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第1章 雨宮凛
束の間の幸福感②
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「ねえ、翔くん。順位見た?」
凛と俺が付き合い始めて二週間と少しが経った。十月も半ばで、衣替えも終わった頃である。朝、登校すると、凛がいつもより少しテンション高めで話しかけていた。
「順位? なにそれ」
「中間テストの順位」
中間テストの返却が終わると、校内の掲示板に、トップ三〇までの順位が張り出された。
「あ、今日か。見てないや」
「ほんとに順位とかそういうの興味ないんだ?」
「別に、興味ないってわけじゃないんだけど」
完全に忘れていただけである。中間テストの返却が終わって、テストの点数を見て、自分の間違ったところだけを確認できれば、それでよかった。ただ、順位なんてものに、もう拘りたくないというのは、確かにある。
「じゃあ、今から見に行こう!」
「ええ……」
「ほら、早く!」
凛が楽しそうに俺の腕を引いていく。
どうにも俺は流されやすい性格のようだが、彼女に腕を引かれるのは、なんだかくすぐったくて、嬉しい。玲華だったら、いつもぐったりとしていたように思うのだけれど。
掲示板の前で人だかりができており、遠くから見てみると、二年の順位表の一番上に俺の名前があった。もちろん、順位一位。
「ねえ、見て!」
凛が指差した。『雨宮凛』の名前は、俺より四つ下にあった。すなわち、学年五位。
彼女もテスト返却時の点数はかなりよかったので、順位もそれなりに良いだろう事は予測できていた。二人で勉強した甲斐があったというものだ。
「実はテストでトップ一〇入りって初めてだったりするのであります」
凛は照れ臭そうに言った。
凛にとっては鳴那高で初テストで、しかも人生初のトップ一〇入りだったらしい。テスト前にデート代わりで勉強していたのが良かった。
「期末もこの調子で頑張らないとな」
「うん!」
元気よく彼女は頷いた。
マイナーな週刊誌のせいで学校でも騒ぎにはなったようだけれど、この成績を切っ掛けに、学校からは嫌味も言われずに済むだろうか。
「ねえ、今日の放課後、暇?」
掲示板から教室に戻る際、凛が唐突に訊いてきた。
「放課後? まあ、暇だけど」
「じゃあ、ちょっとだけ居残りしようよ」
「は? なんで」
「いいから! 約束ね?」
凛はまた嬉しそうに笑って、腕を絡めてくる。そんな顔をされたら、断れるはずがない。
ああ、もう。可愛いな、ほんとに。
「……わかったよ」
何でも許可してしまいそうになるから、怖い。
凛と俺が付き合い始めて二週間と少しが経った。十月も半ばで、衣替えも終わった頃である。朝、登校すると、凛がいつもより少しテンション高めで話しかけていた。
「順位? なにそれ」
「中間テストの順位」
中間テストの返却が終わると、校内の掲示板に、トップ三〇までの順位が張り出された。
「あ、今日か。見てないや」
「ほんとに順位とかそういうの興味ないんだ?」
「別に、興味ないってわけじゃないんだけど」
完全に忘れていただけである。中間テストの返却が終わって、テストの点数を見て、自分の間違ったところだけを確認できれば、それでよかった。ただ、順位なんてものに、もう拘りたくないというのは、確かにある。
「じゃあ、今から見に行こう!」
「ええ……」
「ほら、早く!」
凛が楽しそうに俺の腕を引いていく。
どうにも俺は流されやすい性格のようだが、彼女に腕を引かれるのは、なんだかくすぐったくて、嬉しい。玲華だったら、いつもぐったりとしていたように思うのだけれど。
掲示板の前で人だかりができており、遠くから見てみると、二年の順位表の一番上に俺の名前があった。もちろん、順位一位。
「ねえ、見て!」
凛が指差した。『雨宮凛』の名前は、俺より四つ下にあった。すなわち、学年五位。
彼女もテスト返却時の点数はかなりよかったので、順位もそれなりに良いだろう事は予測できていた。二人で勉強した甲斐があったというものだ。
「実はテストでトップ一〇入りって初めてだったりするのであります」
凛は照れ臭そうに言った。
凛にとっては鳴那高で初テストで、しかも人生初のトップ一〇入りだったらしい。テスト前にデート代わりで勉強していたのが良かった。
「期末もこの調子で頑張らないとな」
「うん!」
元気よく彼女は頷いた。
マイナーな週刊誌のせいで学校でも騒ぎにはなったようだけれど、この成績を切っ掛けに、学校からは嫌味も言われずに済むだろうか。
「ねえ、今日の放課後、暇?」
掲示板から教室に戻る際、凛が唐突に訊いてきた。
「放課後? まあ、暇だけど」
「じゃあ、ちょっとだけ居残りしようよ」
「は? なんで」
「いいから! 約束ね?」
凛はまた嬉しそうに笑って、腕を絡めてくる。そんな顔をされたら、断れるはずがない。
ああ、もう。可愛いな、ほんとに。
「……わかったよ」
何でも許可してしまいそうになるから、怖い。
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