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7章 ダンジョンアタック
森の入り口
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「戦いにくい、正直それだけだな。」
歩きキノコをあっさりと切り捨ててシグルドがそう言った直後、木の根に足を取られてトモエから注意が飛ぶ。
「それで足を捻れば、逃げることもできなくなりますよ。」
「分かってるよ。にしても、本当に足場が悪いな。」
森に入って少し、まだ木々の間から町の壁が見える、そんな場所でしかないが既に地面のいたるところには木の根が張り出しており、所々ぬかるんでいるところもあり足を取られ、滑りやすい。
出て来る敵については、歩きキノコとグレイハウンドのみである、まだそんな位置であるため、戦闘に対する不安はそれだけしかない。完全に固まってしまえば訓練とはならないからと、離れた護衛、明らかに対応できな敵を間引いてくれる護衛もいる事であるし。
「武器、もっと振りにくいかなって思ったけど、そうでもないよね。」
「ああ。」
「構えのおかげかな。相手が来る場所って、ようはこっちも攻撃が出来る場所から来るわけだし。」
「あー、そういや、そうだな。ほんと、便利なもんだよな、これ。」
少年達も、トモエの教えている事、それを実感として感じたり、疑問に思えばこうしてあれこれと話しながらきちんと理解を深めていく。そしてそれが逸れたと感じれば、トモエが教えもするが。
事この点に関しては、実践の機会が豊富、その恩恵の最たるものだろう。
「今は、あまり振り方を教えていませんからね。オユキさんも何度か見せたように、大きく振るのであれば、また変わってきますよ。」
「あと、今はそれなりに大きいものを相手にしていますが、サーペントやアラーニャ、そのあたりが出てくればまた難しくなりますからね。」
トモエが制限はかかっているのだと言えば、オユキも未だ遭遇していない、もう少し進めば出て来るだろう魔物について言及する。
「あー、そうだよな、横にはふれないよな。」
そういってシグルドが試そうとして、直ぐに木にあたりそうになりそこで止める。
「そっか。こう言った環境が得意な魔物もいるんですもんね。」
そうしてあれこれと話している中、領都からの子供たちも歩きキノコをあっさりと切り伏せて落ちた物を拾っては荷袋にしまっている。その様子を見ながら、オユキはなんとなく懐かしい味を思い出し、トモエに話を振る。
「キノコ。佃煮なども久しぶりに口にしたいですね。」
「同じものは難しいですね。」
「調味料が、足りませんよね。」
大豆から作られる醤油も、米から作る酒、みりんも無いのだ。色々と難かしいものはあるだろう。ただ、一度思考がキノコによってしまえば、あれこれと食べたいものも出てきてしまう。
特に馴染んだ味、それはどうしても他が充実すれば欲として出てきてしまうものでもある。
それはトモエも同じようではあるが。
「水炊きなどもいいですね。」
「揚げ物、肉詰め、ホイル焼き、いけませんね、あれこれと久しぶりに口にしたくなってきました。」
「えっと、それってどんな料理ですか。」
アナに聞かれて、トモエとオユキが説明を行えば、一同食欲に思考が傾いていく。
ただ、調理をする場所がないし、そこまでを宿に求めるのはと、そう思ってしまうのだが。
流石にそこかしこで煮炊きするわけにもいかない。
「美味しそう。」
「ね。」
こうなると、炊事場のある家、そのような物を求めてしまいそうになるが、今はとオユキは思考を切り替えて先ほどから樹上からこちらを伺っていた蛇が飛び掛かってきたのを切り捨てる。
トモエにしても木から音もなく降りてきた蜘蛛を斬りはらっているが。
「げ。」
全くそれに気が付いていなかった少年たちが驚くのに、トモエが指導を行う。
それを聞きながら、オユキが蜘蛛の物も含めて、落ちていた収集品を集めて荷袋に放り込めば、そのついでに見覚えのあるものを見つける。少し背の低いところにあるものもあれば、オユキが手を伸ばしてようやくといった高さにも。赤く小さな粒がいくつも集まったような、透明感のあるもの。黄色や黒も交じっている。同じ枝から色々な色合いがのぞいている理屈は今一つわからないが、嬉しい発見でもある。
「トモエさん。木苺がありますよ。」
「あら、本当ですね。よく似た何かという事は。」
「そこは、採取者ギルドの領分でしょうから、そちらに任せましょうか。」
「おー、もうそんな季節か。って、セリー。」
シグルドがふらふらと手を伸ばそうとするセシリアを止める。ルーリエラにしても果物に目がないという事であったし、自覚した以上種族としての特性が彼女にも色濃く出始めているのかもしれない。
「毒の可能性もありますから。」
「え。食べれるよ。」
断言する彼女には、恐らく分かるものが有るのだろうが、生憎人が大丈夫か分からないのがこの世界でもある。
「まだ周りには魔物がいますから。採るだけにしておきましょう。我慢が出来ないようでしたら。」
「あ、大丈夫です。我慢します。でも、どうしよう。潰れちゃいますよね。」
「どれか、袋の一つをこれ用にとするしかないでしょうね。」
「そっか。ギルドでも言われたけど、物によっては持ち帰るのが大変って、こういうのも入るんですね。」
「町中に果樹があるのであれば、木の籠などですか。」
「北の方にあるみたいだけど、よく知らないんですよね。あんまりいかないし。えっと貴族様や、お供え物として育ててるから、あんまり邪魔しちゃいけないので。」
「成程。そのええと、シャロンさん、お願いしますね。」
領都からついて生きている子供のの一人に頼めば、任せてくださいと、実に元気に返事が返ってくる。
「皆さんももう一人でも魔物を狩れるので、あまり荷物ばかり任せるのもと、そう思ってしまいますが。」
「最初のお約束ですから。私たちは荷運びで面倒を見てもらうって。」
「そのあたり、今後の事はまた話しましょうね。でも、今は、お願いします。潰れやすいので気を付けて。」
そうして、森の中を進みながら、他にもすももや桃そんな果実もなっていたため、それらも採取していく。
明らかに葉の形、枝ぶりが同じような木からどころではなく、同じ木の別の枝からラズベリーとモモがなっているのを見つけてトモエが非常に味わい深い顔をしたりと、些細なことも有りはしたが、揃って森の恵みを集めつつキノコを始め蛇や蜘蛛、そう言った魔物も問題なく対処していく。
ただ、やはり足場に加えて、周囲の警戒がしにくいことも有るのだろう。皆の疲労が普段よりも早いため、二時間も続けないうちに森から出ることになったが。
「疲れたな。」
「ああ。」
まだいける、などと森の中では口にしてはいたが、草原に、これまで慣れた場所に出ればそれを強く感じたのか、シグルドとパウが体を伸ばしながら改めてそう口にする。
変わらず元気なのは、今も袋にたくさん詰められた果物をご機嫌に運んでいるセシリアくらいだろう。
オユキとトモエについては、別枠ではあるのだが。
「私も。どこから敵が来るのかよくわからないって、それでなんだか気疲れしちゃった。」
「あー。最近はなんとなくこっちからきてるとか分かるようになってたけど、森の中は全然ダメだったな。」
「ね。音もほとんどしないし。」
「あんちゃんたちはよく気が付いたよな。」
「そのあたりも、訓練の成果、としか言えませんね。敵意は明確にありますから。それにしても普段より近づかせてしまっていますが。」
魔物特有の分かり易い敵意、それが向けられるのはわかるが、向こうも気が付くのが遅いのか。やはり普段よりも遅れて気が付くことになる。無論十二分に対処が間に合う段階では気が付いているのだが。
「でも、トモエさんカングレホもそうだけど、アラーニャは大丈夫なんだね。」
「ええと、足が多い虫が駄目なんですよ。それに蜘蛛、アラーニャですか。あれは動物という分類でしたし。」
「へー。」
「地面にいた小さな、魔物以外の虫は少々辟易としましたが、まぁ、我慢が出来ない程でもありませんでしたからね。
あれに巨大化されれば、流石に。」
「好きな人の方が少ないと思いますよ。」
トモエの言葉に少女たちが揃って体を震わせる。少年て地にしてもまさに苦虫をかみつぶした、そんな表情ではあるが。
そうして、周囲から集まるはぐれたグレイハウンドや丸兎を軽く討伐しながら、町に向けて歩く。
このあたりであれば、こうして話しながら歩くのも既に油断と呼べるようなものではない。
「えっと。そういや、これって採取者ギルドに持ってくんだよな。登録してないけど。」
「トラノスケさんからはある程度森の物も採っていいと聞いていますから。狩猟者ギルドで聞きましょうか。
ロザリア様にも、骨を折ってもらっている以上、私からも差し入れとしたいものですし。」
「あー、ばーさんもダンジョンを見ないと分からないって言ってたからな。」
今朝あった時に話を聞いたが、昨日シグルドとアナは戻るなりロザリアに話を聞いたようで、今朝はロザリアと助祭の二人が騎士に守られダンジョンへと入っている。ルーリエラもセシリアが見つけた採取可能な植物それの見極めが可能かと同行している。彼女もこれらを並べれば喜んでくれることだろう。
「見れば分かる。それだけでもすごい事ですよ。ボス、ええと一番奥にいる変異種ですが、そこに在った模様を見れば、何かお分かりになるかもしれませんからね。」
「ああ、あれか。にしても、ばーさん、乗り気だったなぁ。」
「嬉しかったんですよ、あなた達が頼ったことが。」
そうして話していれば、町へとたどり着く。
いつも出入りする門、その横では荷車が並べられ、既に討伐されたのだろう魔物の残骸がそこに積み上げられている。
ミズキリにしても最低3回などと言っていたが、どうにも魔石の許す限り、その様になりそうだ。
歩きキノコをあっさりと切り捨ててシグルドがそう言った直後、木の根に足を取られてトモエから注意が飛ぶ。
「それで足を捻れば、逃げることもできなくなりますよ。」
「分かってるよ。にしても、本当に足場が悪いな。」
森に入って少し、まだ木々の間から町の壁が見える、そんな場所でしかないが既に地面のいたるところには木の根が張り出しており、所々ぬかるんでいるところもあり足を取られ、滑りやすい。
出て来る敵については、歩きキノコとグレイハウンドのみである、まだそんな位置であるため、戦闘に対する不安はそれだけしかない。完全に固まってしまえば訓練とはならないからと、離れた護衛、明らかに対応できな敵を間引いてくれる護衛もいる事であるし。
「武器、もっと振りにくいかなって思ったけど、そうでもないよね。」
「ああ。」
「構えのおかげかな。相手が来る場所って、ようはこっちも攻撃が出来る場所から来るわけだし。」
「あー、そういや、そうだな。ほんと、便利なもんだよな、これ。」
少年達も、トモエの教えている事、それを実感として感じたり、疑問に思えばこうしてあれこれと話しながらきちんと理解を深めていく。そしてそれが逸れたと感じれば、トモエが教えもするが。
事この点に関しては、実践の機会が豊富、その恩恵の最たるものだろう。
「今は、あまり振り方を教えていませんからね。オユキさんも何度か見せたように、大きく振るのであれば、また変わってきますよ。」
「あと、今はそれなりに大きいものを相手にしていますが、サーペントやアラーニャ、そのあたりが出てくればまた難しくなりますからね。」
トモエが制限はかかっているのだと言えば、オユキも未だ遭遇していない、もう少し進めば出て来るだろう魔物について言及する。
「あー、そうだよな、横にはふれないよな。」
そういってシグルドが試そうとして、直ぐに木にあたりそうになりそこで止める。
「そっか。こう言った環境が得意な魔物もいるんですもんね。」
そうしてあれこれと話している中、領都からの子供たちも歩きキノコをあっさりと切り伏せて落ちた物を拾っては荷袋にしまっている。その様子を見ながら、オユキはなんとなく懐かしい味を思い出し、トモエに話を振る。
「キノコ。佃煮なども久しぶりに口にしたいですね。」
「同じものは難しいですね。」
「調味料が、足りませんよね。」
大豆から作られる醤油も、米から作る酒、みりんも無いのだ。色々と難かしいものはあるだろう。ただ、一度思考がキノコによってしまえば、あれこれと食べたいものも出てきてしまう。
特に馴染んだ味、それはどうしても他が充実すれば欲として出てきてしまうものでもある。
それはトモエも同じようではあるが。
「水炊きなどもいいですね。」
「揚げ物、肉詰め、ホイル焼き、いけませんね、あれこれと久しぶりに口にしたくなってきました。」
「えっと、それってどんな料理ですか。」
アナに聞かれて、トモエとオユキが説明を行えば、一同食欲に思考が傾いていく。
ただ、調理をする場所がないし、そこまでを宿に求めるのはと、そう思ってしまうのだが。
流石にそこかしこで煮炊きするわけにもいかない。
「美味しそう。」
「ね。」
こうなると、炊事場のある家、そのような物を求めてしまいそうになるが、今はとオユキは思考を切り替えて先ほどから樹上からこちらを伺っていた蛇が飛び掛かってきたのを切り捨てる。
トモエにしても木から音もなく降りてきた蜘蛛を斬りはらっているが。
「げ。」
全くそれに気が付いていなかった少年たちが驚くのに、トモエが指導を行う。
それを聞きながら、オユキが蜘蛛の物も含めて、落ちていた収集品を集めて荷袋に放り込めば、そのついでに見覚えのあるものを見つける。少し背の低いところにあるものもあれば、オユキが手を伸ばしてようやくといった高さにも。赤く小さな粒がいくつも集まったような、透明感のあるもの。黄色や黒も交じっている。同じ枝から色々な色合いがのぞいている理屈は今一つわからないが、嬉しい発見でもある。
「トモエさん。木苺がありますよ。」
「あら、本当ですね。よく似た何かという事は。」
「そこは、採取者ギルドの領分でしょうから、そちらに任せましょうか。」
「おー、もうそんな季節か。って、セリー。」
シグルドがふらふらと手を伸ばそうとするセシリアを止める。ルーリエラにしても果物に目がないという事であったし、自覚した以上種族としての特性が彼女にも色濃く出始めているのかもしれない。
「毒の可能性もありますから。」
「え。食べれるよ。」
断言する彼女には、恐らく分かるものが有るのだろうが、生憎人が大丈夫か分からないのがこの世界でもある。
「まだ周りには魔物がいますから。採るだけにしておきましょう。我慢が出来ないようでしたら。」
「あ、大丈夫です。我慢します。でも、どうしよう。潰れちゃいますよね。」
「どれか、袋の一つをこれ用にとするしかないでしょうね。」
「そっか。ギルドでも言われたけど、物によっては持ち帰るのが大変って、こういうのも入るんですね。」
「町中に果樹があるのであれば、木の籠などですか。」
「北の方にあるみたいだけど、よく知らないんですよね。あんまりいかないし。えっと貴族様や、お供え物として育ててるから、あんまり邪魔しちゃいけないので。」
「成程。そのええと、シャロンさん、お願いしますね。」
領都からついて生きている子供のの一人に頼めば、任せてくださいと、実に元気に返事が返ってくる。
「皆さんももう一人でも魔物を狩れるので、あまり荷物ばかり任せるのもと、そう思ってしまいますが。」
「最初のお約束ですから。私たちは荷運びで面倒を見てもらうって。」
「そのあたり、今後の事はまた話しましょうね。でも、今は、お願いします。潰れやすいので気を付けて。」
そうして、森の中を進みながら、他にもすももや桃そんな果実もなっていたため、それらも採取していく。
明らかに葉の形、枝ぶりが同じような木からどころではなく、同じ木の別の枝からラズベリーとモモがなっているのを見つけてトモエが非常に味わい深い顔をしたりと、些細なことも有りはしたが、揃って森の恵みを集めつつキノコを始め蛇や蜘蛛、そう言った魔物も問題なく対処していく。
ただ、やはり足場に加えて、周囲の警戒がしにくいことも有るのだろう。皆の疲労が普段よりも早いため、二時間も続けないうちに森から出ることになったが。
「疲れたな。」
「ああ。」
まだいける、などと森の中では口にしてはいたが、草原に、これまで慣れた場所に出ればそれを強く感じたのか、シグルドとパウが体を伸ばしながら改めてそう口にする。
変わらず元気なのは、今も袋にたくさん詰められた果物をご機嫌に運んでいるセシリアくらいだろう。
オユキとトモエについては、別枠ではあるのだが。
「私も。どこから敵が来るのかよくわからないって、それでなんだか気疲れしちゃった。」
「あー。最近はなんとなくこっちからきてるとか分かるようになってたけど、森の中は全然ダメだったな。」
「ね。音もほとんどしないし。」
「あんちゃんたちはよく気が付いたよな。」
「そのあたりも、訓練の成果、としか言えませんね。敵意は明確にありますから。それにしても普段より近づかせてしまっていますが。」
魔物特有の分かり易い敵意、それが向けられるのはわかるが、向こうも気が付くのが遅いのか。やはり普段よりも遅れて気が付くことになる。無論十二分に対処が間に合う段階では気が付いているのだが。
「でも、トモエさんカングレホもそうだけど、アラーニャは大丈夫なんだね。」
「ええと、足が多い虫が駄目なんですよ。それに蜘蛛、アラーニャですか。あれは動物という分類でしたし。」
「へー。」
「地面にいた小さな、魔物以外の虫は少々辟易としましたが、まぁ、我慢が出来ない程でもありませんでしたからね。
あれに巨大化されれば、流石に。」
「好きな人の方が少ないと思いますよ。」
トモエの言葉に少女たちが揃って体を震わせる。少年て地にしてもまさに苦虫をかみつぶした、そんな表情ではあるが。
そうして、周囲から集まるはぐれたグレイハウンドや丸兎を軽く討伐しながら、町に向けて歩く。
このあたりであれば、こうして話しながら歩くのも既に油断と呼べるようなものではない。
「えっと。そういや、これって採取者ギルドに持ってくんだよな。登録してないけど。」
「トラノスケさんからはある程度森の物も採っていいと聞いていますから。狩猟者ギルドで聞きましょうか。
ロザリア様にも、骨を折ってもらっている以上、私からも差し入れとしたいものですし。」
「あー、ばーさんもダンジョンを見ないと分からないって言ってたからな。」
今朝あった時に話を聞いたが、昨日シグルドとアナは戻るなりロザリアに話を聞いたようで、今朝はロザリアと助祭の二人が騎士に守られダンジョンへと入っている。ルーリエラもセシリアが見つけた採取可能な植物それの見極めが可能かと同行している。彼女もこれらを並べれば喜んでくれることだろう。
「見れば分かる。それだけでもすごい事ですよ。ボス、ええと一番奥にいる変異種ですが、そこに在った模様を見れば、何かお分かりになるかもしれませんからね。」
「ああ、あれか。にしても、ばーさん、乗り気だったなぁ。」
「嬉しかったんですよ、あなた達が頼ったことが。」
そうして話していれば、町へとたどり着く。
いつも出入りする門、その横では荷車が並べられ、既に討伐されたのだろう魔物の残骸がそこに積み上げられている。
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