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31章 祭りの後は
夕食の前に
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オユキは、寝かされていた寝台で目を空けて、どうにも記憶に連続性が無いなと、そんな事を考える。最後の記憶とでもいえばいいのか、自分の意識がはっきりしていたところでは久しぶりに会った少年たちを改めてトモエが見るからと。己も、それに合わせて四阿に連れ出してもらって、そこでどこか懐かしさを感じる風景を眺めて、お茶を楽しんでいたはずであった。それが、気が付いてみれば、着替えという程ではないが上に来ていたものを一枚外されて。
「目が覚めましたか」
「はい。いつの間にか、寝入っていたようで」
少し、動揺がトモエに伝わったからだろう。オユキの上体を起こすために背中と寝台の間に手を入れて、そのまま持ち上げながらオユキに声をかける。
「そうですね。風で体が冷えるかと思って、先にとも考えましたがあの子たちの型を軽く直してそのあとに」
「特に風邪などは引いていないかとは思いますが、いえ、現状が類する物ではないかと言われれば疑わしくはありますが」
トモエの不安に対して、オユキからは言い訳じみた言葉を返して。
「それよりも、オユキさんが寝ている間の事ですが」
そして、わかっていると言わんばかりにトモエは一度オユキに対して微笑み返して。それから少し、オユキが知らないだろうことをいくつか話す。併せて、自分がその時にどういった反応や決断を返したのかまで。オユキにしてみれば、成程その様な事がとばかりに頷くばかり。オユキにしてみれば、トモエの判断が間違っているとは思えないし、加えて衣装についてはオユキの全く分からぬ類の話。装飾をといった話は、いよいよそれを受けたのがオユキであれば間違いなく出なかったであろう。
精々が、オユキの判断できる範囲でいえば口実の部分位。
「ファルコ君と、先代アルゼオ公ですね。こちらに一度挨拶にというのも良かったのではないかと、それくらでしょうか」
「ああ。確かに、そちらであれば、寧ろあの子たちも喜んだでしょうか」
「どうでしょう。こちらの市場へというのも、見知らぬ品を見るほうがあの子たちにとっては楽しいでしょうから」
オユキが話を振れば、間違いなく仕事の話になる。オユキの話に乗るのだとすれば、彼らにとっては友人に会う以上に仕事の一環となる。トモエが預かっており、未だにオユキの手元に来ていない大量の手紙であったりが、ファルコあてにも用意されていることだろう。彼の兄、リヒャルトが始まりの町でメイの補佐を行ってもいるのだから。
オユキに宛てられている物は、それこそメイだけでなくマリーア公爵やイマノル、レジス侯爵にラスト子爵と間違いなく多岐にわたっているには違いない。各々が、魔国でこうした魔道具をと、そうした話も中には含まれているのだろうが。
「さて、夕食に向けて用意をしましょうか」
「トモエさん」
少し、考え事を始めたオユキを、改めてトモエが抱え上げる。トモエは既に一度汗を流しているのだが、オユキはそうでは無い。少なくとも、夕食の席では色々と顔を合わせる相手もいる。オユキの着替えも流石に行わなければならない。オユキが、そうしたトモエの気配を感じて、何やら引き攣ったような顔にはなっているのだが、そのあたりは諦めてもらうしかない。
「あの子たちは、エステール様が早速とばかりに買った服を着せて戻ってきますよ」
「それは、いえ、そういう事もありますか」
「ええ、ですので、私たちも範を示さねばなりません」
少年たちは間違いなく盛装には慣れていないだろう。だが、だからと言って魔国にある外交施設。言ってしまえば、神国の顔となる施設だ。出入りの時だけでも、取り繕う必要はある。今後招いた相手が、招かれざる客が来た時にも、あの子供たちはここで暮らすことを選べばなかなか気が抜けない事となる。
「恐らくと言いますか」
「ええ。メイ様も、少ししたたかさを身に着けた、というよりもこのあたりの策はミズキリに依る物でしょう」
今後も、間違いなくリース伯爵家の麾下として動くシグルドとパウ、それとサキもか。そのあたりは、きちんとした振る舞いを、場に併せた振る舞いが出来る様に機会を設けようとそういう話。前にも、少年たちに、ファルコに話したことではあるのだが、この辺りの経験というのは、とかく積むのが難しい物でもある。機会を望んでも、それが得られない。しかし、本番は容赦なく。
「では、オユキさんも同意をしたと言う事で」
「そうですね。昼のというよりも、セツナ様の手による物でしょうか」
一度寝て起きてみれば、どうしようもない倦怠感からは僅かに抜けている。それも、何も身に着けていないというのに。これで、冬と眠りから与えられている功績でも身につければ、息はすぐに上がるだろうが、己の足で歩けそうだと、そう思える程度に。
「私たちの部屋も、セツナ様にお願いできれば良いのですが」
「そのあたりは、明確にお返しできる物を用意できてから、でしょうか」
オユキはそう苦笑いを返してくるのだが、トモエはお構いなしに抱えたまままずはとばかりに浴室に向けて。ナザレアが今はついており、シェリアは休憩中なのか、それともカナリアをこちらに連れてくる手配に奔走しているのか。セツナにまずは整えてもらうのだとして、同じことが出来る人間が他にいなければ、やはりあちらこちらへと移動するトモエとオユキにとっては不都合がある。
休む場所として、それこそ始まりの町の屋敷を定めた上で今後の起点としても良いのだが、それにしても暫くは王都に呼ばれることも多い。今後の基本となる場所は、王都かマリーア公爵の領都か。この二つが最有力でもある。つまりは、そちらの屋敷にしても、誰かに頼んでオユキが暮らしやすい空間を作ってもらわなければならない。トモエにとっては、今はそれが最優先となっている。
オユキは申し訳なさを感じているし、フスカのやり様に思う所があるとそうした素振りを隠しはしない。だが、トモエとしては、フスカに言われたときに叶うならと考えたトモエとしては。現状に、正直言ってしまえば感謝しかない。申し訳ないと、そう感じるところはあるのだが、現状がやはり好ましいのだ。妖魔等と言われたところで、かつての世界にあった民話でしか知らぬ存在。では、どのようにすれば暮らしやすいのかと言われたところで、思い出した話の中にあることなど、とてもではないが人の手によって叶えられるようなものではない。
「私としては、嬉しい事です。ですから、今度ばかりは、私から言う事になるでしょう。少々の無理があるのだとしても」
「ええと、トモエさん」
浴室で、改めてナザレアの手も借りてオユキの服を脱がしたうえで浴槽に放り込む。
「私は、この後少しアルノーさんととも考えていましたが」
「トモエさんの料理があるのは、やはり私は嬉しいですよ」
「ええ、これからも機会があればと言いますか、前と同じように必ず一品はと思うのですが」
「今日は、そうですね。あの子たちに食材の買い出しを頼んだわけですから、難しいですか」
オユキは、少し残念に思う。その心は、やはり自分自身でもどうにもならない。トモエからは、拗ねているとそう見えるのだろう。仕方ないと、そう言わんばかりにそのままオユキの髪を洗い出す。基本的に、オユキに任せてしまえばかなり雑に洗うため、今も変わらず基本はトモエの仕事。それこそ、外に向けてオユキが出かけるときは、侍女たちが徹底的に手を入れるのだが、今はまだ身内の事。
「今日は、昼にも一品どうにか用意はしましたが」
「はい。嬉しかったです。ありがとうございます」
「オユキさんは、どうしてもああしたものがお好きですよね」
単純な料理と言えばいいのだろうか。
「ああした料理は、誤魔化しがきかないのでなかなか難しい物なんですよ」
「そう、なのですか」
「ええ」
ゆっくりと、丁寧に。かつての世界で使っていたような美容品は、生憎とこちらにはない。だが、類似の物は存在しているし、なんとなれば過去に比べてこちらの方が優れている物も多い。そのあたりは、こちらに来た異邦人たちが心血を注いだとそうよく分かる。そして、こちらの貴族たちにしても、美容品の開発を貢献することには一切惜しみなくとしたのだろう。
オユキは全くもって気にしていないのだが、基礎化粧品にしても幅広く。その上に置く化粧品は数えきれない程。トモエから見ても、こちらに来て探していた時には本当に上から下までかなり幅の広い物であったが、今となっては上質と分かるものがきちんと揃っている。オユキは全くもって気にしていないのだが、以前に王都で商人たちを読んだ時には、そうしたオユキ用の品にしてもあれこれと頼んだものだ。これだけ長い髪だというのに、加護が働いているからだろう。日に焼ける事も無ければ、傷んで先が裂けることも無い。途中で切れて、そんなこともトモエが見ている限りではない。夜毎、それこそオユキの意識がある時には、きちんと整髪用の油を使ったうえで髪を梳っているのだが、そこで引っ掛かる事も無く、ただそのままするりと通るのだ。
「あの、トモエさん」
「いえ、過去の事を想って、少々」
己が、果たしてどれだけ苦労していたのかと、そんな思いが少しにじんだのだろう。オユキが何やら不安げに背後にいるトモエを振り返ろうと身をよじる。トモエとしては、そうした動きを見て、あらためて少しオユキの体がまともに動くようになってきた、きちんと回復してきているのだなとそう改めて確認して。
「過去を、ですか」
ただ、とにかくそうした身の回りに、己の見かけに頓着しなかったオユキは、何が何やら分からぬと首をかしげて。そんなオユキに対して、ナザレアからもじっとりとした視線が送られる。この辺りは、オユキには今後しばらくせねば分からぬ類の苦労ではあるのだろう。勿論、トモエとしても細かく手を入れる心算であるため、今後もオユキが気が付くことも無いのだろうが。
「そういえば、トモエさんは以前と同じようにあの子達にも教えますか」
「どうでしょうか。流石に、そこはオユキさんからとしてほしい物ですが」
オユキの疑問に対して、やはりトモエとしてはどうにも苦笑いと共に応えるしかないのだから。
「目が覚めましたか」
「はい。いつの間にか、寝入っていたようで」
少し、動揺がトモエに伝わったからだろう。オユキの上体を起こすために背中と寝台の間に手を入れて、そのまま持ち上げながらオユキに声をかける。
「そうですね。風で体が冷えるかと思って、先にとも考えましたがあの子たちの型を軽く直してそのあとに」
「特に風邪などは引いていないかとは思いますが、いえ、現状が類する物ではないかと言われれば疑わしくはありますが」
トモエの不安に対して、オユキからは言い訳じみた言葉を返して。
「それよりも、オユキさんが寝ている間の事ですが」
そして、わかっていると言わんばかりにトモエは一度オユキに対して微笑み返して。それから少し、オユキが知らないだろうことをいくつか話す。併せて、自分がその時にどういった反応や決断を返したのかまで。オユキにしてみれば、成程その様な事がとばかりに頷くばかり。オユキにしてみれば、トモエの判断が間違っているとは思えないし、加えて衣装についてはオユキの全く分からぬ類の話。装飾をといった話は、いよいよそれを受けたのがオユキであれば間違いなく出なかったであろう。
精々が、オユキの判断できる範囲でいえば口実の部分位。
「ファルコ君と、先代アルゼオ公ですね。こちらに一度挨拶にというのも良かったのではないかと、それくらでしょうか」
「ああ。確かに、そちらであれば、寧ろあの子たちも喜んだでしょうか」
「どうでしょう。こちらの市場へというのも、見知らぬ品を見るほうがあの子たちにとっては楽しいでしょうから」
オユキが話を振れば、間違いなく仕事の話になる。オユキの話に乗るのだとすれば、彼らにとっては友人に会う以上に仕事の一環となる。トモエが預かっており、未だにオユキの手元に来ていない大量の手紙であったりが、ファルコあてにも用意されていることだろう。彼の兄、リヒャルトが始まりの町でメイの補佐を行ってもいるのだから。
オユキに宛てられている物は、それこそメイだけでなくマリーア公爵やイマノル、レジス侯爵にラスト子爵と間違いなく多岐にわたっているには違いない。各々が、魔国でこうした魔道具をと、そうした話も中には含まれているのだろうが。
「さて、夕食に向けて用意をしましょうか」
「トモエさん」
少し、考え事を始めたオユキを、改めてトモエが抱え上げる。トモエは既に一度汗を流しているのだが、オユキはそうでは無い。少なくとも、夕食の席では色々と顔を合わせる相手もいる。オユキの着替えも流石に行わなければならない。オユキが、そうしたトモエの気配を感じて、何やら引き攣ったような顔にはなっているのだが、そのあたりは諦めてもらうしかない。
「あの子たちは、エステール様が早速とばかりに買った服を着せて戻ってきますよ」
「それは、いえ、そういう事もありますか」
「ええ、ですので、私たちも範を示さねばなりません」
少年たちは間違いなく盛装には慣れていないだろう。だが、だからと言って魔国にある外交施設。言ってしまえば、神国の顔となる施設だ。出入りの時だけでも、取り繕う必要はある。今後招いた相手が、招かれざる客が来た時にも、あの子供たちはここで暮らすことを選べばなかなか気が抜けない事となる。
「恐らくと言いますか」
「ええ。メイ様も、少ししたたかさを身に着けた、というよりもこのあたりの策はミズキリに依る物でしょう」
今後も、間違いなくリース伯爵家の麾下として動くシグルドとパウ、それとサキもか。そのあたりは、きちんとした振る舞いを、場に併せた振る舞いが出来る様に機会を設けようとそういう話。前にも、少年たちに、ファルコに話したことではあるのだが、この辺りの経験というのは、とかく積むのが難しい物でもある。機会を望んでも、それが得られない。しかし、本番は容赦なく。
「では、オユキさんも同意をしたと言う事で」
「そうですね。昼のというよりも、セツナ様の手による物でしょうか」
一度寝て起きてみれば、どうしようもない倦怠感からは僅かに抜けている。それも、何も身に着けていないというのに。これで、冬と眠りから与えられている功績でも身につければ、息はすぐに上がるだろうが、己の足で歩けそうだと、そう思える程度に。
「私たちの部屋も、セツナ様にお願いできれば良いのですが」
「そのあたりは、明確にお返しできる物を用意できてから、でしょうか」
オユキはそう苦笑いを返してくるのだが、トモエはお構いなしに抱えたまままずはとばかりに浴室に向けて。ナザレアが今はついており、シェリアは休憩中なのか、それともカナリアをこちらに連れてくる手配に奔走しているのか。セツナにまずは整えてもらうのだとして、同じことが出来る人間が他にいなければ、やはりあちらこちらへと移動するトモエとオユキにとっては不都合がある。
休む場所として、それこそ始まりの町の屋敷を定めた上で今後の起点としても良いのだが、それにしても暫くは王都に呼ばれることも多い。今後の基本となる場所は、王都かマリーア公爵の領都か。この二つが最有力でもある。つまりは、そちらの屋敷にしても、誰かに頼んでオユキが暮らしやすい空間を作ってもらわなければならない。トモエにとっては、今はそれが最優先となっている。
オユキは申し訳なさを感じているし、フスカのやり様に思う所があるとそうした素振りを隠しはしない。だが、トモエとしては、フスカに言われたときに叶うならと考えたトモエとしては。現状に、正直言ってしまえば感謝しかない。申し訳ないと、そう感じるところはあるのだが、現状がやはり好ましいのだ。妖魔等と言われたところで、かつての世界にあった民話でしか知らぬ存在。では、どのようにすれば暮らしやすいのかと言われたところで、思い出した話の中にあることなど、とてもではないが人の手によって叶えられるようなものではない。
「私としては、嬉しい事です。ですから、今度ばかりは、私から言う事になるでしょう。少々の無理があるのだとしても」
「ええと、トモエさん」
浴室で、改めてナザレアの手も借りてオユキの服を脱がしたうえで浴槽に放り込む。
「私は、この後少しアルノーさんととも考えていましたが」
「トモエさんの料理があるのは、やはり私は嬉しいですよ」
「ええ、これからも機会があればと言いますか、前と同じように必ず一品はと思うのですが」
「今日は、そうですね。あの子たちに食材の買い出しを頼んだわけですから、難しいですか」
オユキは、少し残念に思う。その心は、やはり自分自身でもどうにもならない。トモエからは、拗ねているとそう見えるのだろう。仕方ないと、そう言わんばかりにそのままオユキの髪を洗い出す。基本的に、オユキに任せてしまえばかなり雑に洗うため、今も変わらず基本はトモエの仕事。それこそ、外に向けてオユキが出かけるときは、侍女たちが徹底的に手を入れるのだが、今はまだ身内の事。
「今日は、昼にも一品どうにか用意はしましたが」
「はい。嬉しかったです。ありがとうございます」
「オユキさんは、どうしてもああしたものがお好きですよね」
単純な料理と言えばいいのだろうか。
「ああした料理は、誤魔化しがきかないのでなかなか難しい物なんですよ」
「そう、なのですか」
「ええ」
ゆっくりと、丁寧に。かつての世界で使っていたような美容品は、生憎とこちらにはない。だが、類似の物は存在しているし、なんとなれば過去に比べてこちらの方が優れている物も多い。そのあたりは、こちらに来た異邦人たちが心血を注いだとそうよく分かる。そして、こちらの貴族たちにしても、美容品の開発を貢献することには一切惜しみなくとしたのだろう。
オユキは全くもって気にしていないのだが、基礎化粧品にしても幅広く。その上に置く化粧品は数えきれない程。トモエから見ても、こちらに来て探していた時には本当に上から下までかなり幅の広い物であったが、今となっては上質と分かるものがきちんと揃っている。オユキは全くもって気にしていないのだが、以前に王都で商人たちを読んだ時には、そうしたオユキ用の品にしてもあれこれと頼んだものだ。これだけ長い髪だというのに、加護が働いているからだろう。日に焼ける事も無ければ、傷んで先が裂けることも無い。途中で切れて、そんなこともトモエが見ている限りではない。夜毎、それこそオユキの意識がある時には、きちんと整髪用の油を使ったうえで髪を梳っているのだが、そこで引っ掛かる事も無く、ただそのままするりと通るのだ。
「あの、トモエさん」
「いえ、過去の事を想って、少々」
己が、果たしてどれだけ苦労していたのかと、そんな思いが少しにじんだのだろう。オユキが何やら不安げに背後にいるトモエを振り返ろうと身をよじる。トモエとしては、そうした動きを見て、あらためて少しオユキの体がまともに動くようになってきた、きちんと回復してきているのだなとそう改めて確認して。
「過去を、ですか」
ただ、とにかくそうした身の回りに、己の見かけに頓着しなかったオユキは、何が何やら分からぬと首をかしげて。そんなオユキに対して、ナザレアからもじっとりとした視線が送られる。この辺りは、オユキには今後しばらくせねば分からぬ類の苦労ではあるのだろう。勿論、トモエとしても細かく手を入れる心算であるため、今後もオユキが気が付くことも無いのだろうが。
「そういえば、トモエさんは以前と同じようにあの子達にも教えますか」
「どうでしょうか。流石に、そこはオユキさんからとしてほしい物ですが」
オユキの疑問に対して、やはりトモエとしてはどうにも苦笑いと共に応えるしかないのだから。
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