37 / 46
サブストーリー
クロス・ティン・メディル
しおりを挟む
クロス・ティン・メディル
それはここメディル王国の第三王子であった男だ
この男クロスは、誰も来ることの許されない、世で最も高い塔、《罪王の塔》の最上階に幽閉されていた
罪王の塔は王族が罪を犯した時、最も最上の罰を与える塔であった
クロスは虚に虚空を見つめていた
会えはしない愛しい女
愛しい女に罵倒され続ける
それがこの男の罰だ
クロスは昔から我儘で強欲だった
聡明で強い兄達と比べ、劣等感から使用人に当たり散らし、我儘放題であった
故に、自分の思った事が全て正しく、他の者の言う事は信じなかった
兄達の優しさにも気付けぬほど、自身の内に閉じこもっていた
なのに、愛しい女の言葉には心が動いた
愛しい女、マイン・カーリー
『貴方はお兄さん達より劣ってる。でも大丈夫。私が側にいてあげるから』
普段なら激怒しただろう言葉
だが怒りはなく、ただただ安心した
“マインといれば、俺は兄上達より…”
あれ?
あの時、なんて思ったんだっけ?
クロスは幻影・幻聴の中、マインとの出会いを思い出す
幻影のマインを見つめる
罪王の塔で、クロスは発狂する事を禁じられ、マインに己の罪を言われ続け、今まであの黒の男に言っていた言葉を言われ続ける
それがクロスの罰だから
心が軋む音がする
幸せだったマインとの日々を思い出す
だが、クロスにマインとの幸せだった日々を思い出す事が出来なかった
あの時は確かに幸せだった
でも、思い返した今は、なぜ幸せと思ったのかわからない
マインとの日々を思い出そうとし、思い出されるのは、ライ兄様の、あの黒の男、ルシェリオに向ける優しく甘い表情
普段何を言われても無表情だというのに、ライ兄様に笑いかけられ、嬉しそうに少し微笑むルシェリオ
黒は忌色で、蔑まれるべきなのに…
何故?
あれ?母上や父上も蔑んでいなかった
僕の周りに黒を蔑んでいた者はいない
なら、なんで俺は黒を蔑むべきなんて思ったんだっけ…?
クロスは愛しいと思っていたマインの罵倒を聞きながら思考にふける
だが答えが出る事はないだろう
『ふふふ』
それはここメディル王国の第三王子であった男だ
この男クロスは、誰も来ることの許されない、世で最も高い塔、《罪王の塔》の最上階に幽閉されていた
罪王の塔は王族が罪を犯した時、最も最上の罰を与える塔であった
クロスは虚に虚空を見つめていた
会えはしない愛しい女
愛しい女に罵倒され続ける
それがこの男の罰だ
クロスは昔から我儘で強欲だった
聡明で強い兄達と比べ、劣等感から使用人に当たり散らし、我儘放題であった
故に、自分の思った事が全て正しく、他の者の言う事は信じなかった
兄達の優しさにも気付けぬほど、自身の内に閉じこもっていた
なのに、愛しい女の言葉には心が動いた
愛しい女、マイン・カーリー
『貴方はお兄さん達より劣ってる。でも大丈夫。私が側にいてあげるから』
普段なら激怒しただろう言葉
だが怒りはなく、ただただ安心した
“マインといれば、俺は兄上達より…”
あれ?
あの時、なんて思ったんだっけ?
クロスは幻影・幻聴の中、マインとの出会いを思い出す
幻影のマインを見つめる
罪王の塔で、クロスは発狂する事を禁じられ、マインに己の罪を言われ続け、今まであの黒の男に言っていた言葉を言われ続ける
それがクロスの罰だから
心が軋む音がする
幸せだったマインとの日々を思い出す
だが、クロスにマインとの幸せだった日々を思い出す事が出来なかった
あの時は確かに幸せだった
でも、思い返した今は、なぜ幸せと思ったのかわからない
マインとの日々を思い出そうとし、思い出されるのは、ライ兄様の、あの黒の男、ルシェリオに向ける優しく甘い表情
普段何を言われても無表情だというのに、ライ兄様に笑いかけられ、嬉しそうに少し微笑むルシェリオ
黒は忌色で、蔑まれるべきなのに…
何故?
あれ?母上や父上も蔑んでいなかった
僕の周りに黒を蔑んでいた者はいない
なら、なんで俺は黒を蔑むべきなんて思ったんだっけ…?
クロスは愛しいと思っていたマインの罵倒を聞きながら思考にふける
だが答えが出る事はないだろう
『ふふふ』
18
あなたにおすすめの小説
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
僕はただの妖精だから執着しないで
ふわりんしず。
BL
BLゲームの世界に迷い込んだ桜
役割は…ストーリーにもあまり出てこないただの妖精。主人公、攻略対象者の恋をこっそり応援するはずが…気付いたら皆に執着されてました。
お願いそっとしてて下さい。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
多分短編予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる