狼王の贄神子様

だいきち

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上手に仕上げて *

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 毛並みに隠された鋼の肉体は、カエレスの呼吸に合わせて時折腹筋が浮かび上がった。前をくつろげて取り出した生殖器は、ティティアのものと随分と違う。
 重そうで、大きくて、子供の腕くらいはありそうだ。これが、本当に体におさまるのだろうか。思わずこくりと喉を鳴らして、赤く腫れ上がったそれを見つめた。
 
「あまりまじまじと見られると、気恥ずかしい」
「ごめ、……うぅ……」

 足の間に手を差し込まれる。そのまま、隙間を潜るようにカエレスが足の間を陣取るものだから、必死で隠していたつもりのティティアの性器が目の前に晒されてしまった。
 無意識に、手で寝具を引き寄せるのを制される。体を曲げるように鼻先を寄せたカエレスが、べろりとティティアの頬を舐めた。

「隠さないで。ダメだよティティア」
「ん……っ」
「ああ、すまない。……頭がふわふわする」
「ぅあ、あっそ、それ何、や、なんで、そこちがっ、」

 大きな手のひらは、容易く性器を包み込む。ただでさえ己で慰め慣れていないというのに、指をばらばらに動かすように刺激をされるものだから、勝手に腰が跳ねてしまった。

「違わない、一度出そう。体はきっと楽になるから」
「ふ、ん、んぅ、あ、な、にこぇ、っび、ビリビリ、する、っ」
「怖い?」
「ぅ、うん、あ、こ、こぁ、いっ」

 ひ、ひ、と情けない呼吸を繰り返す。無意識に伸ばした腕で縋り付けば、宥めるように頭を撫でられる。距離が近いと、カエレスの匂いが脳に響く。自然と唾液の分泌量が増え、飲み込みきれなかったものがだらしなく口端から溢れた。

「は……ああもう、どうしてくれよう……」
「は、あ、あっな、なんか、くる、や、やっ」
「上手に押し付けてごらん。そうだ、ティティアもやはり、男の子だな」
「ぃ、いく、あ、ぁあ、あっあ……っ」

 小さな手のひらが、カエレスの背中に爪を立てる。そのわずかな刺激すらも嬉しそうに目を細めるものだから、本当に大概だよなとティティアは思った。
 吐精後の余韻を引きずるように、無意識にカエレスの手のひらに腰を押し付けてしまった。獣の毛並みが精液で滑るだけで、腰は電流が流れたようにのけぞってしまう。
 ダメだ、本当に何も考えられなくなってしまう。だらしなく開いた口で新鮮な酸素を取り込んだ。きっと目も当てられないような顔をしているだろうに、カエレスは忙しなく尾を振り回して喜んでいる。

「可愛い、本当に、本当に可愛い……すまない」
「ひ、ぅくっ……あ、ぁっも、い、いった、イったからッ」
「力を抜きなさい、できるだろう?」
「ぅう、う~~……っ」

 大きな口で、首を噛まれる。側から見れば捕食だろう。カエレスの犬歯が細い首を囲むように食い込んでいるというのに、怯えることはない。必死で、カエレスのいう通りにする。吐精後で、これ以上どう力を抜けというのかわからないまま、ティティアはカエレスの指先を尻の間に招く。
 余韻から、時折蜜をこぼして跳ねる小ぶりな性器が、カエレスの太い生殖器にペチリと当たる。それを、どこまで腹に収められるかはわからない。喉を舐め上げる分厚い舌の熱にうっとりとしながら、犬歯による首への甘やかな圧迫に身を任せる。

(気持ちい、これ、いうこと聞くの……幸せだ、……)

 虚な瞳は、獰猛な表情を宿すカエレスをぼんやりと見つめていた。この甘やかな感覚が、番いに支配されるということか。骨の髄までしゃぶられても構わないと思うほど、思考は恍惚と酩酊に犯される。

「上手だ、いい子だね。痛くはないかい……?」
「も、はい……った?」
「まさか、指を一本含ませただけだよ」
「う、そぉ……」

 腰に重だるさを感じるほど、腹は窮屈に感じるというのに、まだ腹に収めたのは指一本だけ。それでも、上手に力が抜けていたらしい。そっと抜き差しするように一往復される。
 肉の柔らかさを確かめられるように、ぐにぐにと内壁を圧迫される。そのままカエレスの指がゆっくりと引き抜かれると、滲んだ滑りが追い縋るように指先を濡らす。手のひらがティティアの膝裏に添えられると、折り曲げるようにして尻を持ち上げられた。
 小ぶりな性器がぽろんと揺れて、ティティアはじわりと腹の奥をとろめかす。隠されるべき尻の奥を前に、カエレスは長い舌で犬歯を舐める。瞳に欲を滲ませたまま、ご馳走を前にした獣のような顔をした。

(きっと……食われる……)

 白く、鋭い牙に体を穿たれたら、どうなってしまうのだろう。被虐趣味はないはずなのに、ティティアは小さな喉仏を上下させて昂りを飲み下す。長い鼻先がゆっくりと尻の間へと近づいて、肉厚な舌がべろりと蕾から会陰までを舐めあげた。

「いゃ、っだ、っ」
「ダメだ。拒まないで、いい子だから」
「ずるぃ……」

 いい子だから。そんなこと言われたら、体は勝手に服従してしまう。喉は甘えるようにきゅうんとなって、行き場のないティティアの手は、無意識に尻を支えるカエレスの手へと触れた。太い指の隙間を埋めたくて、指を絡ませるようにくっつける。何の気なしのティティアの行動を前に、カエレスは柔らかな眼差しを向けていた。

「本当に、君というやつは……」
「ふ、んぅ……っ……うん、っ……?」
「なんでもない、身を任せていなさい」
「ひ、ぅあ、ああ、ぁ……はぃ、るぅ……っ」

 カエレスが、少しだけ笑った気がした。そんなことを思う余裕もつかぬまで、そこからはもう、えらい目にあった。
 滑る長い舌が蕾に差し込まれ、直に前立腺を押し上げられる。溶けそうなほど熱いそれは、ティティアにとっては性器も同然だった。唾液が弾ける音と、耳を塞ぎたくなるような水音。
 あんなに穏やかで丁寧なカエレスが、今までどれほど堪えてティティアを大切に扱ってきたか、わかるほどに激しい愛撫だ。

「ん……、そこもかしこも溶けているな」
「うゃ……っ……あ、あっ……かえ、れふ……」
「ここにいる」

 指の腹で、宥めるように手の甲を撫でられる。
 舌で尻を割開かれ、内壁を深くほぐされ、何度も性器から精を撒き散らし、ティティアは知らなくていい気持ちよさを知ってしまった。
 熱い舌に、内臓を直に舐められる。それがどれほど支配的なことか。
 カエレスの指に縋るように、片手は決して離さないままよがりくるう。己の喉から出たとは思いない甘ったるい嬌声は、カエレスの手によって体が上手に雌に仕上がっていく証でもあった。
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