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007 ホテル行きませんか?

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 初日のランチタイムをなんとか乗り切って午後二時くらいってタイミングで他のバイトさんがやってきたこともあり、私とサラさんは上がることになった。

「「お疲れ様でした~」」

 二人で店を出ると、サラさんから話しかけてくれた。

「初日なのにランさん堂々としていてすごかったです。あ、あの……この後ホテルでも行きませんか?」
「……ん?」

 服を着てもなお分かるセクシーなボディラインとバイト終わりで少しだけ滲んだ汗、そしてホテル……まぁ、正直しばらくご無沙汰だったし、サラさんとそういうことをするのもやぶさかではないわけだが……。

「流石に今日が初対面の人とラブホ行くのは……」

 私の返事にサラさんがハッとした表情で、顔の前で手を横に振る。

「ち、違います。ラブホじゃなくて、あの、その……あふ、アフタヌーンティーなんて、どう、かなって、その……べ、別に、そっちのホテルでも、いいんですけど、ね。まあ、その、私も今日が初めましての人とは、ちょっと、あれですけど、ランさんなら……いいかも、とか、思って」

 耳まで真っ赤なサラさんは年上ながらめちゃめちゃ可愛くて、本気でラブホ行ったろかと思ってしまった。というか、

「お店であれこれ飲み物飲んじゃってるんで、ここからアフタヌーンティーっていうのはちょっと……。サンドイッチとかオムライスもちょっとずつ食べてますし、どうですか、カラオケとか」

 どうやらサラさんが私ともう少し一緒にいたいというのは何となく伝わってきている。それが私個人への興味なのか、職場の先輩として初日のフォローアップをしておきたいのか、それは分からないけどさ。

「カラオケ、いいですね。私、あまり行ったことがないので連れて行って欲しいです」
「……サラさんって、お金持ち?」

 見た目もそうだけど、サラさんが普通の女子高生とか女子大生として過ごしている姿が全然想像できない。買い食いとかしたことあるのかな……?

「実は、そうでして、あの……どうしても嫌なら、働かなくたっていいと言われてます……。でも、それじゃ……なんか、申し訳なくて……」
「うひゃあ……まぁ、その……働く意思があるって立派だと思います。働かなくていいって言われたら、働かないですよ、私なら」
「あぅ……。じゃあ、その、カラオケ、行きましょ。シンディさんから聞きました。歌、上手だと」

 シンディ先輩にそう言ってもらえるのは嬉しいけど、先輩に比べると私はまだまだだ。というか……サラさんが流行の歌を知っているのかとっても不安なのだが。歌っても元の曲を知らないと上手かどうかわからないと思うんだけどなぁ。

「じゃあ、取り敢えず行ってみますか!」
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