11 / 16
こいすてふ
しおりを挟む
もういくつ寝るとお正月といった頃、ロゼ先輩とお風呂に行ってから数日が経っている。
あの日、もっと素直になったらいいってロゼ先輩に言われて、その場で先輩のことが好きです……なんて言えたら良かったのに、そんな一幕はなく……普通に過ごして普通に解散して、先輩は年末年始の帰省で今は寮にいない。
先輩のことは綺麗だなって思ってるし、人として尊敬もしている。好意もあると思う。けれどその好きは……そういう好きなのだろうか。
「紗彩ちゃん……」
こういう時、なんでも相談できて頼れるルームメイトも帰省中だ。ここしばらくで一気に意中の先輩との距離をつめてゴールインしたようだ。ゴールインっていうのはちょっと違うか。きっと、二人の道はこれからなんだろうし。
一方の私は……なんとなく一人でいたくて帰省せずにいる。姉にも今は会いたくない。
誰かに相談したいけど、自分の気持ちなんだから自分で向き合いたい。そんなことを考え続けて頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。先輩はみんなが特別で、だから恋が分からないって前に言っていた。どうしたら先輩の特別になれるんだろう。そんなことを考えている時点で、先輩のことを好きなんだって分かるけど、目をそらしたい。
こんなに誰かのことを考えて、何も手につかなくなるなんて、私らしくない気がする。
仮に私がロゼ先輩のことを好きだとして、特別になりたいとして……その先に私は何を願うんだろう。
「うへぇ。なんか、熱いお風呂に入って流せたらいいのに……」
時刻はまだ午後三時。お風呂に入れるまでけっこうな時間がある。
「走ろうかな」
年末年始ということもあり、部活はお休み。ということはランニングもないわけで。健全な精神は健全なる肉体に宿るじゃないけど、うだうだ悩むくらいならちょっと汗をかいてお風呂まで過ごそうというわけだ。
紗彩ちゃんもいないし、がばっと脱いでさっと着替える。
星花女子学園の寮は中等部、高等部それぞれに桜花寮と菊花寮があるから四棟の建物がある。その四棟をぐるりと回れば、それなりの距離があっていいランニングになる。そういえば、中等部の菊花寮は数年後には建て替えて四人部屋の寮に再建築するなんていうウワサがあるっけ。
親友だと世音が菊花寮にいるけど、そんなすぐの話じゃないし高校生になってから……ひょっとしたら卒業してからの話かもしれない。そんなことを思いながら私室を出て玄関で靴を履き替え、まずはストレッチをする。
「……ふぅ、よし!」
走ることに集中しよう!!
あの日、もっと素直になったらいいってロゼ先輩に言われて、その場で先輩のことが好きです……なんて言えたら良かったのに、そんな一幕はなく……普通に過ごして普通に解散して、先輩は年末年始の帰省で今は寮にいない。
先輩のことは綺麗だなって思ってるし、人として尊敬もしている。好意もあると思う。けれどその好きは……そういう好きなのだろうか。
「紗彩ちゃん……」
こういう時、なんでも相談できて頼れるルームメイトも帰省中だ。ここしばらくで一気に意中の先輩との距離をつめてゴールインしたようだ。ゴールインっていうのはちょっと違うか。きっと、二人の道はこれからなんだろうし。
一方の私は……なんとなく一人でいたくて帰省せずにいる。姉にも今は会いたくない。
誰かに相談したいけど、自分の気持ちなんだから自分で向き合いたい。そんなことを考え続けて頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。先輩はみんなが特別で、だから恋が分からないって前に言っていた。どうしたら先輩の特別になれるんだろう。そんなことを考えている時点で、先輩のことを好きなんだって分かるけど、目をそらしたい。
こんなに誰かのことを考えて、何も手につかなくなるなんて、私らしくない気がする。
仮に私がロゼ先輩のことを好きだとして、特別になりたいとして……その先に私は何を願うんだろう。
「うへぇ。なんか、熱いお風呂に入って流せたらいいのに……」
時刻はまだ午後三時。お風呂に入れるまでけっこうな時間がある。
「走ろうかな」
年末年始ということもあり、部活はお休み。ということはランニングもないわけで。健全な精神は健全なる肉体に宿るじゃないけど、うだうだ悩むくらいならちょっと汗をかいてお風呂まで過ごそうというわけだ。
紗彩ちゃんもいないし、がばっと脱いでさっと着替える。
星花女子学園の寮は中等部、高等部それぞれに桜花寮と菊花寮があるから四棟の建物がある。その四棟をぐるりと回れば、それなりの距離があっていいランニングになる。そういえば、中等部の菊花寮は数年後には建て替えて四人部屋の寮に再建築するなんていうウワサがあるっけ。
親友だと世音が菊花寮にいるけど、そんなすぐの話じゃないし高校生になってから……ひょっとしたら卒業してからの話かもしれない。そんなことを思いながら私室を出て玄関で靴を履き替え、まずはストレッチをする。
「……ふぅ、よし!」
走ることに集中しよう!!
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
★【完結】棘のない薔薇(作品230327)
菊池昭仁
恋愛
聡と辛い別れをした遥はその傷が癒えぬまま、学生時代のサークル仲間、光一郎と寂しさから結婚してしまい、娘の紅葉が生まれてしあわせな日々を過ごしていた。そんな時、遙の会社の取引先の商社マン、冴島と出会い、遙は恋に落ちてしまう。花を売るイタリアンレストラン『ナポリの黄昏』のスタッフたちはそんな遥をやさしく見守る。都会を漂う男と女。傷つけ傷つけられて愛が加速してゆく。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる