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第4章 2人の戦い
4章 第7話
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野次馬に溶け込むと、そのまま真っすぐ駅に向かう。早くこの場所から立ち去りたい。そんな思いから、改札に入って真っすぐに駅のホームに入った。
不運にも、今電車は出てしまったばかりのようで、次の電車まで15分も待たなければいけなかった。
今日はど平日で、時間は21時を回っていた。長野では車を所有している人が多いので、この時間でもホームは疎らだ。特に、盟那町に行く方面は人が少ない。
ぼんやりと駅のホームで電車が来るのを待っていると、背中をトントンと叩かれた。
少し、期待した。
凛が追いかけてきてくれたのかな、と。
でも、そんなわけがない。凛のスケジュールはまだこの先も埋まっている。
だから、凛なわけが無い事はわかっていた。振り返ってみると、少し息を切らせた玲華だった。
「やっと見つけた」
走ったのだろう。
肩で息をしているのを、必死で抑えているようだった。
いつものような陽気な挨拶じゃなくて、安堵したような表情。
(どうして⋯⋯どうしてお前なんだろうな)
泣きそうな気持ちになっている時。
絶望している時。
不安になっている時。
玲華は、目ざとく見つけて、こうやって気にかけてくる。
実は、あのおにぎりの時だけじゃない。
これまでの撮影でも、玲華は俺に話しかけてくれた。
凛のシーンがどうしてもスケジュール的に詰まってしまっていて、先に撮影を始めていた玲華のほうが待ち時間が多いというのもあるとは思う。"達也"と"沙織"のシーンを撮るときは俺は孤立してしまい、つい暗い事を考えてしまいがちだ。
それでも、彼女はそんな俺に気付いているのか、何かと話しかけてくる。
凛とは、本当にわずかな休憩時間しか話せないのに。
「⋯⋯なんでここに」
「私も電車で帰ろうかなって」
嘘だ。
じゃあ、なんでサングラスもかけないで、撮影時に着てた衣装のままここにいるんだ。それに、ロケバスでみんなと帰ったほうが楽に決まっている。家まで送ってもらえるのだから。
それに、そっちのほうが安全だ。
REIKAの人気はここ数週間でも更に伸びている。本屋によれば、雑誌の表紙で必ず見掛けるし、最近公開された冬用のココアのCMでもREIKAが主演で話題となっている。
ちょうど今も、駅のホームから見える大型ビジョンから、そのココアのCMが流れているところだ。REIKAがカメラに寄ってきて、『一緒に飲も?』と可愛く言っている。俺はこんな風に可愛く話しかけてくる玲華など見たことがない。
「見つかったら大騒ぎだぞ」
少し遠くの大型ビジョンを見ながら言う。
「その時はショーが守ってくれるんでしょ」
「⋯⋯⋯⋯」
そういえば、いつだったかそんな話をした。
『もし私が芸能人だったとして⋯⋯あんな風になっていたら、君はどうする?』
確か、吉祥寺のサンロードで、市川サユを助けた時。今にして思えば、この質問をしていた時、彼女は芸能活動を続けているか辞めているか中途半端な時期だった。だからこそ、あの質問を俺にしてきたのだ。
「他人のフリするって言ったと思うけど」
「その後、ちゃんと助けるって言い直してたよ」
満足げに答える玲華。
しっかりと覚えられていたらしい。
「それとも、リンのことは助けるのに、私のことは助けてくれないわけだ?」
「⋯⋯なんで知ってんだよ」
はあ、と溜め息を吐いた。
「今日リンが話してたよ。街中を走り回った話も。田中が頭抱えてた」
「⋯⋯そっか」
凛の中で俺がまだ生きていたんだと、少し安心した。そんなことで安心するくらい参っていた。
「ショーはさ⋯⋯なんで参加してるの? 撮影」
玲華はそんな俺を見て、訊いてきた。
「⋯⋯⋯⋯」
「全然楽しくないでしょ。ていうか、凄くつらそう」
「⋯⋯まあ、そうだな」
ここ最近は空虚な気持ちで撮影を見守っている。
一生懸命頑張っている凛を応援している自分を精一杯演じていた。彼女がいなくなれば、こんな風に暗い本来の自分に戻ってしまう。凛にさえバレなければ、凛さえ頑張れるならそれでいいと思っていた。
それに、凛は凛で最近過酷さが増している。体力的にも精神的にも大変そうで、『翔くんと話せる時間だけが救い』と言ってくれていた。そんな凛に対して、弱音を吐けるはずがない。
(そうやって無理してるから、こいつには気付かれるんだよな)
凛と付き合ってるはずなのに⋯⋯俺のそういうとこに気付くのは玲華。凛にバレないようにしているから当たり前なのだけれど、そうして気にかけてくれるのが嬉しくて⋯⋯どこか苛っとしてしまう。気付いてほしくないのに気付かれてしまう自分に対して腹が立つ。
本当は凛に伝えたいけども、そんな事を俺が凛に言っても負担になるだけだ。だから、俺は強がって凛を元気付けるしかない。それが今の俺に与えられた、唯一の役目なのだから。
「あ、わかった。リンがヨースケにハグされたのが嫌だったんでしょ。そりゃ田舎の高校生より人気俳優の山梨陽介の腕に抱かれたほうが、ドキドキするもんねー? 盗られるかもよ?」
玲華はこうして、面白そうにからかってくる。そうやってわざと挑発して、俺の怒りを誘う事で元気付けようとしているのだ。本当に、見透かされている。
「⋯⋯ありがとな」
気にかけてくれているのは嬉しい。だけど、それが嬉しくて、少し腹立たたしい。
だから俺はそうとだけ返した。
「つまんないの」
玲華は溜め息を吐いて、呆れたように笑った。
「リンはリンでいっぱいいっぱいなんだよ。準備期間もなかったのに、毎日よく頑張ってるなーって思う。まあ、私が言うことじゃないんだけどね」
「わかってるよ、そんなこと」
凛はかなり無理をしている。日に日に顔色が悪くなってきているし、演技のキレもなくなっている。オフが全くなくて、休憩時間も少ないので、疲れが溜まってきているのだ。彼女は彼女に与えられた役目を必死にこなそうとしている。そんな彼女を俺が責められるはずがない。
そんな会話をしていると電車が来たので、2人並んでがらがらの座席に腰掛けた。玲華と並んで電車で座るなんて、いつぶりだろうか。
「お前さ」
「うん?」
「キスシーンあるんだろ」
「あー⋯⋯あるねえ」
少しだけ言葉を濁すようにして応える。
「あれって、どうするの?」
「どうするのって⋯⋯」
そこで少し考えるように言葉を詰まらせる。
「⋯⋯普通にするでしょ。舌を絡ませて濃密に、唾液まで交換するくらいにレロレロと!」
その言葉に驚いて玲華を見ると、そこには悪戯そうに笑った顔があった。
「⋯⋯なーんてね。口は付けないよ。まだ私高校生だし。それに、人気俳優の山梨陽介とガチチューなんてしたら、袋叩きにされるの私だっての」
こわいこわい、と身をすくめた。
「そういうのってさ、どういう気持ちなの」
「どういうって?」
「嫌とか嬉しいとか、なんとも感じないとか、演技と割り切るとか。俺そういうの全然わかんないから」
玲華は少しだけ考えて、正面を見ながらぽつりと言った。
「⋯⋯嫌だよ。例え相手がヨースケでも、口を付けなくても、嫌。それを割り切れるほど、私はまだ大人になれてない」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「リンも同じだと思うよ。さっきのシーン、多分ショーには見られたくなかったんじゃないかな」
凛が懇願するように陽介さん⋯⋯いや、"達也"を見ていた表情を思い出した。
俺は、すごく嫌だったが、凛も嫌だったのだろうか。
この後、凛も陽介さんと手をつなぐシーンが確かにあるはずだ。
彼女もそれを嫌と思うのだろうか。
「そういうもんなのかな」
「そういうもんだよ」
くすっと玲華は笑った。
「相変わらず女心わかってないね、ショーは」
不運にも、今電車は出てしまったばかりのようで、次の電車まで15分も待たなければいけなかった。
今日はど平日で、時間は21時を回っていた。長野では車を所有している人が多いので、この時間でもホームは疎らだ。特に、盟那町に行く方面は人が少ない。
ぼんやりと駅のホームで電車が来るのを待っていると、背中をトントンと叩かれた。
少し、期待した。
凛が追いかけてきてくれたのかな、と。
でも、そんなわけがない。凛のスケジュールはまだこの先も埋まっている。
だから、凛なわけが無い事はわかっていた。振り返ってみると、少し息を切らせた玲華だった。
「やっと見つけた」
走ったのだろう。
肩で息をしているのを、必死で抑えているようだった。
いつものような陽気な挨拶じゃなくて、安堵したような表情。
(どうして⋯⋯どうしてお前なんだろうな)
泣きそうな気持ちになっている時。
絶望している時。
不安になっている時。
玲華は、目ざとく見つけて、こうやって気にかけてくる。
実は、あのおにぎりの時だけじゃない。
これまでの撮影でも、玲華は俺に話しかけてくれた。
凛のシーンがどうしてもスケジュール的に詰まってしまっていて、先に撮影を始めていた玲華のほうが待ち時間が多いというのもあるとは思う。"達也"と"沙織"のシーンを撮るときは俺は孤立してしまい、つい暗い事を考えてしまいがちだ。
それでも、彼女はそんな俺に気付いているのか、何かと話しかけてくる。
凛とは、本当にわずかな休憩時間しか話せないのに。
「⋯⋯なんでここに」
「私も電車で帰ろうかなって」
嘘だ。
じゃあ、なんでサングラスもかけないで、撮影時に着てた衣装のままここにいるんだ。それに、ロケバスでみんなと帰ったほうが楽に決まっている。家まで送ってもらえるのだから。
それに、そっちのほうが安全だ。
REIKAの人気はここ数週間でも更に伸びている。本屋によれば、雑誌の表紙で必ず見掛けるし、最近公開された冬用のココアのCMでもREIKAが主演で話題となっている。
ちょうど今も、駅のホームから見える大型ビジョンから、そのココアのCMが流れているところだ。REIKAがカメラに寄ってきて、『一緒に飲も?』と可愛く言っている。俺はこんな風に可愛く話しかけてくる玲華など見たことがない。
「見つかったら大騒ぎだぞ」
少し遠くの大型ビジョンを見ながら言う。
「その時はショーが守ってくれるんでしょ」
「⋯⋯⋯⋯」
そういえば、いつだったかそんな話をした。
『もし私が芸能人だったとして⋯⋯あんな風になっていたら、君はどうする?』
確か、吉祥寺のサンロードで、市川サユを助けた時。今にして思えば、この質問をしていた時、彼女は芸能活動を続けているか辞めているか中途半端な時期だった。だからこそ、あの質問を俺にしてきたのだ。
「他人のフリするって言ったと思うけど」
「その後、ちゃんと助けるって言い直してたよ」
満足げに答える玲華。
しっかりと覚えられていたらしい。
「それとも、リンのことは助けるのに、私のことは助けてくれないわけだ?」
「⋯⋯なんで知ってんだよ」
はあ、と溜め息を吐いた。
「今日リンが話してたよ。街中を走り回った話も。田中が頭抱えてた」
「⋯⋯そっか」
凛の中で俺がまだ生きていたんだと、少し安心した。そんなことで安心するくらい参っていた。
「ショーはさ⋯⋯なんで参加してるの? 撮影」
玲華はそんな俺を見て、訊いてきた。
「⋯⋯⋯⋯」
「全然楽しくないでしょ。ていうか、凄くつらそう」
「⋯⋯まあ、そうだな」
ここ最近は空虚な気持ちで撮影を見守っている。
一生懸命頑張っている凛を応援している自分を精一杯演じていた。彼女がいなくなれば、こんな風に暗い本来の自分に戻ってしまう。凛にさえバレなければ、凛さえ頑張れるならそれでいいと思っていた。
それに、凛は凛で最近過酷さが増している。体力的にも精神的にも大変そうで、『翔くんと話せる時間だけが救い』と言ってくれていた。そんな凛に対して、弱音を吐けるはずがない。
(そうやって無理してるから、こいつには気付かれるんだよな)
凛と付き合ってるはずなのに⋯⋯俺のそういうとこに気付くのは玲華。凛にバレないようにしているから当たり前なのだけれど、そうして気にかけてくれるのが嬉しくて⋯⋯どこか苛っとしてしまう。気付いてほしくないのに気付かれてしまう自分に対して腹が立つ。
本当は凛に伝えたいけども、そんな事を俺が凛に言っても負担になるだけだ。だから、俺は強がって凛を元気付けるしかない。それが今の俺に与えられた、唯一の役目なのだから。
「あ、わかった。リンがヨースケにハグされたのが嫌だったんでしょ。そりゃ田舎の高校生より人気俳優の山梨陽介の腕に抱かれたほうが、ドキドキするもんねー? 盗られるかもよ?」
玲華はこうして、面白そうにからかってくる。そうやってわざと挑発して、俺の怒りを誘う事で元気付けようとしているのだ。本当に、見透かされている。
「⋯⋯ありがとな」
気にかけてくれているのは嬉しい。だけど、それが嬉しくて、少し腹立たたしい。
だから俺はそうとだけ返した。
「つまんないの」
玲華は溜め息を吐いて、呆れたように笑った。
「リンはリンでいっぱいいっぱいなんだよ。準備期間もなかったのに、毎日よく頑張ってるなーって思う。まあ、私が言うことじゃないんだけどね」
「わかってるよ、そんなこと」
凛はかなり無理をしている。日に日に顔色が悪くなってきているし、演技のキレもなくなっている。オフが全くなくて、休憩時間も少ないので、疲れが溜まってきているのだ。彼女は彼女に与えられた役目を必死にこなそうとしている。そんな彼女を俺が責められるはずがない。
そんな会話をしていると電車が来たので、2人並んでがらがらの座席に腰掛けた。玲華と並んで電車で座るなんて、いつぶりだろうか。
「お前さ」
「うん?」
「キスシーンあるんだろ」
「あー⋯⋯あるねえ」
少しだけ言葉を濁すようにして応える。
「あれって、どうするの?」
「どうするのって⋯⋯」
そこで少し考えるように言葉を詰まらせる。
「⋯⋯普通にするでしょ。舌を絡ませて濃密に、唾液まで交換するくらいにレロレロと!」
その言葉に驚いて玲華を見ると、そこには悪戯そうに笑った顔があった。
「⋯⋯なーんてね。口は付けないよ。まだ私高校生だし。それに、人気俳優の山梨陽介とガチチューなんてしたら、袋叩きにされるの私だっての」
こわいこわい、と身をすくめた。
「そういうのってさ、どういう気持ちなの」
「どういうって?」
「嫌とか嬉しいとか、なんとも感じないとか、演技と割り切るとか。俺そういうの全然わかんないから」
玲華は少しだけ考えて、正面を見ながらぽつりと言った。
「⋯⋯嫌だよ。例え相手がヨースケでも、口を付けなくても、嫌。それを割り切れるほど、私はまだ大人になれてない」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「リンも同じだと思うよ。さっきのシーン、多分ショーには見られたくなかったんじゃないかな」
凛が懇願するように陽介さん⋯⋯いや、"達也"を見ていた表情を思い出した。
俺は、すごく嫌だったが、凛も嫌だったのだろうか。
この後、凛も陽介さんと手をつなぐシーンが確かにあるはずだ。
彼女もそれを嫌と思うのだろうか。
「そういうもんなのかな」
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