしまう。その後、自分に質問が帰ってくることをすっかり忘れていた。
「それで、私は実家で過ごしましたが、大鷹さんは何をして過ごしたのですか。ああ、話したくないならいいですよ。勝手に妄想、いや、想像しますから。」
あっさりと話さなくてもいいと言われると、へこんでしまう。しかし、何も話さないのが良くないことは、紗々さんと暮らしてはっきりしていることだ。黙っていると、紗々さんが勝手にオレが男でも女でも妄想上の人物と付き合うことになってしまう。いくら、現実のことではないとはいえ、紗々さんの頭の中で自分が紗々さん以外と付き合うのは承認できない。
「いや、話せないことではありません。オレは……。」
チョコを作ったことだけを隠せばいいだけだ。いや、むしろ、バレンタインには早いが、守の家で作ったお菓子をここで渡してしまおうか。結局、渡し方についてはいい案が思いつかなかったのだ。それに、バレンタイン当日は木曜日で日にちがある。お菓子が傷んでしまうということも考慮すると、今が渡すチャンスなのかもしれない。
「そう、オレは紗々さんにあげるバレンタインのお菓子を作っていました。守と亨と大輔さんの三人で。だから、これ、もらってください。」
自分の部屋に置いてあったお菓子をもって紗々さんの目の前に出すが、紗々さんの目にオレのお菓子は目に入っていないようだ。正直に話してお菓子を渡したのだが、オレが話している最中で、紗々さんの頭の中で何かがひらめいたようだった。
「そうですか。それはそれはお楽しみだったようで。そうですか。4Pですか。しかも、その中の三人は既婚者。これは急いで創作に組み込む必要があります。」
意味不明なことを言って、紗々さんはそのまま自分の部屋に向かっていった。ばたんと部屋のドアが閉まる音が響く。
「ああ、お菓子はありがとうございました。カモフラージュということで有り難くいただいておきます。」
お菓子はもらってくれたようだが、どうにも納得がいかない。
「きっとこれはネタにされてしまったということか。」
しかも、4Pとかおぞましい言葉を聞いてしまった。きっと、紗々さんは平気でそのネタを自分のBLに使ってくるだろう。
「それを好きなオレは変態ということか。」
そう思ったが、別に誰にも迷惑をかけることもないので、この気持ちを大事にすることにしよう。まずは、自分の気持ちを改めて最愛の人に伝えよう。お菓子は渡せたが、自分の気持ちは伝えられなかった。
オレはこの時、紗々さんも自分に隠し事をしていることに気付くことはなかった。
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