167 / 190
残ればいいのに!
しおりを挟む
大浴場の扉の前、ジリジリイライラと腕を組んで待つ二人は王都からやってきた上位貴族であると共に上位のαである。
宿の使用人達の間でひそひそこそこそと噂を立てられる二人でもある。
曰く、容姿が良い、所作が綺麗、そしてなんといっても伴侶に向ける姿勢がとても良い。
あんな風に愛されてみたい、と。
「・・・お前、リュカの湯上りを見る気だろ」
「は?お前こそナルの・・・」
「微塵も興味がない」
「俺だって今更ないね」
「今更ってなんだ、お前やっぱりリュカを・・・」
「はぁ?今はナルだけだし」
お互い胸ぐらを掴んで睨み合いギリギリと歯を噛み締める音までが聞こえてきそうな中、大浴場の扉が開いた。
「なんで喧嘩してんの?」
「どうかしましたか?」
不機嫌な顔がパッと明るくなりお互いの伴侶を、相手から隠すように囲いこんだ。
「リュカ、広い湯殿は気持ちよかったか?」
「はい!」
すべすべの桃色の頬を緩ませるのが愛らしい。
お前のとこはこんな風にはいかないだろ?とアイザックはチラリともう一人を窺った。
ぼたぼたと髪の先から雫が垂れているのを見て、だらしないなと思う。
「ナル、ちゃんと拭け」
「エルが拭いてくれよ」
「しょうがないな」
わしわしと拭かれるのを目を閉じて気持ちよさそうにするナルシュ、ふふんと得意げなエルドリッジの顔に腹が立つ。
きちんと着込んで髪もしっとりしているだけでリュカはちゃんとしている。
それでいい、それでいいが色々かまいたいとも思うアイザックだった。
数日ぶりの天蓋付きのベッドは広く沈み込むような柔らかさがあった。
ただ、そこからアイザックの匂いがしないのでベッド以外で睡眠をとっていたんだなと推測する。
もしかしたらあまり眠れていないのかもしれない。
部屋付きの温泉で湯を浴びるアイザックを待ちながらリュカはうとうとと微睡んでいた。
「リュカ?」
頬を突かれて瞼をあげるとアイザックがいた。
腰にタオルを巻いただけの姿、引き締まった体にリュカは目を奪われる。
「眠い?」
同じように横たわって腰を抱き寄せて見つめあって、自然と唇が触れた。
その柔らかさを楽しむように何度も小さく合わせる。
下唇に舌を這わすとリュカの口が開いたので、深く口づけた。
引っ込んだ舌を引きずり出して、腰も後頭部も引き寄せて思う存分堪能する。
「・・・アイク、歯が欠けてる」
「ん?あぁ、どこだった?」
「奥歯?んー?」
大きく開けた口の中をリュカがまじまじと眺め、指を突っ込んできた。
グリグリと内頬を擦り、歯のひとつひとつをなぞったり押したりする。
「・・・ひゅ、ひゅか?」
開けっ放しの口からは唾液がこぼれて話す言葉もままならない。
指はもう四本入っていて上顎を指の腹で撫でられ、舌を挟まれずりずりと扱かれた。
ふふふ、と笑うリュカがなんだか艶かしい。
「大事なものが欠けたんですね。奥歯のここ」
欠けたであろう箇所をグイグイと押されていると、不意に錆臭い味が口内に広がった。
「ひゅあ・・・ち・・・」
「はい、指の皮が破れたようです」
そのまま指を喉奥まで突っ込まれてリュカの血を飲まされた。
喉が嚥下したのを見てとってやっと指が引き抜かれる、番った時と同じ血の味がする。
「・・・リュカ?」
じゅうと中指を吸うリュカに堪らなく興奮してなにかが焼き切れたような気がした。
たった数日、それでも肌が心が体全部がリュカを欲してしたのだとわかった。
滑らかな白い肌、どこに触れても敏感な反応を返してくるのが嬉しい。
「リュカ、リュカ・・・ここに入りたい、入らせて?」
膝に乗せてトントンと小刻みに下から突き上げながら懇願する。
平らな胸のそれは真っ赤に膨れあがっていて舐めしゃぶる。
あっあっ、と仰け反るのを落ちないようにしっかり支えて突き上げながら今度は耳朶を食んだ。
ぐちぐちとわざと音を立てて舌先を耳の穴に入れて、合間に受け入れてと囁く。
甘ったるい匂いと、か細く鳴く声と必死になってこちらにしがみついてくる様に煽られた。
「奥まで?」
「うん、挿れたい・・・お願い」
ふっと吐息のような笑みのようなものを漏らしたリュカがゆっくりと腰を落とした。
柔らかく先端に吸い付いていたそこがゆっくりと開いていく。
じわじわと飲み込まれていくのがわかって痺れるような快感が突き抜けていく。
「はっ・・・んっ・・・リュカ」
深く深呼吸して一気に落とした瞬間にリュカが喉仏に噛み付いた。
ギリギリと力を入れてプチと皮が弾ける音が耳に入ってきた。
激しい痛みと快感に脳髄が焼けそうになった時、じゅるるっと音をたててリュカが血を啜った。
「項と同じでこれも痕が残ればいいのに」
リュカのその言葉を最後にアイザックの頭は真っ白になった。
がむしゃらにリュカを貪ったような気もするし、優しくリュカに抱かれたような気もする。
そのうち目の前が真っ黄色になってぶっ倒れた。
そして、目覚めた時には隣にいるはずのリュカがいなかった。
宿の使用人達の間でひそひそこそこそと噂を立てられる二人でもある。
曰く、容姿が良い、所作が綺麗、そしてなんといっても伴侶に向ける姿勢がとても良い。
あんな風に愛されてみたい、と。
「・・・お前、リュカの湯上りを見る気だろ」
「は?お前こそナルの・・・」
「微塵も興味がない」
「俺だって今更ないね」
「今更ってなんだ、お前やっぱりリュカを・・・」
「はぁ?今はナルだけだし」
お互い胸ぐらを掴んで睨み合いギリギリと歯を噛み締める音までが聞こえてきそうな中、大浴場の扉が開いた。
「なんで喧嘩してんの?」
「どうかしましたか?」
不機嫌な顔がパッと明るくなりお互いの伴侶を、相手から隠すように囲いこんだ。
「リュカ、広い湯殿は気持ちよかったか?」
「はい!」
すべすべの桃色の頬を緩ませるのが愛らしい。
お前のとこはこんな風にはいかないだろ?とアイザックはチラリともう一人を窺った。
ぼたぼたと髪の先から雫が垂れているのを見て、だらしないなと思う。
「ナル、ちゃんと拭け」
「エルが拭いてくれよ」
「しょうがないな」
わしわしと拭かれるのを目を閉じて気持ちよさそうにするナルシュ、ふふんと得意げなエルドリッジの顔に腹が立つ。
きちんと着込んで髪もしっとりしているだけでリュカはちゃんとしている。
それでいい、それでいいが色々かまいたいとも思うアイザックだった。
数日ぶりの天蓋付きのベッドは広く沈み込むような柔らかさがあった。
ただ、そこからアイザックの匂いがしないのでベッド以外で睡眠をとっていたんだなと推測する。
もしかしたらあまり眠れていないのかもしれない。
部屋付きの温泉で湯を浴びるアイザックを待ちながらリュカはうとうとと微睡んでいた。
「リュカ?」
頬を突かれて瞼をあげるとアイザックがいた。
腰にタオルを巻いただけの姿、引き締まった体にリュカは目を奪われる。
「眠い?」
同じように横たわって腰を抱き寄せて見つめあって、自然と唇が触れた。
その柔らかさを楽しむように何度も小さく合わせる。
下唇に舌を這わすとリュカの口が開いたので、深く口づけた。
引っ込んだ舌を引きずり出して、腰も後頭部も引き寄せて思う存分堪能する。
「・・・アイク、歯が欠けてる」
「ん?あぁ、どこだった?」
「奥歯?んー?」
大きく開けた口の中をリュカがまじまじと眺め、指を突っ込んできた。
グリグリと内頬を擦り、歯のひとつひとつをなぞったり押したりする。
「・・・ひゅ、ひゅか?」
開けっ放しの口からは唾液がこぼれて話す言葉もままならない。
指はもう四本入っていて上顎を指の腹で撫でられ、舌を挟まれずりずりと扱かれた。
ふふふ、と笑うリュカがなんだか艶かしい。
「大事なものが欠けたんですね。奥歯のここ」
欠けたであろう箇所をグイグイと押されていると、不意に錆臭い味が口内に広がった。
「ひゅあ・・・ち・・・」
「はい、指の皮が破れたようです」
そのまま指を喉奥まで突っ込まれてリュカの血を飲まされた。
喉が嚥下したのを見てとってやっと指が引き抜かれる、番った時と同じ血の味がする。
「・・・リュカ?」
じゅうと中指を吸うリュカに堪らなく興奮してなにかが焼き切れたような気がした。
たった数日、それでも肌が心が体全部がリュカを欲してしたのだとわかった。
滑らかな白い肌、どこに触れても敏感な反応を返してくるのが嬉しい。
「リュカ、リュカ・・・ここに入りたい、入らせて?」
膝に乗せてトントンと小刻みに下から突き上げながら懇願する。
平らな胸のそれは真っ赤に膨れあがっていて舐めしゃぶる。
あっあっ、と仰け反るのを落ちないようにしっかり支えて突き上げながら今度は耳朶を食んだ。
ぐちぐちとわざと音を立てて舌先を耳の穴に入れて、合間に受け入れてと囁く。
甘ったるい匂いと、か細く鳴く声と必死になってこちらにしがみついてくる様に煽られた。
「奥まで?」
「うん、挿れたい・・・お願い」
ふっと吐息のような笑みのようなものを漏らしたリュカがゆっくりと腰を落とした。
柔らかく先端に吸い付いていたそこがゆっくりと開いていく。
じわじわと飲み込まれていくのがわかって痺れるような快感が突き抜けていく。
「はっ・・・んっ・・・リュカ」
深く深呼吸して一気に落とした瞬間にリュカが喉仏に噛み付いた。
ギリギリと力を入れてプチと皮が弾ける音が耳に入ってきた。
激しい痛みと快感に脳髄が焼けそうになった時、じゅるるっと音をたててリュカが血を啜った。
「項と同じでこれも痕が残ればいいのに」
リュカのその言葉を最後にアイザックの頭は真っ白になった。
がむしゃらにリュカを貪ったような気もするし、優しくリュカに抱かれたような気もする。
そのうち目の前が真っ黄色になってぶっ倒れた。
そして、目覚めた時には隣にいるはずのリュカがいなかった。
61
あなたにおすすめの小説
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました
2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。
様々な形での応援ありがとうございます!
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
愛する公爵と番になりましたが、大切な人がいるようなので身を引きます
まんまる
BL
メルン伯爵家の次男ナーシュは、10歳の時Ωだと分かる。
するとすぐに18歳のタザキル公爵家の嫡男アランから求婚があり、あっという間に婚約が整う。
初めて会った時からお互い惹かれ合っていると思っていた。
しかしアランにはナーシュが知らない愛する人がいて、それを知ったナーシュはアランに離婚を申し出る。
でもナーシュがアランの愛人だと思っていたのは⋯。
執着系α×天然Ω
年の差夫夫のすれ違い(?)からのハッピーエンドのお話です。
Rシーンは※付けます
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる