月曜日の巫女

桜居かのん

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巫女という呪

巫女という呪6

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「えっと?」


私は何が何だかわからず、再度実咲と塔子を見た。


「ゆいちゃん、僕だよ、僕!」


いつの間にか私の目の前にきて、必死に自分の顔に指を指している。

綺麗な色素の薄い瞳と、長いまつげ。

こんなイケメン、知り合いにいただろうか。

私はそんな彼を見て首をかしげた。

彼は途端に思い切り悲しそうな顔をした後、がくりと肩を落とした。


「学校にほとんど来てないんだから、ゆいから忘れ去られても仕方ないんじゃない?」


「実咲ちゃん、酷い・・・・・・」


2人のやりとりでもしや、と彼の顔を観察するように見る。

そうだ、このタレ目、見覚えがある!


「もしかして加茂君?!」


「やっと正解出たよ!」


突然ぎゅと抱きしめられて、私はひゃ!と声を漏らした。

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