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プロローグ・王の凱旋と片角の少女(1)
しおりを挟む穏やかな午後。ゆったりとした歌声が、午後の日光を穏やかに溶かしていく。その歌が聞こえ始めると、私は決まって歌声の主に歩み寄り、なるべく音を立てないように――彼女の気を散らしてしまわないように隣に座る。
そうすると彼女は私に微笑んで、いっそう優しげに響く声を部屋中に溢れさせる。
私だけの時間。私だけの歌。この古城の一室にのみ許された、至福の音楽。
私のもとに降りてきた――天使の歌声。
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