百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ

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本編

013 顔合わせ

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 夏休みということもあり、普段は入らないシフトの時間帯にも出勤することになった。金曜日のランチタイムなのだが――。

「今日からお世話になりまーす。ユラです。Fカップです。よろしくお願いしまーす」
「はいよろしく。アタシはシンディ、こっちはラン、そっちにいるのはセリカとアミだ」
「紹介が雑だねぇ。もっぱらキッチンのセリカだ」
「アミだよ。二年くらいここで働いているから、困ったらなんでも言ってね」

 今日からここで働くというユラちゃんは同い年だけど大学には行っていないアルバイターだという。茶髪をツインテールに結った可愛らしい子でピンク色のブラジャーが白い肌とよく似合う。
 セリカさんは二十代後半のお姉さんで、濃いブルーの下着が大人の色気を出している。今日で会うのは三度目だがキッチンがメインということもあって、なかなかお話する機会がない。
 アミさんはアイドルかってくらい可愛らしい美少女で、Dカップということもあってこの中だと小さく見えちゃうけどそれでもウェストが引き締まっていて、ボディラインがすごく綺麗な人だ。介護だか看護の専門学校に通っているという。
 なかなかスタッフの全員と会うのは難しい。そもそもアルバイトである以上、ある程度人数が集まっている日にはシフト入れないし。まだ会えていないスタッフさんは土日の出勤の人が多い。そもそもアルバイトなんだから土日メインになるのは当然というか。夏休みのうちは入れる時間帯が多いから、時間と相談しながら入るつもりだが。


「いやー、こんな可愛い人たちと一緒に働けて最高の気分ですよ。コンビニでバイトしてたんですけど、働いている人もお客もおじさんばっかりでうんざりしてたんです。たまに可愛い女の子が来たなぁって思ったら避妊具買って帰るんですよ、まじ萎えるし。可愛い子は可愛い子と付き合うべきなんです。ランちゃんもそう思うでしょ?」

 ユラちゃん以外にもこの夏から働き始める子がもう一人か二人いるらしい。にぎやかになるなぁなんて思っていたら、ユラちゃんが初対面からぐいぐい来る。高校生の頃のノリみたいで少しだけ懐かしいし、なんだか楽しくなりそうだと思った。

「そうだね、さーてお仕事がんばろっか」
「えいえいおー! めっちゃチップもらうぞー!」
「こらこら、チップはそんなに貰えるものじゃないだよー」

 意気揚々と言わんばかりにホールへ向かうユラちゃんを、アミさんが窘める。そんな光景を見て、シンディ先輩が後ろでポツリと呟いた。


「後輩が無事に育っていっているようでなによりだぜ」
「シンディちゃん、この夏はほとんどシフト入らないんだっけ」
「えぇ、少しずつ外れていって、夏明けからは気分転換程度にしかって感じっすね」
「先輩、就活忙しくなるんですか?」
「そもそも、四年のこの時期で決まってない方がアレだぜ? お前も気を付けとけよ」

 しぐさの一つ一つはカッコいいのだが……内定が無いのは確かにカッコよくない。忠告、ありがたく受け取っておこうっと。
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