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20章 かつてのように
調査も兼ねて
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何とも取り留めのない会話。会議でも、相談でもなく。そう呼ぶにふさわしい時間を過ごせば、オユキがではとばかりにどうした手順を踏むのが良いか組み立てた。トモエとしては、本当に出た所勝負で良いのではと考えていたが、一部女性陣が華やかな会を開くと言えば、追従するものも出るだろうと。何となれば、それを隠しもしない現状では、町全体として男性陣を家屋から追い出す向きも出るだろうからという話になったため、当日の受け皿になりえるかどうかも調べねばならぬという事になった。
「もう少し、大きな施設になるかとも考えていたのですが。」
そして、今はアベルと連れ立って釣り堀の傍らに視察などと嘯いて来ている。
アイリスは、オユキと共に衣装をどうするのか、祭りの当日どうするのか。そして、近くに控えた森への大々的な作戦行動、それに際して行う事を確認などしている。アベルはその指針である計画書をローレンツに預けたため、今は裁可を待っていると言えばいいのか、よくわからぬ二人であるから、意図を聞きそこに問題が無いと判断すれば決まるのだから、それを待っているだけ。こちらも、今日は手が空いている。
「拡張計画があるとは聞いているが。」
「水産資源の獲得量が解らぬうちから、労力を過剰に割くことを良しとしなかった、ということでしょうか。」
「そういった側面もあるだろうが、単純に加工の手が足りん。管理の手もな。」
「そうした観点ですか。」
そうして視察に来た釣り堀、完成したと聞いているその場所は、思った以上に狭い空間であった。勿論、この短期間で作られたことを考えれば、過去の世界でコンクリートで覆われたいくつかの生簀に分けられたような場所と比べれば、遥かに広いものになっているが。
「しかし、町全体でとなると不足がありますか。」
「水門というか、今は壁に穴を一部明けただけだからな。外から水を引いている先を当てにするのも難しいわな。」
現在ある施設は、町で暮らす男衆が、恐らく当日は祭りというお題目で手を休める者達が全てあつまるには足りない。実際にどの程度かとトモエにはわからないが、百に満たない数が腰を下ろせば肩が触れ合うような、高々その程度の規模では到底不足するのはよくわかるというものだ。
「さて。」
「どうする。いつもみたいに、釣った隣でやるか。」
「代わりばえのしないと、そう考えてしまいますので。」
「いよいよ町中、壁の中だ。それこそ酒樽でも並べりゃ文句はでないと思うがな。」
「子供たちの教育に良くない場になりそうですね。」
飲めや歌えの大騒ぎ。実に町人らしい猥雑な喧騒が響く祭りになるだろう。それはそれで素晴らしいものではあるのだが、水と癒しを合わせて考えるというのであれば、果たして。どうにも、漏れ聞く話を考えれば清澄を好む様子。よもや水が由来となる酒食を好まぬという事など、いよいよありえないだろうが。
「後は、そうですね。」
それこそ屋形船のように、とまでは行かずとも。水を隣に楽しむ術などいくらでもあるというもの。そうしたあれこれを、過去にあった、河川が多く製鉄に纏わる種々の伝承も残った国で暮らすからこそ多くを見聞きしたトモエは、現状に即した物をどうにか当てはめてと考えてみるが。
「やはり、場を別けるのが正当となりそうですね。」
「ま、他に無いだろうな。ただ、そうなると。」
「はい。如何にして特色を切り分けるか、そこが問題ですね。」
そう話しながらも、トモエは今朝がた出がけにオユキが書きつけたメモをアベルに渡す。
「ま、お前はあいつに相談するよな。」
「ええ。今度ばかりは、私が主体として動いていますので、任せるとその姿勢はとってくれていますが。」
何分、トモエはこうしたことは不慣れだ。思いついた、何か、そうせねばならぬ様な、そうした気配を感じてはいる。だが、具体的な方法論となればいよいよ分からぬのだ。
「このあたりは、面白そうだと思うが確かに、な。」
「はい。最初はそれを考えていたのですが。」
行ってしまえば精霊流しを、こちらに合わせた形として。
個人を偲ぶのではなく、日々の感謝を水に。しかし、オユキからの疑問としては、この世界における水の流れとは何処までも世界の果てに向かう事が挙げられた。海と呼んでいい物、と言えばいいのか大陸間を隔てる水はあるのだが、その全てにしても世界の果てに向けて落ちていく。この世界が平面だからこそ、水と癒しの神殿に向けてと考えたときに、水の流れは何処までも逆になる。
「外に向かう用水路に、それで構わないとも思うが。」
「どうでしょうか。メイ様は鉱山の麓にある町まで繋ぎたいと考えるだろうと。」
「そういや、あそこは水源が無いから行き詰ってるんだったか。なら、領主としちゃ、当然の考えだな。」
鍛冶師が大量に水を使うだろう。そして、本流から引き込んだ支流をそちら迄伸ばすとして、今回行った事が慣習となってしまえば、今後は過去にあったように面倒な事になると分かる。
「だが、オユキが案として挙げているのは。」
「どうでしょうか。私たちで考えてみよと、そう言う事なのか。問題が無いだろうと踏んでいるのか。」
トモエとしても、こちらの神々は実際に物品を召し上げる事が出来るというのは見ている。ならば水に託した贈り物、日々の感謝を込めた品というのも、そうなるだろうと考えてはいるが、これまでに見たのは教会の中でだけ。そもそも神像があり、そこに持っていけば何一つ不都合なく感謝を伝える事が出来るのだ。それをわざわざ川に託してなどというのは、迂遠にすぎる。昨夜そうした物はどうだろうと、トモエからオユキに話した時にオユキの表情からその程度は読み取っている。その上でとなると、いよいよどちらなのか。
「ま、他に任せてお前には何もなしとはしないか。」
「私が望んでいるから。それ以上の事ではありませんよ。」
オユキが己の抱え込んだ仕事を、周りに預けると決めたから。それでトモエにまでという事ではないのだ。
トモエの特別がオユキであるように、オユキの特別はトモエだ。そこに他と同じ理屈を持ち込むという事は互いにあり得ない。身内びいき等と言われようとも、ではお前に伴侶程の価値があるのかとただそう返すだけ。
「他にもいくつか考えている事はあります。」
「その辺り、少し確認したいんだが。」
そして、アベルも色々と検討しながらオユキが案として書き連ねた物、それぞれの核となる事柄や、たとえどうなるにしても行っておくべき、他に流用しやすい準備の類を頭に入れ終えたのだろう。
「オユキにしろ、お前にしろ。どうにも既に予定されているものと、別としたいみたいだが。」
「ええ、まぁ。明確に選別があるわけですから。」
「水と癒しの女神だぞ。」
そして、感謝を伝えようと、そう考える相手。祀られるべき柱にしても、女性であるのではないかと。
「その辺りは、神の遍在であったり、そもそも相手に性別といった概念があるのかと。」
「それは、いや、あるだろ。」
「こちらでは、そうなのですか。」
これまで、周囲の者達は、こちらで暮らす者達は明確に神と女神と呼び分けていたが、トモエとオユキはそれをしなかった。理由は、今まさに口にした通り。姿形ですら、実際にどうなっているかもわからぬ相手だ。ただ見た目だけを基準に判断することを良しとしていない。
「いや、それは。」
本当にそうであるのならば、では、こちらのやりように習おうとトモエがそう告げればアベルはただ返答に窮する。つまり、この人物にしても判断がつかない事ではあるらしい。
「アナさんが、はっきりと月と安息の女神様と呼んでいましたから、社会通念として、そう思わせるだけの物はあるのだおると考えているのですが。」
戦と武技の神にしても、怖い姉などと呼んでいたのだ。一部は確かにそうした形を持っているのではないかとも考えている。ただ、それもあくまで言語というものがあまりに不確かなこちらの世界の仕組みがあるため、どうにも信頼が出来ない。戦と武技などと聞き、それが神だと言われれば、トモエにしろオユキにしろ、頭に浮かぶ神の姿はまず一つ。確かに男性ではある、そのように見えているがそれこそ国が変われば、今暮らすこの国の文化圏に近い場所では、火星を司る相手であったり、女神であったり。
「いえ、少々本題から離れすぎていますね。」
「ま、そうだな。それこそ、分かるのは司祭以上だろうからな。」
一先ず、興味を引かれる話題ではあるのだが早々に見切りをつけて、採取者の幾人かが緊張を湛えて釣り糸を垂らす場に背を向ける。まだまだここにしても運用を始めたばかり。領主の肝いりとまでは行かないのだろうが、それでもギルドから色々と調査や報告を頼まれた者達ではあるのだろう。仕事中に権力者がやってきて、何事かと思う気持ちも分かるというものだ。
「にしても、随分と乗り気だな。このあたりの事は、正直見て満足するとも考えていたが。」
「確かに、すでにあるものを見て、それを楽しむという心持もありますが。」
少し考えて、アベルであれば構わないだろうと。
「オユキさんは、先延ばしにするつもりですが、私としては子を望む者達の間には、やはりそれが早く訪れればと、不足なく幸いを。そう願っていますとも。」
「そういや、それもそうか。」
この人物は、すでに気が付いている。オユキとトモエは入れ替わっている。そして、そうした欲求というのは元来どちらが強いのかと。家を、暮らす場を整える。それが根付いているのはオユキではない、トモエだ。
「この町の規模なら、どうにかなるとは思うんだがな。」
「労働力が問題だとは聞いています。」
「その辺りは、俺から口出しは出来んが、まぁミズキリもケレスも見落としがある。」
メイに言及が無いのは、単に経験不足からくるものだからだろう。
「見落とし、ですか。」
「お前らも、もう少し自分の暮らしを振り返ってみろ。」
要は、トモエにヒントを出しても構わない、当主ではなく次の戦に置いて共に先陣を切る相手に対して、雑談としての範疇で助言できる範囲として。アベルとしても、ギリギリの線でこうして助言をしている。
「そうですね、少し考えてみましょう。」
そして、その助言が向かう先はトモエでは無く、オユキだ。このような事を言われたのだと、そう伝えておけと。
「もう少し、大きな施設になるかとも考えていたのですが。」
そして、今はアベルと連れ立って釣り堀の傍らに視察などと嘯いて来ている。
アイリスは、オユキと共に衣装をどうするのか、祭りの当日どうするのか。そして、近くに控えた森への大々的な作戦行動、それに際して行う事を確認などしている。アベルはその指針である計画書をローレンツに預けたため、今は裁可を待っていると言えばいいのか、よくわからぬ二人であるから、意図を聞きそこに問題が無いと判断すれば決まるのだから、それを待っているだけ。こちらも、今日は手が空いている。
「拡張計画があるとは聞いているが。」
「水産資源の獲得量が解らぬうちから、労力を過剰に割くことを良しとしなかった、ということでしょうか。」
「そういった側面もあるだろうが、単純に加工の手が足りん。管理の手もな。」
「そうした観点ですか。」
そうして視察に来た釣り堀、完成したと聞いているその場所は、思った以上に狭い空間であった。勿論、この短期間で作られたことを考えれば、過去の世界でコンクリートで覆われたいくつかの生簀に分けられたような場所と比べれば、遥かに広いものになっているが。
「しかし、町全体でとなると不足がありますか。」
「水門というか、今は壁に穴を一部明けただけだからな。外から水を引いている先を当てにするのも難しいわな。」
現在ある施設は、町で暮らす男衆が、恐らく当日は祭りというお題目で手を休める者達が全てあつまるには足りない。実際にどの程度かとトモエにはわからないが、百に満たない数が腰を下ろせば肩が触れ合うような、高々その程度の規模では到底不足するのはよくわかるというものだ。
「さて。」
「どうする。いつもみたいに、釣った隣でやるか。」
「代わりばえのしないと、そう考えてしまいますので。」
「いよいよ町中、壁の中だ。それこそ酒樽でも並べりゃ文句はでないと思うがな。」
「子供たちの教育に良くない場になりそうですね。」
飲めや歌えの大騒ぎ。実に町人らしい猥雑な喧騒が響く祭りになるだろう。それはそれで素晴らしいものではあるのだが、水と癒しを合わせて考えるというのであれば、果たして。どうにも、漏れ聞く話を考えれば清澄を好む様子。よもや水が由来となる酒食を好まぬという事など、いよいよありえないだろうが。
「後は、そうですね。」
それこそ屋形船のように、とまでは行かずとも。水を隣に楽しむ術などいくらでもあるというもの。そうしたあれこれを、過去にあった、河川が多く製鉄に纏わる種々の伝承も残った国で暮らすからこそ多くを見聞きしたトモエは、現状に即した物をどうにか当てはめてと考えてみるが。
「やはり、場を別けるのが正当となりそうですね。」
「ま、他に無いだろうな。ただ、そうなると。」
「はい。如何にして特色を切り分けるか、そこが問題ですね。」
そう話しながらも、トモエは今朝がた出がけにオユキが書きつけたメモをアベルに渡す。
「ま、お前はあいつに相談するよな。」
「ええ。今度ばかりは、私が主体として動いていますので、任せるとその姿勢はとってくれていますが。」
何分、トモエはこうしたことは不慣れだ。思いついた、何か、そうせねばならぬ様な、そうした気配を感じてはいる。だが、具体的な方法論となればいよいよ分からぬのだ。
「このあたりは、面白そうだと思うが確かに、な。」
「はい。最初はそれを考えていたのですが。」
行ってしまえば精霊流しを、こちらに合わせた形として。
個人を偲ぶのではなく、日々の感謝を水に。しかし、オユキからの疑問としては、この世界における水の流れとは何処までも世界の果てに向かう事が挙げられた。海と呼んでいい物、と言えばいいのか大陸間を隔てる水はあるのだが、その全てにしても世界の果てに向けて落ちていく。この世界が平面だからこそ、水と癒しの神殿に向けてと考えたときに、水の流れは何処までも逆になる。
「外に向かう用水路に、それで構わないとも思うが。」
「どうでしょうか。メイ様は鉱山の麓にある町まで繋ぎたいと考えるだろうと。」
「そういや、あそこは水源が無いから行き詰ってるんだったか。なら、領主としちゃ、当然の考えだな。」
鍛冶師が大量に水を使うだろう。そして、本流から引き込んだ支流をそちら迄伸ばすとして、今回行った事が慣習となってしまえば、今後は過去にあったように面倒な事になると分かる。
「だが、オユキが案として挙げているのは。」
「どうでしょうか。私たちで考えてみよと、そう言う事なのか。問題が無いだろうと踏んでいるのか。」
トモエとしても、こちらの神々は実際に物品を召し上げる事が出来るというのは見ている。ならば水に託した贈り物、日々の感謝を込めた品というのも、そうなるだろうと考えてはいるが、これまでに見たのは教会の中でだけ。そもそも神像があり、そこに持っていけば何一つ不都合なく感謝を伝える事が出来るのだ。それをわざわざ川に託してなどというのは、迂遠にすぎる。昨夜そうした物はどうだろうと、トモエからオユキに話した時にオユキの表情からその程度は読み取っている。その上でとなると、いよいよどちらなのか。
「ま、他に任せてお前には何もなしとはしないか。」
「私が望んでいるから。それ以上の事ではありませんよ。」
オユキが己の抱え込んだ仕事を、周りに預けると決めたから。それでトモエにまでという事ではないのだ。
トモエの特別がオユキであるように、オユキの特別はトモエだ。そこに他と同じ理屈を持ち込むという事は互いにあり得ない。身内びいき等と言われようとも、ではお前に伴侶程の価値があるのかとただそう返すだけ。
「他にもいくつか考えている事はあります。」
「その辺り、少し確認したいんだが。」
そして、アベルも色々と検討しながらオユキが案として書き連ねた物、それぞれの核となる事柄や、たとえどうなるにしても行っておくべき、他に流用しやすい準備の類を頭に入れ終えたのだろう。
「オユキにしろ、お前にしろ。どうにも既に予定されているものと、別としたいみたいだが。」
「ええ、まぁ。明確に選別があるわけですから。」
「水と癒しの女神だぞ。」
そして、感謝を伝えようと、そう考える相手。祀られるべき柱にしても、女性であるのではないかと。
「その辺りは、神の遍在であったり、そもそも相手に性別といった概念があるのかと。」
「それは、いや、あるだろ。」
「こちらでは、そうなのですか。」
これまで、周囲の者達は、こちらで暮らす者達は明確に神と女神と呼び分けていたが、トモエとオユキはそれをしなかった。理由は、今まさに口にした通り。姿形ですら、実際にどうなっているかもわからぬ相手だ。ただ見た目だけを基準に判断することを良しとしていない。
「いや、それは。」
本当にそうであるのならば、では、こちらのやりように習おうとトモエがそう告げればアベルはただ返答に窮する。つまり、この人物にしても判断がつかない事ではあるらしい。
「アナさんが、はっきりと月と安息の女神様と呼んでいましたから、社会通念として、そう思わせるだけの物はあるのだおると考えているのですが。」
戦と武技の神にしても、怖い姉などと呼んでいたのだ。一部は確かにそうした形を持っているのではないかとも考えている。ただ、それもあくまで言語というものがあまりに不確かなこちらの世界の仕組みがあるため、どうにも信頼が出来ない。戦と武技などと聞き、それが神だと言われれば、トモエにしろオユキにしろ、頭に浮かぶ神の姿はまず一つ。確かに男性ではある、そのように見えているがそれこそ国が変われば、今暮らすこの国の文化圏に近い場所では、火星を司る相手であったり、女神であったり。
「いえ、少々本題から離れすぎていますね。」
「ま、そうだな。それこそ、分かるのは司祭以上だろうからな。」
一先ず、興味を引かれる話題ではあるのだが早々に見切りをつけて、採取者の幾人かが緊張を湛えて釣り糸を垂らす場に背を向ける。まだまだここにしても運用を始めたばかり。領主の肝いりとまでは行かないのだろうが、それでもギルドから色々と調査や報告を頼まれた者達ではあるのだろう。仕事中に権力者がやってきて、何事かと思う気持ちも分かるというものだ。
「にしても、随分と乗り気だな。このあたりの事は、正直見て満足するとも考えていたが。」
「確かに、すでにあるものを見て、それを楽しむという心持もありますが。」
少し考えて、アベルであれば構わないだろうと。
「オユキさんは、先延ばしにするつもりですが、私としては子を望む者達の間には、やはりそれが早く訪れればと、不足なく幸いを。そう願っていますとも。」
「そういや、それもそうか。」
この人物は、すでに気が付いている。オユキとトモエは入れ替わっている。そして、そうした欲求というのは元来どちらが強いのかと。家を、暮らす場を整える。それが根付いているのはオユキではない、トモエだ。
「この町の規模なら、どうにかなるとは思うんだがな。」
「労働力が問題だとは聞いています。」
「その辺りは、俺から口出しは出来んが、まぁミズキリもケレスも見落としがある。」
メイに言及が無いのは、単に経験不足からくるものだからだろう。
「見落とし、ですか。」
「お前らも、もう少し自分の暮らしを振り返ってみろ。」
要は、トモエにヒントを出しても構わない、当主ではなく次の戦に置いて共に先陣を切る相手に対して、雑談としての範疇で助言できる範囲として。アベルとしても、ギリギリの線でこうして助言をしている。
「そうですね、少し考えてみましょう。」
そして、その助言が向かう先はトモエでは無く、オユキだ。このような事を言われたのだと、そう伝えておけと。
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