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第3章
センパイの理想のひと(4)
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「は、はい。あたしはフロンド出身です。ライドには仕事の為に来ました」
「……仕事……?」
「はい。でも、着いて早々、悪いひとに絡まれちゃって。だから安全な場所を求めて、とりあえず警察署に行ったんですよ。そしたら警察署がギャングに乗っ取られてて、ほんとにびっくりして……あの、本物の警官の方々は、どこにいるんですか?」
「……いや、あの場にいた者たちが、紛れもなくライドの警官たちだ」
「え……!?」
シロクさんは表情を崩さずに小さく息を吐くと、ライド区の内情を話してくれた。
今から九年前、ミグハルド大事変で悪魔女ガルドが葬られ、ようやくライド区民は自由を手に入れた。
ところが、今度は区民の代表であるはずのライド区の役人たちが権力をふりかざしはじめ、区民の財産や生活を支配するようになったという。そうした役人たちはみな、元々悪魔女に取り入っていた者や、悪魔女の魔法による洗脳の溶けていない者ばかりだったらしい。
役所や警察署など、区が管轄する組織に所属する者のみが優遇され、一般の区民には莫大な税金が課せられた。
当然、区民は反発する。ライドの至るところで反乱が起こり、それに伴って治安は悪化、就業率も上がらず、街にはギャングがあふれかえった。
そして今もなお、役人と区民やギャングの争いは続いているらしい。
「……我々一家は、数十年前、ライドの平和を願い作られた組織だ。昔は悪魔女のもとから捕われた区民を奪還することが主な活動だったのだが……今は警官に捕らえられた無実の一般人の救出を主としている。悪魔女が消えたというのに、我々一家の活動内容は変わっていない。この地は未だに、悪魔女に毒されたままだ」
シロクさんの語る真実は、あたしにとっては衝撃的だった。
ニュースで報道されたことはないし、教科書にも載っていない事実。
載っていたのは、悪魔女がいなくなり、ライドが自由を手にしたというところまでだ。あたしはその文章を読み、ライドもどんどん良くなっているものだと、勝手な想像をして片付けていた。それが、間違いだとも気付かずに。
「あの……国王様は、ライドの現状を知っているんでしょうか」
「……数年前より、先代の家長が何度かフロンドに出向き、国王の側近を介して伝えたことはある。だが、毎回ライドは何も変わらなかった。おそらく、国からライド区役所になんらかの通達はあったと思うが、役人がうまく立ち回り、掻き消してしまったのだろう」
「そ、そんな……」
続けられる言葉がなく、うつむいてしまう。
嘆かわしいのは、同じ国内で生まれても、区が違うだけで、人生が左右されてしまうという現実だ。
あたしはフロンド区に生まれ、ミグハルド大事変を除いては、穏やかな環境で育ってきた。
なんか……これまで悩みの種だったパッとしない自分が、とても幸せな人間にも思えるよ。
「……マトリ、きみが気に病む必要はない。他区の者がライドの実情を知ってくれただけで、我々にとっては前進だ」
「シロクさん……」
ああ、シロクさん。あなたは励ましてくれるときも無表情なんですね。
確かにいくら嘆いても、あたしにライド区の明日を変える力はない。だけど……。
だけど、いつの日かシロクさんを国の最高権力者へと変えられるチケットを、あたしはこの手に持っている。
うーん。でも、こんな話を聞いたあとに、あの質問をするのは気が引けるなあ。ライドのひとは魔法が好きじゃないみたいだから、不快に思われるかもしれないし。
でもでも、あたしはこのシロクさんに王子様候補になってほしい。
じゃあどうするのよ。そりゃ、聞くしかないじゃない。
「……ところで、マトリ。きみはどんな仕事をしているんだ? 若い女性が仕事でライドに来るというのは、あまり聞いたことがないんだが」
まごまごしているうちに、彼の方から話をふってくれた。これは、流れに乗るしかない。
「えっ?! えーと、あのーぅ……その話をするにあたりまして、ひとつ質問があるんですけど、いいですか?」
「……ああ、なんだ」
「あの……魔法……の話とかしちゃっても、大丈夫ですかね?」
「……ああ」
「よかった。じゃあ、聞きますね。あの、シロクさんは、人間でも努力すれば魔法は使えると思いますか?」
さあ、あたしを打ち抜いて! 一緒にミグハルド城へ行きましょう……!
「……なぜそんなことを聞くんだ」
「えっ……その、仕事に関わること、というか、なんというか……」
シロクさんは瞬きもせずに、数秒沈黙した。
「……人間は魔力の源である魔魂を持たない種族だ。どんなに努力しようが、魔法を使うことは不可能だろう」
うわーん、正論! 全然エミルドさんぽくなーい!
ど、どうしよう。性格も外見も絵本の中の王子様みたいなのに、あたしの王子様像とは掛け離れている。
でもこれであっさり候補から外してしてしまうには、あまりにも惜しいなあ。ライドでシロクさん以上の適格者を見つけられる気もしないし……よ、よし、もう少し粘ってみよっか。
「どう頑張っても……ですか? 鍛練を続けてれば、いつか奇跡は起こる! とか、可能性は無限! とか、思いませんか? あっ、そうだ。もし、この質問をしたのが夢を持った幼い子供だったらどうします? 同じことを答えますか?」
「……誰に何度聞かれても、人間が魔法を使うことが不可能だという事実は変わることはない」
だめ押し……! もはやこれまでか。あああ、無念。これからあたしはどうすれば……。
「……だが……」
「えっ?! だ、だがっ?! だが、なんですか?!」
あたしは一縷の望みに煽られ、身を乗り出す。
「……我が一家には、己の信念を貫くべしという掟がある。たとえ無謀だとしても、信念を持って行っているのならば、それがその者の生き様だ。人間に魔法は使えないという事実は事実として知っておくべきだが、それを知った上で諦めるのも挑むのも個人の自由だ。我々一家にも、力の差が歴然である悪魔女に立ち向かった過去がある。だから、おれはその子供にこう答えるだろう。人間に魔法は使えない。だか、その先は自分で見極めろ、と」
――きゅぅぅぅん……っ!
彼の口から放たれた言魂に、あたしの胸は弾けて鳴いた。
風穴から舞い飛んだパステルカラーの紙テープが、仰向けに打ち倒されたあたしのうえに積もっていくイメージに包まれる。
す、素晴らしいですシロクさん……!
エミルドさんの名言、「なにがほんとうでほんとうじゃないかは、きみが決めていいんだよ」を彷彿とさせる見事な回答です!
生き様、って、なんかかっこいい言葉だなあ。あたしも言えるようになってみたい。
「エミルドさんにもらった言葉に恥じない人生を歩む事。それがあたしの生き様よ」なんて!
くぅー、憧れる! 俄然、前向きな気持ちになってきたー!
これは粘ったかいがあったよね。あとはシロクさんさえ承諾してくれれば、王子様スカウト旅ライド区の巻は大団円。よかったよかったよかったーっ!
「……どうした、大丈夫か?」
左右に転がりながら悶えるあたしを、シロクさんが無表情で覗き込む。
「だ、大丈夫です!」
勢いよく起き上がり、さっそくスカウトを……と思ったのに、視線が合わない。
シロクさんの目は、窓に向いていた。頭の上の獣耳が、ピンと立っている。
それは一家のみなさんも同じで、全員が耳を立て、窓のある壁に注目していた。壁際にいたシラベくんが素早く窓を開け、外を確認して叫ぶ。
「警戒を! 不審車両が接近中です!」
え? 車? 言われてみれば、かすかにエンジンの音が聞こえるような。そう感じた瞬間。
「みんな、ふせ――」
爆音が、シラベくんの声を掻き消した。
「……仕事……?」
「はい。でも、着いて早々、悪いひとに絡まれちゃって。だから安全な場所を求めて、とりあえず警察署に行ったんですよ。そしたら警察署がギャングに乗っ取られてて、ほんとにびっくりして……あの、本物の警官の方々は、どこにいるんですか?」
「……いや、あの場にいた者たちが、紛れもなくライドの警官たちだ」
「え……!?」
シロクさんは表情を崩さずに小さく息を吐くと、ライド区の内情を話してくれた。
今から九年前、ミグハルド大事変で悪魔女ガルドが葬られ、ようやくライド区民は自由を手に入れた。
ところが、今度は区民の代表であるはずのライド区の役人たちが権力をふりかざしはじめ、区民の財産や生活を支配するようになったという。そうした役人たちはみな、元々悪魔女に取り入っていた者や、悪魔女の魔法による洗脳の溶けていない者ばかりだったらしい。
役所や警察署など、区が管轄する組織に所属する者のみが優遇され、一般の区民には莫大な税金が課せられた。
当然、区民は反発する。ライドの至るところで反乱が起こり、それに伴って治安は悪化、就業率も上がらず、街にはギャングがあふれかえった。
そして今もなお、役人と区民やギャングの争いは続いているらしい。
「……我々一家は、数十年前、ライドの平和を願い作られた組織だ。昔は悪魔女のもとから捕われた区民を奪還することが主な活動だったのだが……今は警官に捕らえられた無実の一般人の救出を主としている。悪魔女が消えたというのに、我々一家の活動内容は変わっていない。この地は未だに、悪魔女に毒されたままだ」
シロクさんの語る真実は、あたしにとっては衝撃的だった。
ニュースで報道されたことはないし、教科書にも載っていない事実。
載っていたのは、悪魔女がいなくなり、ライドが自由を手にしたというところまでだ。あたしはその文章を読み、ライドもどんどん良くなっているものだと、勝手な想像をして片付けていた。それが、間違いだとも気付かずに。
「あの……国王様は、ライドの現状を知っているんでしょうか」
「……数年前より、先代の家長が何度かフロンドに出向き、国王の側近を介して伝えたことはある。だが、毎回ライドは何も変わらなかった。おそらく、国からライド区役所になんらかの通達はあったと思うが、役人がうまく立ち回り、掻き消してしまったのだろう」
「そ、そんな……」
続けられる言葉がなく、うつむいてしまう。
嘆かわしいのは、同じ国内で生まれても、区が違うだけで、人生が左右されてしまうという現実だ。
あたしはフロンド区に生まれ、ミグハルド大事変を除いては、穏やかな環境で育ってきた。
なんか……これまで悩みの種だったパッとしない自分が、とても幸せな人間にも思えるよ。
「……マトリ、きみが気に病む必要はない。他区の者がライドの実情を知ってくれただけで、我々にとっては前進だ」
「シロクさん……」
ああ、シロクさん。あなたは励ましてくれるときも無表情なんですね。
確かにいくら嘆いても、あたしにライド区の明日を変える力はない。だけど……。
だけど、いつの日かシロクさんを国の最高権力者へと変えられるチケットを、あたしはこの手に持っている。
うーん。でも、こんな話を聞いたあとに、あの質問をするのは気が引けるなあ。ライドのひとは魔法が好きじゃないみたいだから、不快に思われるかもしれないし。
でもでも、あたしはこのシロクさんに王子様候補になってほしい。
じゃあどうするのよ。そりゃ、聞くしかないじゃない。
「……ところで、マトリ。きみはどんな仕事をしているんだ? 若い女性が仕事でライドに来るというのは、あまり聞いたことがないんだが」
まごまごしているうちに、彼の方から話をふってくれた。これは、流れに乗るしかない。
「えっ?! えーと、あのーぅ……その話をするにあたりまして、ひとつ質問があるんですけど、いいですか?」
「……ああ、なんだ」
「あの……魔法……の話とかしちゃっても、大丈夫ですかね?」
「……ああ」
「よかった。じゃあ、聞きますね。あの、シロクさんは、人間でも努力すれば魔法は使えると思いますか?」
さあ、あたしを打ち抜いて! 一緒にミグハルド城へ行きましょう……!
「……なぜそんなことを聞くんだ」
「えっ……その、仕事に関わること、というか、なんというか……」
シロクさんは瞬きもせずに、数秒沈黙した。
「……人間は魔力の源である魔魂を持たない種族だ。どんなに努力しようが、魔法を使うことは不可能だろう」
うわーん、正論! 全然エミルドさんぽくなーい!
ど、どうしよう。性格も外見も絵本の中の王子様みたいなのに、あたしの王子様像とは掛け離れている。
でもこれであっさり候補から外してしてしまうには、あまりにも惜しいなあ。ライドでシロクさん以上の適格者を見つけられる気もしないし……よ、よし、もう少し粘ってみよっか。
「どう頑張っても……ですか? 鍛練を続けてれば、いつか奇跡は起こる! とか、可能性は無限! とか、思いませんか? あっ、そうだ。もし、この質問をしたのが夢を持った幼い子供だったらどうします? 同じことを答えますか?」
「……誰に何度聞かれても、人間が魔法を使うことが不可能だという事実は変わることはない」
だめ押し……! もはやこれまでか。あああ、無念。これからあたしはどうすれば……。
「……だが……」
「えっ?! だ、だがっ?! だが、なんですか?!」
あたしは一縷の望みに煽られ、身を乗り出す。
「……我が一家には、己の信念を貫くべしという掟がある。たとえ無謀だとしても、信念を持って行っているのならば、それがその者の生き様だ。人間に魔法は使えないという事実は事実として知っておくべきだが、それを知った上で諦めるのも挑むのも個人の自由だ。我々一家にも、力の差が歴然である悪魔女に立ち向かった過去がある。だから、おれはその子供にこう答えるだろう。人間に魔法は使えない。だか、その先は自分で見極めろ、と」
――きゅぅぅぅん……っ!
彼の口から放たれた言魂に、あたしの胸は弾けて鳴いた。
風穴から舞い飛んだパステルカラーの紙テープが、仰向けに打ち倒されたあたしのうえに積もっていくイメージに包まれる。
す、素晴らしいですシロクさん……!
エミルドさんの名言、「なにがほんとうでほんとうじゃないかは、きみが決めていいんだよ」を彷彿とさせる見事な回答です!
生き様、って、なんかかっこいい言葉だなあ。あたしも言えるようになってみたい。
「エミルドさんにもらった言葉に恥じない人生を歩む事。それがあたしの生き様よ」なんて!
くぅー、憧れる! 俄然、前向きな気持ちになってきたー!
これは粘ったかいがあったよね。あとはシロクさんさえ承諾してくれれば、王子様スカウト旅ライド区の巻は大団円。よかったよかったよかったーっ!
「……どうした、大丈夫か?」
左右に転がりながら悶えるあたしを、シロクさんが無表情で覗き込む。
「だ、大丈夫です!」
勢いよく起き上がり、さっそくスカウトを……と思ったのに、視線が合わない。
シロクさんの目は、窓に向いていた。頭の上の獣耳が、ピンと立っている。
それは一家のみなさんも同じで、全員が耳を立て、窓のある壁に注目していた。壁際にいたシラベくんが素早く窓を開け、外を確認して叫ぶ。
「警戒を! 不審車両が接近中です!」
え? 車? 言われてみれば、かすかにエンジンの音が聞こえるような。そう感じた瞬間。
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