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第4章〜儀式の始まり…そして…

番外⑵‥❷〜出会いとバトル‥中編

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 ここはゲームセンターの中。麻里亜は黒のキャップを被った女性と格ゲーで対戦をしていた。


 この格ゲーは3Dタイプで動く範囲も広い。そして、麻里亜が選んだキャラは可愛い女の子のキャラでハートの模様のバトンとキックと技で攻撃をする。技は遠距離が主体だが、コマンドを入れやすい分、威力は弱め。一撃よりは手数で勝負するキャラ。

 一方黒のキャップの女性は、もっともこのゲームで最強と言われている拳法着を着た男性の使いやすいキャラで、攻撃もシンプルで威力のあるパンチとキック、技もあるがコマンド入力が難しい。このキャラを選ぶ人が多いが、勝つ為にはかなりのコマンド入力技術が必要になる。


 黒のキャップの女性は、上段回し蹴りをフェイントに使い、パンチを上下に打ち分け繰り出してきた。

 麻里亜はすかさずそれを左右前後に回避し滑り込み後ろに回り込んだ。

(……へぇ…やるじゃない。このキャラでここまでの動きをするとはねぇ。面白いやってやろうじゃない。)

(なるほど。流石に威力があるキャラだけあって強い。尚且つあの女の人も結構やり込んでるみたい。でも、恐らく私のこのキャラで油断してると思うし、多分いける。)

  麻里亜はバトンを回し、

 《スクリュー トルネード!!》

 バトンは回転しながら手から離れ竜巻を発生させ黒のキャップの女性を襲った。

 しかし、黒のキャップの女性は右に後退し回避し技を出そうとした。

 だが、麻里亜はそれを予測していた。

(えっ?まさか……。)

 既に黒のキャップの女性の直ぐ側まで来ていた。

 麻里亜は下段から上段へのキックコンボを巧みに操り、黒のキャップの女性に攻撃を与えるも、さほどLIFEを減らす事が出来なかった。

(あちゃ~これじゃ威力が足りない。でも、こういう程度の低いキャラは何か裏技的なのがある筈なんだけど……。よし!試してみるか。あ~てか、考えてる余裕ない~。)

 黒のキャップの女性は左足を軸にし麻里亜を蹴り飛ばした。

(舐めないでよね!そこそこやるみたいだけど、そのキャラを選んだ事、後悔させてやるんだから!)

 麻里亜は蹴り飛ばされ後退しLIFEが半分に減った。

(クッ、このままじゃやられる。何か倒す良い方法は無いのかな?)

 麻里亜は相手の技が来る前に何か裏技が無いかあらゆるボタンを見てみた。

(ん~大抵このタイプのキャラだと、この辺のボタンと上下左右斜めのどれかを上手く組み合わせればいい筈なんだけど……。)

 黒のキャップの女性は、

 《奥義 炎武猛脚殺!!》

 足に炎を纏わせ、麻里亜目掛け素早く回転しながら連続で蹴りを繰り出した。

(ちょっと待ってって……。仕方ない、この辺試してみるか。)

 麻里亜は試しに黄色のボタンを押したまま、上、左下、右、左と操作してみた。

 だが、技は出なかった。

 しかし、何故か上手く回避出来た。

(あ~えっと……。これって、まぁいいか。回避出来たし。)

 麻里亜はそう思いながら苦笑した。

(ハァ?今のデタラメな動きは何なの?何であんなんで、この攻撃回避されなきゃいけないのかなぁ。ん~さっきから少し動き変なんだけど?このゲーム自体初めてな訳よねぇ。なのにこのキャラで挑んできた。このゲームに慣れる前に倒しておいた方がいいわよねぇ。」

(そろそろ時間も無くなる。1ラウンドは捨てに行くしか無いか。とにかく裏技を探さないと……。)

 そして、黒のキャップの女性は高くジャンプし、麻里亜の上段へ踵落としのようなキックを繰り出した。

 麻里亜はとにかくあらゆるボタンを試しその攻撃に当たりながら後退しLIFEを減らしていき三分の一まで減ってしまった。

 更に黒のキャップの女性は、間髪入れずに高速パンチをコンボで繰り出し、麻里亜は防御するも間に合わず、LIFEを失い1ラウンド目は敗北した。

 だが、麻里亜はその段階で裏技のパターンを1つだけ残していた。

(1ラウンド目は負けたけど。あと1つのパターンがあてはまれば……。ただ、これもスカなら流石にお手上げだけどね。)

(ふぅ、1ラウンド目は勝てたけど……この人、動きがメチャクチャに見えるけどゲーム慣れしているのかな?段々動きが良くなってきてる。まさかねぇ、ゲーム会社に勤めているような人ならともかく。いや、もし勤めていたとしてもそんな早くゲームに慣れる事が出来る人がそうそういるとは思えない。よっぽどのゲームオタクなら別だけど。)

 そして、その後麻里亜と黒のキャップの女性は2ラウンド目に突入した。
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