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最終章〜終結。そして始まる
144話〜その技は危険にて・後編【挿絵】
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ここは南側の祭壇より西北西に位置する場所。
ハクリュウは依然として動かない。
そんなハクリュウに対しバルムは苛立ち始める。
(何を考えてやがる。さっき、なんか叫んでたようだったが。ここは用心した方がいいか? いや、どうせ大したことねぇよな、)
『フンッ、動かねぇなら、力ずくで動かすだけだっ!』
そう言いバトルアックスを大きく右斜め上に振り上げると、ハクリュウ目掛け思いっきり振り下ろした。
その攻撃はハクリュウの張った球状のカウンター結界に直撃する。
するとカウンタースキルが発動しバルムは、倍の威力で弾かれ地面に叩きつけられ怪我を負った。……いや、怪我を負ったのはタツキだ。
そうタツキは姿を消しここに転移してきた。それと同時に、姿を消したまま呪符を使いハクリュウとバルムの周りを囲むように、結界を張り他への被害を防いだ。
その直後バルムがハクリュウを攻撃するのがみえ、このままじゃまずいと思ったタツキの体は即座に動いた。
そしてバルムがハクリュウを攻撃したその時。……タツキはバルムの正面に立ちハクリュウに背を向ける。するとタツキはバルムに覆い被さった。
その時タツキは、倍に跳ね返ってきた攻撃をまともに受けバルムと共に弾き飛ばされたのだ。
ハクリュウはバルムを攻撃しようと剣を抜き構えた。と同時に素早くタツキとバルムの側まで移動する。
そして、剣を構え直すとバルムを攻撃しようとした。
タツキはそれをみてこのままじゃまずいと思い、全身傷だらけの体を庇いながら立ち上がりハクリュウを睨みみる。
『待てハクリュウ、落ち着けっ!? お前は、こいつを殺すつもりか?』
『どいてくれっ! そいつは死ぬかもしれない戦いを楽しんでる殺人鬼だ』
そう言いタツキを鋭い眼光で睨んだ。
『そうかもしれない。だが、お前もそうなるつもりか? それに、こいつを殺したところでヤツらの企てを阻止することはできないっ!』
『それはぁ……そうかもしれない。てか、そもそもお前は誰なんだ。こいつの仲間なのか? いやその前に、なんで俺の名前を知っている』
そう聞かれタツキは一瞬どう答えたらいいかと迷う。
『……いや、こいつの仲間じゃない。俺の名はタツキ・ドラゴナイト、お前と同じくこの世界に召喚された者だ』
敢えてタツキは、なぜハクリュウの名前を知っていたのかを言わなかった。
そう正体を知られたくないため、わざと理由を話さなかったのだ。
(タツキ・ドラゴナイト。んー、聞いたことがない。でも多分、言ってることに嘘はないと思う。
だけど、なんで俺の名前を知ってるんだ? それに、この声どこかで聞いたことが、凄く懐かしい気がするんだけど。
……思い出せない……誰だ? 忘れちゃいけない人のような気がするんだよなぁ。
それに俺のこと知ってるみたいだし。でも、聞いたけど答えないってことは知られたくないのか。
なぜかは分からないけど、今は聞かない方がいいのかも)
そう思いタツキを警戒しつつも、とりあえず今は様子をみることにした。
『タツキさんも、この世界に召喚された……そのことは、本当だと思う。だけど、そいつを懲らしめないと、って、タツキさん後ろっ!?』
バルムが立ち上がりタツキを攻撃しようとしているのをみて、そう叫び剣を構え直し攻撃しようとする。
だがタツキは平然と立っていた。いや、微かに笑みを浮かべている。
ハクリュウはなんで逃げないのかと思ったが、タツキのその表情を見逃さなかった。
(この人、もしかして何かする気なのか?)
そう思い攻撃するフリをする。
バルムはタツキ目掛け攻撃しようと左足を一歩前に踏み込んだその時、灰色の魔法陣が浮かび上がった。
『なっ!?』
それと同時に、踏み台のついたバネが現れ、後ろに弾き飛ばされる。
そのままバルムは、タツキが張った結界まで飛ばされた。そして、まともに結界にあたり弾かれ地面に叩きつけられる。
タツキは振り返り、ニヤリと笑みを浮かべるとバルムをみた。
その光景を目の当たりにしたハクリュウは、余りにもあり得ないことが目の前で起きたため顔を引きつらせのけぞり一歩後ろに下がる。
(こ、これって……トリックスターのスキル。確かリュウキさんが昔みせてくれた技。んー、なんて技名だったかな?
だけどこの技を使えるってことは、俺たちと同じ世界のゲームをしていたって証明になる。でもタツキって名前、聞いたことがない)
そう思いながらタツキをじーっとみた。
__ちなみにこの技名は、ビックリ罠箱といい。その時々に応じてあらゆる罠が発動する。そのため、どんな罠が発動するかは運次第だ。
そう……某ゲームの呪文みたいなものである__
タツキはその視線を感じハクリュウの方に体を向ける。
『罠スキルってぇのは、こうやって使うもんだ。確かに強力なスキルの方が一気に片が付く。だが、ここはゲームの世界じゃない。それだけは忘れるな』
そう言った直後、タツキの体に激痛が走った。
そう大怪我をしているにもかかわらず無理をしていたからだ。
タツキは余りの痛さに言葉がでず無言のまま地面に膝をつきうずくまる。
そんなタツキをみてハクリュウは慌てて駆け寄った。
『タツキさん、大丈夫ですかっ!』
その後ハクリュウは、持っていたポーションとアイテムを使いタツキの治療をする。
その最中バルムは、気絶をしていたが目を覚まし偶然、南側の祭壇の方をみた。
『おい、ガイン……なんで、その能力を……。馬鹿が、アイツ死ぬつもりか、』
そう言いバルムは祭壇に向かおうと駆けだす。だが、タツキの張った結界に勢いよく突っ込み思いっきり弾かれ尻餅をついた。
バルムは、お尻を摩りながらタツキを睨みつける。
『クソッ、結界か、』
『ああ……。それよりお前、あの能力と、アイツのこと知ってるのか?』
そう言いながらタツキは、負傷した体を支え苦痛の表情を浮かべながら上体を起こす。
『タツキさん、まだ動いたら傷が……。それに左腕、もしかして折れてるんじゃ?』
ハクリュウはそう言いタツキの左腕を軽く触る。
『つう、うっ……って、そう思ったなら触るなっ!』
『あっ、ごめんなさい。だけど、』
『お前の言う通り折れてるかもしれない。だが、大丈夫だ。お前が治療してくれたおかげである程度動ける』
そう話をしているとバルムが口を開いた。
『ガインは俺の配下の者だ。それとあの能力については、ごく一部のことしか聞かされていねぇ。だが、まだ未完成だってぇのは知ってる』
『なるほどな。さっきの様子だと、アイツを止めようとしてたよな。もし俺と同じ考えなら、今は休戦しないか?』
そう言われバルムは一瞬、どうするかと考える。
『そうだな。お前が言うように、ここは休戦しガインを止めるのが先だ。だが、何か策はあるのか?』
そう問われタツキは頷き、その策を二人に説明した。
ハクリュウとバルムはその策案を聞き他に方法があるとも思えず了承する。
その後、結界が消滅した。そして三人は、南側の祭壇の様子をみて行動することにすると戦況を伺う。
現在に戻り__ハクリュウとバルムは、何があってもいつでも動ける体勢で身構えていた。
一方タツキは、悩んでいる。そう自分が怪我を負い余り動けない、ここにいればみんなの足手まといになるのではと思ったのだ。
(どうする? 今俺がここにいる必要があるのか。それにこの怪我じゃ……)
そう思いながらタツキは、地面に座り込んだまま南側の祭壇の方をみていた。
ハクリュウは依然として動かない。
そんなハクリュウに対しバルムは苛立ち始める。
(何を考えてやがる。さっき、なんか叫んでたようだったが。ここは用心した方がいいか? いや、どうせ大したことねぇよな、)
『フンッ、動かねぇなら、力ずくで動かすだけだっ!』
そう言いバトルアックスを大きく右斜め上に振り上げると、ハクリュウ目掛け思いっきり振り下ろした。
その攻撃はハクリュウの張った球状のカウンター結界に直撃する。
するとカウンタースキルが発動しバルムは、倍の威力で弾かれ地面に叩きつけられ怪我を負った。……いや、怪我を負ったのはタツキだ。
そうタツキは姿を消しここに転移してきた。それと同時に、姿を消したまま呪符を使いハクリュウとバルムの周りを囲むように、結界を張り他への被害を防いだ。
その直後バルムがハクリュウを攻撃するのがみえ、このままじゃまずいと思ったタツキの体は即座に動いた。
そしてバルムがハクリュウを攻撃したその時。……タツキはバルムの正面に立ちハクリュウに背を向ける。するとタツキはバルムに覆い被さった。
その時タツキは、倍に跳ね返ってきた攻撃をまともに受けバルムと共に弾き飛ばされたのだ。
ハクリュウはバルムを攻撃しようと剣を抜き構えた。と同時に素早くタツキとバルムの側まで移動する。
そして、剣を構え直すとバルムを攻撃しようとした。
タツキはそれをみてこのままじゃまずいと思い、全身傷だらけの体を庇いながら立ち上がりハクリュウを睨みみる。
『待てハクリュウ、落ち着けっ!? お前は、こいつを殺すつもりか?』
『どいてくれっ! そいつは死ぬかもしれない戦いを楽しんでる殺人鬼だ』
そう言いタツキを鋭い眼光で睨んだ。
『そうかもしれない。だが、お前もそうなるつもりか? それに、こいつを殺したところでヤツらの企てを阻止することはできないっ!』
『それはぁ……そうかもしれない。てか、そもそもお前は誰なんだ。こいつの仲間なのか? いやその前に、なんで俺の名前を知っている』
そう聞かれタツキは一瞬どう答えたらいいかと迷う。
『……いや、こいつの仲間じゃない。俺の名はタツキ・ドラゴナイト、お前と同じくこの世界に召喚された者だ』
敢えてタツキは、なぜハクリュウの名前を知っていたのかを言わなかった。
そう正体を知られたくないため、わざと理由を話さなかったのだ。
(タツキ・ドラゴナイト。んー、聞いたことがない。でも多分、言ってることに嘘はないと思う。
だけど、なんで俺の名前を知ってるんだ? それに、この声どこかで聞いたことが、凄く懐かしい気がするんだけど。
……思い出せない……誰だ? 忘れちゃいけない人のような気がするんだよなぁ。
それに俺のこと知ってるみたいだし。でも、聞いたけど答えないってことは知られたくないのか。
なぜかは分からないけど、今は聞かない方がいいのかも)
そう思いタツキを警戒しつつも、とりあえず今は様子をみることにした。
『タツキさんも、この世界に召喚された……そのことは、本当だと思う。だけど、そいつを懲らしめないと、って、タツキさん後ろっ!?』
バルムが立ち上がりタツキを攻撃しようとしているのをみて、そう叫び剣を構え直し攻撃しようとする。
だがタツキは平然と立っていた。いや、微かに笑みを浮かべている。
ハクリュウはなんで逃げないのかと思ったが、タツキのその表情を見逃さなかった。
(この人、もしかして何かする気なのか?)
そう思い攻撃するフリをする。
バルムはタツキ目掛け攻撃しようと左足を一歩前に踏み込んだその時、灰色の魔法陣が浮かび上がった。
『なっ!?』
それと同時に、踏み台のついたバネが現れ、後ろに弾き飛ばされる。
そのままバルムは、タツキが張った結界まで飛ばされた。そして、まともに結界にあたり弾かれ地面に叩きつけられる。
タツキは振り返り、ニヤリと笑みを浮かべるとバルムをみた。
その光景を目の当たりにしたハクリュウは、余りにもあり得ないことが目の前で起きたため顔を引きつらせのけぞり一歩後ろに下がる。
(こ、これって……トリックスターのスキル。確かリュウキさんが昔みせてくれた技。んー、なんて技名だったかな?
だけどこの技を使えるってことは、俺たちと同じ世界のゲームをしていたって証明になる。でもタツキって名前、聞いたことがない)
そう思いながらタツキをじーっとみた。
__ちなみにこの技名は、ビックリ罠箱といい。その時々に応じてあらゆる罠が発動する。そのため、どんな罠が発動するかは運次第だ。
そう……某ゲームの呪文みたいなものである__
タツキはその視線を感じハクリュウの方に体を向ける。
『罠スキルってぇのは、こうやって使うもんだ。確かに強力なスキルの方が一気に片が付く。だが、ここはゲームの世界じゃない。それだけは忘れるな』
そう言った直後、タツキの体に激痛が走った。
そう大怪我をしているにもかかわらず無理をしていたからだ。
タツキは余りの痛さに言葉がでず無言のまま地面に膝をつきうずくまる。
そんなタツキをみてハクリュウは慌てて駆け寄った。
『タツキさん、大丈夫ですかっ!』
その後ハクリュウは、持っていたポーションとアイテムを使いタツキの治療をする。
その最中バルムは、気絶をしていたが目を覚まし偶然、南側の祭壇の方をみた。
『おい、ガイン……なんで、その能力を……。馬鹿が、アイツ死ぬつもりか、』
そう言いバルムは祭壇に向かおうと駆けだす。だが、タツキの張った結界に勢いよく突っ込み思いっきり弾かれ尻餅をついた。
バルムは、お尻を摩りながらタツキを睨みつける。
『クソッ、結界か、』
『ああ……。それよりお前、あの能力と、アイツのこと知ってるのか?』
そう言いながらタツキは、負傷した体を支え苦痛の表情を浮かべながら上体を起こす。
『タツキさん、まだ動いたら傷が……。それに左腕、もしかして折れてるんじゃ?』
ハクリュウはそう言いタツキの左腕を軽く触る。
『つう、うっ……って、そう思ったなら触るなっ!』
『あっ、ごめんなさい。だけど、』
『お前の言う通り折れてるかもしれない。だが、大丈夫だ。お前が治療してくれたおかげである程度動ける』
そう話をしているとバルムが口を開いた。
『ガインは俺の配下の者だ。それとあの能力については、ごく一部のことしか聞かされていねぇ。だが、まだ未完成だってぇのは知ってる』
『なるほどな。さっきの様子だと、アイツを止めようとしてたよな。もし俺と同じ考えなら、今は休戦しないか?』
そう言われバルムは一瞬、どうするかと考える。
『そうだな。お前が言うように、ここは休戦しガインを止めるのが先だ。だが、何か策はあるのか?』
そう問われタツキは頷き、その策を二人に説明した。
ハクリュウとバルムはその策案を聞き他に方法があるとも思えず了承する。
その後、結界が消滅した。そして三人は、南側の祭壇の様子をみて行動することにすると戦況を伺う。
現在に戻り__ハクリュウとバルムは、何があってもいつでも動ける体勢で身構えていた。
一方タツキは、悩んでいる。そう自分が怪我を負い余り動けない、ここにいればみんなの足手まといになるのではと思ったのだ。
(どうする? 今俺がここにいる必要があるのか。それにこの怪我じゃ……)
そう思いながらタツキは、地面に座り込んだまま南側の祭壇の方をみていた。
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