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19章 久しぶりの日々
相談と確認と
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「言い訳を作るようには動きましたが、直ぐに乗りましたか。となると、かなり問題視していたという事でしょうね。」
「私は、と言いますか領地が近くともあまり他国の情勢に詳しくありませんが。」
「人口の上限、この問題がこの世界全体として解消したのであれば、遠からず破綻する。そのような状態でしたね。」
「それが王太子妃様の選択に繋がったわけですか。」
メイが嘆息交じりにそう呟くものだが、オユキとしては、こちらである程度の地位を確保しているものは当然知っていると考えていた。現にシェリアにしても特に動揺を表に出していない。
「私は代官を正式に受けて、まだ短いですから。」
「そう言えば、そうでしたね。」
放っておくと、最低限しか行わないとオユキの振る舞いから判断したメイが、ゲラルドとナザレアに声をかけて屋敷に納められている布の中から条件に合うものを持ってくるように命じた。オユキがそれを追認したこともあり、今は間違いなく雑多になっているであろう屋敷の倉庫、そこから品が持ち込まれるまでの間はのんびりとお茶を飲みながら雑談に興じている。
流石に報告すべき事柄は多く、それにしてもマリーア公爵が優先されなければならないため、メイには最低限しか話せないが、足を延ばすのも難しい他国の様子というのはやはり気になるものだ。己の監督する土地のすぐそばに窓口が出来るとなればなおさら。
「事前の予想では、魔石を主体という話でしたが。」
「そちらは色々と変わるでしょう。詳細はマリーア公、アルゼオ公、国王陛下いえ、王太子様ですか。」
「王太子妃様から事前にという事は。」
「難しいでしょう。流石にアイリスさんの齎してくださった加護は、事前に予定に組み込めるものではありませんから。」
ただ、オユキとしてもこの場で情報を共有しておいた方がいいだろうという事もある。
「魔物は、この世界であれば。」
「はい。それに間違いはありません。しかし食用と出来るかは、やはり土地によるようです。生憎とそちらの情報はカナリアさんに任せる事になりますが、魔物という試練から得られる資源の形は、やはり土地の状態によるという事でしょう。」
「だからこそ、インスタントダンジョンという奇跡が特別なのですか。」
「その辺りは、私で出来る事は、トモエさんも惜しみなくはとしてくれていますが。」
特に色々と判明してから、便宜を図る理由は確かにある。そして、それを行うべきは他にも居るだろうとオユキからは釘を刺しておく。その話題の当人は、後ろ髪をひかれながらであったらしいが、昨日河沿いの町に向かったという事であるらしい。どうにも、始まりの町を起点とした加護なのだが、あちらにも影響があるのではないかと、そういった報告があったため確認をする必要が出てきた。言われたアイリスにしても、そこまで広範囲にはならないだろうとそうかんがえていたこともあり、ではと。ついでとばかりに、また少し生物相の変わった河を楽しんでくると嘯いて。
実際のところは、彼女に対して婉曲的に告げられた祖霊からの言葉もある。セラフィーナ本人に向けた言葉ではあったが、祭主であり、神々の言葉をより効きやすい立場はアイリスであることに違いない。少なくとも目をかけられるだけの素地があるのなら、鍛えなおさねばと考えるのも当然ではある。一先ず準備運動が終われば、それこそまたオユキやトモエに話が持ちかけられるだろう。
「確か、魔国で出された物で、特に気に入ったものがあったとか。」
「はい。丸焼きですね。調理にそれこそ丸一日かかるような料理ですので、頻繁にというのも難しいのですが。」
それに、家畜を潰すという選択肢については、アベルが頭を抱えていたこともある。
「周囲の魔物も少し変わっています。門の周囲、南側は幸い新人向けであることに変わりありませんが、西側、森が近い方向に足を向ければ、向いた魔物もいるでしょう。」
「では、豊饒祭に向けて、町の方にアルノーさんから伝えて貰いましょうか。」
「神々も好んだと聞いていますが。」
「アルノーさんでしたら、教えた程度で追い越せるはずが無いと、そう快諾するでしょう。ただ、そうなると別の問題も出るのですが。」
獣の特徴を持つ相手が非常に喜ぶ、その予想はある。オユキとしても、少々どうかと思う諍いが起きる予感はあるが、そこはそれ。祭りが近いのであれば、悪くはない喧騒ではあるだろう。別の問題は、メイもシェリアもどうやら作法以上に思い当たるものが無く、そこは種族差だろうと首をかしげるばかり。
「相応に砂糖を使いますから。」
農地には限りがある。加工に手間もかかる。工業化する事が出来ればと考えたところで、原材料を作る場所の問題ばかりは変わらない。生育期間を短くしたところで、収穫できる量というのは、結局土地の広さだ。そして、それに直ぐに思い至ったメイがまた頭を抱える。
「経緯を話せば、王都から輸送が行われるかと。それが礼品として扱われるのであれば。」
「そうですね、そう言った流れもよさそうですか。ただ、その選択肢を行うのであれば、王都の区画整理も考慮されそうですね。」
「ええ。流石に荒れるに任せている場所も多いですから。ただ、そうなると。」
「既にある程度の人口移動は始まっているかと思いますから、そう言った相手の受け皿として考えれば。」
オユキ達が神国を開ける前に、国王陛下が大々的に打った手がある。そして、どういった理屈かいよいよ分からないが、この国の国民にその布告は間違いなく届いたらしい。それこそ、管理者権限を誰が持っているのか、それを示すだけの機能があるという事なのだろうが。
「それについてなのですが。」
「抵抗は、難しいでしょう。それこそ一部の領以外は。」
「そこは既に手を打っていますので。しかし、それ以外の領でもこれまではまず起こり得なかった、神々の言葉として響いたこともあり、神殿の傍らで暮らすものがあまりにも多いとか。」
「ああ。」
言われて、オユキとしては見落としていたことに改めて気が付く。オユキとトモエの側で働くことを望む、そういった者達が多いのは思えば同様の理由があったのだと。
「打った手が効きすぎたとなれば、それを修めるのも陛下の手腕でしょう。」
ただ、それについてはオユキから言える事などそれしかない。
「それは、そうなのでしょうが。」
「その、私たちにそれを求めるのは、流石に。それこそ月と安息か、水と癒しの方を頼まれるのが正道でしょうし。」
国内の観光にも勿論興味はある。他国に足を延ばすには、当然準備もいる為その期間であれば見て回るのも吝かではないが、それに他の思惑も載せてとなると流石にオユキとしても受け入れる事が難しい。この国に、戦と武技の神殿でもあれば、その神殿の代表として声を届けて回るという理屈も納得できるが、今度ばかりは筋違いというものだと。
「そちらについては、オユキの言う通りと思いますが。」
「はて、それ以外ですと、流石に思い当たるところが。」
「あるでしょう。馬車と、安息の短杖と。」
「そちらは、それこそマリーア公と先代アルゼオ公の管轄では。」
あちらこちらに移動を行う為、需要が高い技術の裁可を求められても応える事が出来ない。だからこそ、早々に手放したこともある。
「ええ。広く使うものはそうですが、それにしても直ぐにともなかなか。」
「となると、神殿、教会を優先する、いえ、確かに対外的には私も基本は教会所属なので、私から納める形をという事ですか。」
民心の安定という題目はある。しかし、王都が優先するのは王都の事。多量で暮らす者達が、王都へ機会を受けて居を移すと望むのなら、受け入れる事こそが器量という理屈も分からないでもない。故に、問題視はしても、解決のために直ぐに手を打つわけにもいかない。だが、そこでオユキから巫女としてこれまでの教会、神々への礼品としてとすれば話もまた変わる。散々にオユキとトモエに与えるべき褒賞に困っている相手なのだ。物品で片が付くものを求めれば、これ幸いと乗るだけの理由を持つ者も余りに多い。
「はい。それが最も簡単だと。」
「そうですね。そちらについては、また後程書面で用意しましょう。」
ただ、オユキとしても休むと決めていることもある。あれこれと頼まれるというのなら、相応に言いたい我儘もあるというものだ。
「流石にもう数日は様子を見ねばならないでしょうが、その後は河沿いの町に一度足を延ばします。その後は領都に向かった上で、王都となるでしょうか。」
「あら、貴女でしたら領都を優先するというかと思いましたが。」
「流石に疲れもありますから。領都に向かえば、仕事の話が続きますし。そう言えば、姿を変える用意ですが。」
すっかりと無かったことになりつつあるが、やはりオユキとしても休暇として観光を楽しむのならそこまで仰々しいものばかりというのは避けたいものだ。以前始まりの町あったように、少し店先を冷かしてというのをトモエは好む物であるし、そこで公に振舞い始めて以降のように頭を下げられ、望むものがあるのならどうぞと差し出されるというのもまた気が引ける。
「用意はしてまいりましたが、少し調整がいる道具でもあります。カナリア様に後程お時間を頂いた上でとさせて頂ければ。」
「そう言えば、そのカナリアさんは。」
そもそもオユキやトモエの体調の管理を頼んでいる相手でもある。いよいよ、こういった場であれば同席しそうだとオユキが口にすれば、ただ首がそれぞれに降られる。どうやらまた空からの襲撃者たちが攫って行ったらしい。
「ええ、まぁ、直ぐ上空にあるわけですし。」
種族の住処がすぐそばに移動してきたのだ。まぁ、そう言う事もあるかと、オユキとしてはそう流すしかない。
「後は、花精の方々との話し合いですか。事前に先方の要望は取り纏めておいていただければと考えてはいますが。」
「それですが、あの子たちを使った形になり。」
「構いませんとも。あの子たちはあの子たちです。彼らが良しとしたのであれば、私がとやかくいう物ではありません。」
「ええ。有難い事に、快く受け入れてくれました。要望と言っても、力、加護豊かな土地、そこに根を下ろしたいとしか。」
「流石に教会や社の周囲を供出は出来ないでしょうから、後はどの程度離れても良いかそれが争点でしょう。」
今後の区画を、この始まりの町の発展の方向性、それをどう思い描いているかにもよるが、領地の管理者として簡単にそこは許さぬここは許すと、最も簡単な手段が選べぬ理由くらいは聞いてからとなるが。
「私は、と言いますか領地が近くともあまり他国の情勢に詳しくありませんが。」
「人口の上限、この問題がこの世界全体として解消したのであれば、遠からず破綻する。そのような状態でしたね。」
「それが王太子妃様の選択に繋がったわけですか。」
メイが嘆息交じりにそう呟くものだが、オユキとしては、こちらである程度の地位を確保しているものは当然知っていると考えていた。現にシェリアにしても特に動揺を表に出していない。
「私は代官を正式に受けて、まだ短いですから。」
「そう言えば、そうでしたね。」
放っておくと、最低限しか行わないとオユキの振る舞いから判断したメイが、ゲラルドとナザレアに声をかけて屋敷に納められている布の中から条件に合うものを持ってくるように命じた。オユキがそれを追認したこともあり、今は間違いなく雑多になっているであろう屋敷の倉庫、そこから品が持ち込まれるまでの間はのんびりとお茶を飲みながら雑談に興じている。
流石に報告すべき事柄は多く、それにしてもマリーア公爵が優先されなければならないため、メイには最低限しか話せないが、足を延ばすのも難しい他国の様子というのはやはり気になるものだ。己の監督する土地のすぐそばに窓口が出来るとなればなおさら。
「事前の予想では、魔石を主体という話でしたが。」
「そちらは色々と変わるでしょう。詳細はマリーア公、アルゼオ公、国王陛下いえ、王太子様ですか。」
「王太子妃様から事前にという事は。」
「難しいでしょう。流石にアイリスさんの齎してくださった加護は、事前に予定に組み込めるものではありませんから。」
ただ、オユキとしてもこの場で情報を共有しておいた方がいいだろうという事もある。
「魔物は、この世界であれば。」
「はい。それに間違いはありません。しかし食用と出来るかは、やはり土地によるようです。生憎とそちらの情報はカナリアさんに任せる事になりますが、魔物という試練から得られる資源の形は、やはり土地の状態によるという事でしょう。」
「だからこそ、インスタントダンジョンという奇跡が特別なのですか。」
「その辺りは、私で出来る事は、トモエさんも惜しみなくはとしてくれていますが。」
特に色々と判明してから、便宜を図る理由は確かにある。そして、それを行うべきは他にも居るだろうとオユキからは釘を刺しておく。その話題の当人は、後ろ髪をひかれながらであったらしいが、昨日河沿いの町に向かったという事であるらしい。どうにも、始まりの町を起点とした加護なのだが、あちらにも影響があるのではないかと、そういった報告があったため確認をする必要が出てきた。言われたアイリスにしても、そこまで広範囲にはならないだろうとそうかんがえていたこともあり、ではと。ついでとばかりに、また少し生物相の変わった河を楽しんでくると嘯いて。
実際のところは、彼女に対して婉曲的に告げられた祖霊からの言葉もある。セラフィーナ本人に向けた言葉ではあったが、祭主であり、神々の言葉をより効きやすい立場はアイリスであることに違いない。少なくとも目をかけられるだけの素地があるのなら、鍛えなおさねばと考えるのも当然ではある。一先ず準備運動が終われば、それこそまたオユキやトモエに話が持ちかけられるだろう。
「確か、魔国で出された物で、特に気に入ったものがあったとか。」
「はい。丸焼きですね。調理にそれこそ丸一日かかるような料理ですので、頻繁にというのも難しいのですが。」
それに、家畜を潰すという選択肢については、アベルが頭を抱えていたこともある。
「周囲の魔物も少し変わっています。門の周囲、南側は幸い新人向けであることに変わりありませんが、西側、森が近い方向に足を向ければ、向いた魔物もいるでしょう。」
「では、豊饒祭に向けて、町の方にアルノーさんから伝えて貰いましょうか。」
「神々も好んだと聞いていますが。」
「アルノーさんでしたら、教えた程度で追い越せるはずが無いと、そう快諾するでしょう。ただ、そうなると別の問題も出るのですが。」
獣の特徴を持つ相手が非常に喜ぶ、その予想はある。オユキとしても、少々どうかと思う諍いが起きる予感はあるが、そこはそれ。祭りが近いのであれば、悪くはない喧騒ではあるだろう。別の問題は、メイもシェリアもどうやら作法以上に思い当たるものが無く、そこは種族差だろうと首をかしげるばかり。
「相応に砂糖を使いますから。」
農地には限りがある。加工に手間もかかる。工業化する事が出来ればと考えたところで、原材料を作る場所の問題ばかりは変わらない。生育期間を短くしたところで、収穫できる量というのは、結局土地の広さだ。そして、それに直ぐに思い至ったメイがまた頭を抱える。
「経緯を話せば、王都から輸送が行われるかと。それが礼品として扱われるのであれば。」
「そうですね、そう言った流れもよさそうですか。ただ、その選択肢を行うのであれば、王都の区画整理も考慮されそうですね。」
「ええ。流石に荒れるに任せている場所も多いですから。ただ、そうなると。」
「既にある程度の人口移動は始まっているかと思いますから、そう言った相手の受け皿として考えれば。」
オユキ達が神国を開ける前に、国王陛下が大々的に打った手がある。そして、どういった理屈かいよいよ分からないが、この国の国民にその布告は間違いなく届いたらしい。それこそ、管理者権限を誰が持っているのか、それを示すだけの機能があるという事なのだろうが。
「それについてなのですが。」
「抵抗は、難しいでしょう。それこそ一部の領以外は。」
「そこは既に手を打っていますので。しかし、それ以外の領でもこれまではまず起こり得なかった、神々の言葉として響いたこともあり、神殿の傍らで暮らすものがあまりにも多いとか。」
「ああ。」
言われて、オユキとしては見落としていたことに改めて気が付く。オユキとトモエの側で働くことを望む、そういった者達が多いのは思えば同様の理由があったのだと。
「打った手が効きすぎたとなれば、それを修めるのも陛下の手腕でしょう。」
ただ、それについてはオユキから言える事などそれしかない。
「それは、そうなのでしょうが。」
「その、私たちにそれを求めるのは、流石に。それこそ月と安息か、水と癒しの方を頼まれるのが正道でしょうし。」
国内の観光にも勿論興味はある。他国に足を延ばすには、当然準備もいる為その期間であれば見て回るのも吝かではないが、それに他の思惑も載せてとなると流石にオユキとしても受け入れる事が難しい。この国に、戦と武技の神殿でもあれば、その神殿の代表として声を届けて回るという理屈も納得できるが、今度ばかりは筋違いというものだと。
「そちらについては、オユキの言う通りと思いますが。」
「はて、それ以外ですと、流石に思い当たるところが。」
「あるでしょう。馬車と、安息の短杖と。」
「そちらは、それこそマリーア公と先代アルゼオ公の管轄では。」
あちらこちらに移動を行う為、需要が高い技術の裁可を求められても応える事が出来ない。だからこそ、早々に手放したこともある。
「ええ。広く使うものはそうですが、それにしても直ぐにともなかなか。」
「となると、神殿、教会を優先する、いえ、確かに対外的には私も基本は教会所属なので、私から納める形をという事ですか。」
民心の安定という題目はある。しかし、王都が優先するのは王都の事。多量で暮らす者達が、王都へ機会を受けて居を移すと望むのなら、受け入れる事こそが器量という理屈も分からないでもない。故に、問題視はしても、解決のために直ぐに手を打つわけにもいかない。だが、そこでオユキから巫女としてこれまでの教会、神々への礼品としてとすれば話もまた変わる。散々にオユキとトモエに与えるべき褒賞に困っている相手なのだ。物品で片が付くものを求めれば、これ幸いと乗るだけの理由を持つ者も余りに多い。
「はい。それが最も簡単だと。」
「そうですね。そちらについては、また後程書面で用意しましょう。」
ただ、オユキとしても休むと決めていることもある。あれこれと頼まれるというのなら、相応に言いたい我儘もあるというものだ。
「流石にもう数日は様子を見ねばならないでしょうが、その後は河沿いの町に一度足を延ばします。その後は領都に向かった上で、王都となるでしょうか。」
「あら、貴女でしたら領都を優先するというかと思いましたが。」
「流石に疲れもありますから。領都に向かえば、仕事の話が続きますし。そう言えば、姿を変える用意ですが。」
すっかりと無かったことになりつつあるが、やはりオユキとしても休暇として観光を楽しむのならそこまで仰々しいものばかりというのは避けたいものだ。以前始まりの町あったように、少し店先を冷かしてというのをトモエは好む物であるし、そこで公に振舞い始めて以降のように頭を下げられ、望むものがあるのならどうぞと差し出されるというのもまた気が引ける。
「用意はしてまいりましたが、少し調整がいる道具でもあります。カナリア様に後程お時間を頂いた上でとさせて頂ければ。」
「そう言えば、そのカナリアさんは。」
そもそもオユキやトモエの体調の管理を頼んでいる相手でもある。いよいよ、こういった場であれば同席しそうだとオユキが口にすれば、ただ首がそれぞれに降られる。どうやらまた空からの襲撃者たちが攫って行ったらしい。
「ええ、まぁ、直ぐ上空にあるわけですし。」
種族の住処がすぐそばに移動してきたのだ。まぁ、そう言う事もあるかと、オユキとしてはそう流すしかない。
「後は、花精の方々との話し合いですか。事前に先方の要望は取り纏めておいていただければと考えてはいますが。」
「それですが、あの子たちを使った形になり。」
「構いませんとも。あの子たちはあの子たちです。彼らが良しとしたのであれば、私がとやかくいう物ではありません。」
「ええ。有難い事に、快く受け入れてくれました。要望と言っても、力、加護豊かな土地、そこに根を下ろしたいとしか。」
「流石に教会や社の周囲を供出は出来ないでしょうから、後はどの程度離れても良いかそれが争点でしょう。」
今後の区画を、この始まりの町の発展の方向性、それをどう思い描いているかにもよるが、領地の管理者として簡単にそこは許さぬここは許すと、最も簡単な手段が選べぬ理由くらいは聞いてからとなるが。
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