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2 放課後は独り占め
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朝一で、LINEを送った。
[↑これ、なんですか?]
そして、そのままバイトに向かう。
駅前のファストフード店で働いていて、同中の友達が何人かいるから、楽しい。
世渡り上手なのか器用なのか、ありがたいことに職場では重宝してもらっていて、一般人にステルスするという目的としては最高の環境にいる。
元気に働いて昼のピークを過ぎ、休憩に入ったけど、春馬さんから返事は来ていない。
既読にさえなっていない。
割といつも即レスの人なので、どうしたのかなと思う。
昼ごはんを食べながら、ゲームのレベル上げをする。
友達と一緒にやっているゲームなので、遅れを取らないようにせっせとザコを倒していく。
余計なことを考えなくていい。
そうこうしているうちに休憩が終わり、また仕事に戻って、バイトが終わったのが16:00。
スマホを開くと、春馬さんから返事が来ていた。
[ごめん、久々に深酒しすぎちゃって。何書いたか覚えてない]
送信されたのはついさっき。
つまり、いままで寝ていたということか。
休みでも規則正しい春馬さんが、こんなだらけた感じで1日を終えようとしているなんて。
[ヤケ酒ですか?」
[まあ、そんなところかな]
俺のことでやけっぱちになってくれたんだと思ったら、それだけでめちゃくちゃうれしくなってしまった。
バカだなと思う。
[頭痛いとか大丈夫ですか?]
[うーん、二日酔い気味。こんなダメな大人にはならないでね]
[成人したら春馬さんとお酒飲んでみたいです]
[じゃあ、4年かけていいお店を見つけておく]
ぐっは……。そうやって急に萌やしてくるスタイルね。
いまの俺には猛毒の攻撃だった。
4年後も仲良くしてくれるつもりなんだとうれしくなりつつ、だからと言って友達以上になることはないのだという、きのう自らえぐってしまった傷にさらに塩を塗り込むような。
スマホをしまい、自宅へ歩き出す。
でも、ポケットが震えるたびに道の端に寄って返事をするから、全然家に着かない。
それでも春馬さんからの返事がすぐ見たくて、はー、やっぱり好き。
「好きだなあ……」
「何が?」
ばっと振り向いたら、クラスメイトの恭平がいた。
小学校から一緒の、いわば腐れ縁。
特徴は、でかい。水泳部の副部長をしている。
「なんだ、びっくりしたー……」
「いや、なんかフラフラしてる奴いんなと思って見てたら統じゃんと思って。何? 女子とLINE?」
「は!? 何が!?」
「いや、好きとか言ってただろ」
「違う違う違う」
慌てて否定してみるものの、こいつは付き合いが長い上に意外と鋭いので、恋愛関連だということはどうせすぐにバレる。
恭平は、茶化すわけでもなくまじめな顔で言った。
「好きな子からLINE来て喜んでるようにしか見えねえんだけど。まあいいや、がんばれよ。お前がそんだけ喜んでるってことは、たぶん相手もおんなじくらい喜んでるぞ」
「え!?」
思わず食いついたら、恭平はにやっと笑った。
「引っかかった」
「うっさいなあ」
で? 喜んでるっていうのはどういうことだ?
無言で詰め寄ると、恭平はガードレールに寄りかかって言った。
「統はさ、天性の人たらしなんだよ。分かるか? 人たらし」
「何それ」
「なーんもしてなくても周りから可愛がられて、なんかいっつも人間に囲まれてる。そういう奴のこと。加えて統は素直だし努力家だから、ますます年齢性別問わず好かれる。統といて嫌な目に遭ったみたいな奴、1回も見たことねえもん」
なぜか急に大絶賛されて、気恥ずかしくなる。
「そんな統が自分のことだけ特別視してくれてるっぽいなんて思った日には、女子は舞い上がるって」
「は? 俺モテたこととか1回もないからな?」
「公共物っぽすぎて二の足踏んでんだよ。言わなかったけど、中学んときとか、オレ何回も相談されてるからな? 高野くんと仲良くなりたいんだけどきっかけがなさすぎるって」
「言えよ!」
「プライバシーだろ。勝手に言うかよ」
まさか、一般人ステルスがそんな風になっていたとは……。
「押せばいける。統ならやれる。ちょっと甘えてみろ。じゃ」
そう言ってスタスタと去っていく。
くっそー……これだから顔も心もイケメンのモテモテ細マッチョは……。
――ちょっと甘えてみろ
そんなこと、していいのだろうか。
進展させようとすることは、許されるのだろうか。
[↑これ、なんですか?]
そして、そのままバイトに向かう。
駅前のファストフード店で働いていて、同中の友達が何人かいるから、楽しい。
世渡り上手なのか器用なのか、ありがたいことに職場では重宝してもらっていて、一般人にステルスするという目的としては最高の環境にいる。
元気に働いて昼のピークを過ぎ、休憩に入ったけど、春馬さんから返事は来ていない。
既読にさえなっていない。
割といつも即レスの人なので、どうしたのかなと思う。
昼ごはんを食べながら、ゲームのレベル上げをする。
友達と一緒にやっているゲームなので、遅れを取らないようにせっせとザコを倒していく。
余計なことを考えなくていい。
そうこうしているうちに休憩が終わり、また仕事に戻って、バイトが終わったのが16:00。
スマホを開くと、春馬さんから返事が来ていた。
[ごめん、久々に深酒しすぎちゃって。何書いたか覚えてない]
送信されたのはついさっき。
つまり、いままで寝ていたということか。
休みでも規則正しい春馬さんが、こんなだらけた感じで1日を終えようとしているなんて。
[ヤケ酒ですか?」
[まあ、そんなところかな]
俺のことでやけっぱちになってくれたんだと思ったら、それだけでめちゃくちゃうれしくなってしまった。
バカだなと思う。
[頭痛いとか大丈夫ですか?]
[うーん、二日酔い気味。こんなダメな大人にはならないでね]
[成人したら春馬さんとお酒飲んでみたいです]
[じゃあ、4年かけていいお店を見つけておく]
ぐっは……。そうやって急に萌やしてくるスタイルね。
いまの俺には猛毒の攻撃だった。
4年後も仲良くしてくれるつもりなんだとうれしくなりつつ、だからと言って友達以上になることはないのだという、きのう自らえぐってしまった傷にさらに塩を塗り込むような。
スマホをしまい、自宅へ歩き出す。
でも、ポケットが震えるたびに道の端に寄って返事をするから、全然家に着かない。
それでも春馬さんからの返事がすぐ見たくて、はー、やっぱり好き。
「好きだなあ……」
「何が?」
ばっと振り向いたら、クラスメイトの恭平がいた。
小学校から一緒の、いわば腐れ縁。
特徴は、でかい。水泳部の副部長をしている。
「なんだ、びっくりしたー……」
「いや、なんかフラフラしてる奴いんなと思って見てたら統じゃんと思って。何? 女子とLINE?」
「は!? 何が!?」
「いや、好きとか言ってただろ」
「違う違う違う」
慌てて否定してみるものの、こいつは付き合いが長い上に意外と鋭いので、恋愛関連だということはどうせすぐにバレる。
恭平は、茶化すわけでもなくまじめな顔で言った。
「好きな子からLINE来て喜んでるようにしか見えねえんだけど。まあいいや、がんばれよ。お前がそんだけ喜んでるってことは、たぶん相手もおんなじくらい喜んでるぞ」
「え!?」
思わず食いついたら、恭平はにやっと笑った。
「引っかかった」
「うっさいなあ」
で? 喜んでるっていうのはどういうことだ?
無言で詰め寄ると、恭平はガードレールに寄りかかって言った。
「統はさ、天性の人たらしなんだよ。分かるか? 人たらし」
「何それ」
「なーんもしてなくても周りから可愛がられて、なんかいっつも人間に囲まれてる。そういう奴のこと。加えて統は素直だし努力家だから、ますます年齢性別問わず好かれる。統といて嫌な目に遭ったみたいな奴、1回も見たことねえもん」
なぜか急に大絶賛されて、気恥ずかしくなる。
「そんな統が自分のことだけ特別視してくれてるっぽいなんて思った日には、女子は舞い上がるって」
「は? 俺モテたこととか1回もないからな?」
「公共物っぽすぎて二の足踏んでんだよ。言わなかったけど、中学んときとか、オレ何回も相談されてるからな? 高野くんと仲良くなりたいんだけどきっかけがなさすぎるって」
「言えよ!」
「プライバシーだろ。勝手に言うかよ」
まさか、一般人ステルスがそんな風になっていたとは……。
「押せばいける。統ならやれる。ちょっと甘えてみろ。じゃ」
そう言ってスタスタと去っていく。
くっそー……これだから顔も心もイケメンのモテモテ細マッチョは……。
――ちょっと甘えてみろ
そんなこと、していいのだろうか。
進展させようとすることは、許されるのだろうか。
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