最強チートの『BALANCE BREAKER』

人族の国『ザイン』編

嘘と言え！いえ、本当です…

俺は、許可が出たので早速エレインに話をすると…

　「は？嘘だよな…白竜と黒竜の討伐？そんなクエストを受けるバカがどこにい…「ここにいるじゃん！」…嘘だよな…あぁ、そうか…これは夢か…夢だな…よし！誰か私を夢から覚ましてくれ！」

　そう言った彼女に、向けられた視線は1つ…哀れみ、同情の視線だった…

　「まぁ、頑張ってくれ…オレは死にたくねえ…」「エレインちゃんご愁傷さま…」「あぁ、俺達の女神が…」「あの悪魔め、俺のエレイ…ぐはっ！！」

　最初の三人は許そう…おい…最後の奴…ちょっと表出ろや…

　「と言うか何で私なんだ…他にも強い冒険者はいるだろう…ちゃんとした理由があるのか？」

　「理由は詳しく言うことはできない」

　「っ！なんで！？」

　「まぁ、色々あるんだよ…じゃぁひとつだけ理由を言うぞ」

　「まぁ、それでもいいか…」

　「お前じゃないと嫌だから、ダメだから…この理由じゃだめか？」

　「っ！」

　
　俺が理由を言うと、エレインは俯いて、小声で何かをつぶやき始めた…
　なんで、急に静かになったんだ？そんな事を思っていると、周囲の冒険者たちは…


　「あの野郎、無自覚であんなことをしたってのか!?」「嘘だろ？本当にあんな奴がいるのか」「俺の女神が…」「くそ！あんな童貞野郎よりも俺と…ぎゃぁぁぁぁ!!!」

　なんてことを口走っていた…そしてもう一度言おう、最初の三人は許そう…最後の奴お前は懲りない奴だなぁ…


　冒険者の一人に罰を与えようとすると…

　「ヴェルダっ！」

　ずっと俯いていたエレインがこっちを見ていた

　「行くか行かないか決まったか？」

　「あぁ、私はお前についていく」

　「命の危険があってもか？」

　「あぁ、それに、冒険者になったときから戦って死ぬ覚悟は出来ている！」

　いい目だ…こいつはやっぱり強くなる…どことなくあの女に似ているもんなぁ…ゲームの世界で唯一、俺と互角とまでは行かないが、俺を追い詰めることができた…最強の女騎士に…そういや女騎士といえば…思い出したくない奴もいるなぁ…もう関わることはないだろうが…

　「まぁ、大丈夫だ…このクエストでは、お前には傷一つ負わせない…守りきってやる…」

　あれ？エレインの顔が赤い様な気がするんだけど…風邪かな？まぁ、いいか…

　





　




　さーて…この2匹の竜共は俺を楽しませてくれるのかな？