臆病なDomと、優しく愛されたいSubのお話。

朝顔

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⑲ 祭りと恋と花火 ②

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 こんな格好はひどすぎて、絶対納見には見せられないと、香坂は朝から気が気ではなかった。
 忙しいから見に行けないかもしれないという、納見の言葉に望みを託して、もう満身創痍の気持ちでとにかく仕事を回していた。

 生徒達が準備してくれていたのは可愛らしいナース服で、大きな注射器に入ったドリンクを、客の目の前で注射するようにグラスに注ぐという、何とも考えられた設定だった。

 それを聞いた時は心配したが、明らかに女装の男がウロウロしていても、笑ってバカされることはなかった。
 それどころか、雰囲気を楽しんでくれたみたいで、客足はどんどん増えて途切れることがなかった。
 ちょっとした客寄せになってくれればいいからと、店に出るのは午前中だけという約束だったのに、午後を過ぎてもなかなか戻れずに困っていたところに、納見がついに来てしまった。

 納見なら変な格好させられて大変だね、なんて言って労ってくれるのかと思ったのに、微笑すら浮かべず真顔のまま外へ連れ出された。

 機嫌が悪そうだと思ったけれど、どうも違うらしい。
 しかも校長の呼び出しが嘘だったと当たり前のように言われて、ポカンとしていたらやっぱり納見の様子がおかしいことに気がついた。

 ずっと目を合わせてくれなかったので顔を覗き込むと、頬が真っ赤になっていて、すぐに耳まで赤くなった。
 そして前屈みの格好になったので、調子が悪いのかと思ったら、明らかに反応している下半身が見えて息を飲み込んでしまった。

「えっ……、陽太、もしかして勃ってる?」

「うぅ……仕方ないだろう。その姿エロすぎる。視覚だけでイキそうになるなんて初めてだよ」

「ちょ……ちょっと、ここはマズい。どこか、人気のないところへ……」

 人通りの少ない廊下を歩いていたが、誰か来て注目されでもしたら大変だと香坂は辺りを見回した。
 いつもの準備室は、生徒会が物置に使っているので人の出入りがある。
 どこか隠れられるような場所はないかと考えたら、パッと思い浮かんだ。

「あっ、保健室!」

「今日は学園祭だから、保健医の先生はお休みじゃ……」

「清掃が入るから、鍵を預かっていたんだ。とにかく行こう」

 香坂は納見の手を引いて歩き出した。
 保健室がある棟に通じる廊下には、本日は使用できないので立ち入り禁止の看板が立っていた。
 その横をすり抜けて保健室まで辿り着くと、鍵を開けて中に入った香坂は、ふぅと安堵のため息をついた。


「ええと……大丈夫? おさまりそう?」

「全然無理……もう、担任に、こんなエッチな格好させて何考えてるんだよ、おたくのクラスの生徒は」

「いや、なんて言うか、みんな担任が女装するっていう話題性が欲しかったんじゃないかな。衣装は手作りじゃなくて、量販店でハロウィンとかに使うやつを買ってきたみたいだし。もちろんサイズは女性のフリーサイズしかなかったから、けっこうパツパツだし……、メイクだって口にちょっと塗っただけで勘弁してもらったから……」

 室内に二人きり、沈黙が流れて目が合うと、納見はううっと唸るような声を上げて口元を手で押さえた。
 同時に下半身の主張がもっと激しくなり、ズボンを押し上げて完全に勃ち上がってしまったのが見えた。
 それを見た香坂も腹の奥がムズムズとしてきてしまった。

「………まだ時間大丈夫だよな。ちょっとこっちに来て」

 納見をベッドに連れて行き座らせた香坂は、床に膝をついてから股間に入り込んで、勃ち上がった雄をズボンの上から頬で撫でた。

「陽太……ここ、こんなに大きくしちゃったの?」

「ううっ、仁っ、はぁ……はぁ……Lick舐めて

 待ての状態で物欲しげに見つめたら、納見はやっとCommandを言ってくれた。
 一気にSubのモードに入った香坂は、口を使って納見のズボンのチャックを下ろして、盛大に勃ち上がった雄を取り出した。

「すごっ……俺を見て興奮してくれたの? 恥ずかしけど、嬉し……んっ……おおき……」

 唾液をたっぷりと舌に乗せて、納見の雄にぱっくりと食らいついた。

「あっああ………仁……っっう……くくっ」

 熱くて硬い、汗が混じった雄の匂いがたまらない。唇を使いながら吸って擦って、丁寧に舌を使って舐めた後、玉までじゅるっと吸い込んで舌の上でころころと転がした。

「ううぁっっ、それっ………ヤバい……仁っ……まっ」

「んーー、きもち……いい?」

「んっ、もう……イキそ、仁、Strip脱いで、前のボタンを開けて、仁の可愛いところ見たい」

 昂りから口を離した香坂は、納見に見せつけるようにボタンを上半身部分だけ外して前を開いた。
 はーはーと息を吐きながら興奮した様子で納見はそこに手を入れて、ピンク色の突起を指で摘んだ。

「ああっっ、んんっ……」

「いい声……、ここ弄ると仁は可愛い声出すよね。ずっと聞いていたい」

 納見は突起に顔を近づけて、舌を使って刺激してじゅるじゅると吸い付いた。

「あっ、あっ、うっんんんっ……それ、やば……」

「エッチなナースさんだ。乳首弄られてお尻が揺れてるよ。可愛いね、Comeおいで、ベッドに乗って、Rollごろん、足を持ち上げてごらん」

 連続のCommandに香坂の意識はとろんと甘くなっていく。
 ベッドに乗った香坂は仰向けに寝転んで両足を持ち上げた。

Goodいいこだ、それじゃあ、全部前を開けて……」

 寝ながらコクンと頷いた香坂はワンピースの下半身部分のボタンを外して前を全開にした。

「えっ……ちょっと待って、下着も女性ものなの!?」

「ああ……恥ずかしい。ヤダって言ったけど、雰囲気出ないからってお願いされて……っっ、もう、脱ぐから……」

Stay待って、いいよ。最高の眺め……興奮し過ぎて鼻血出そう。やばっ、綺麗なレースのショーツが、仁ので破れそうなくらいになってる。……このまましたい」

「ええっ、あっ……ちょっ……あああっ」

 香坂がトロリとこぼした先走りを指ですくった納見は、ショーツの間から手を入れて、後ろの孔を弄り始めた。
 ショーツが食い込んで痛いはずなのに、いい具合に擦れてきて、前からも後ろからもたまらない快感が押し寄せてくる。

「なに……これ、やば……よすぎて、おかしくなる」

「気持ちいい? 俺の指を食いちぎりそう。すごい締め付け……挿れたらすぐもっていかれそう」

「あっ…、あ、だめっ、離れたらやだ」

 周りを見渡してベッドから降りようとした納見を見て、香坂は慌てて離れないように納見の腰に足を絡ませた。

「仁、ちょっ……待って、探し物があるだけで……でも、さすがに保健室ここにはないかな……」

「さがしもの……?」

「いや……ゴムをね……、いつも持ち歩いていないから……」

「ああ、それなら……」

 むくりと起き上がった香坂は目の前にある、雄々しく天を向いているソレに手で触れた。
 唾液を垂らして、馴染ませるように擦り付けた後、先っぽをぺろりと舐めた。

「そのままでも……いいよ」

「えっ……でも……」

「じらさないて……も、ほし……から」

 香坂は納見の上にまたがり、後ろの蕾に大きくなったモノの先っぽを当てた。

「あ…あああ………あつい……すご……」

 納見に弄られていたソコはすっかりとろけていて、先端をぱっくりと飲み込んだ。
 全開になったワンピース、レースのショーツはずらして履いたまま、雄をズブズブと飲み込んでいく香坂の様を見て、納見の目はギラリと光ったように見えた。

「なまの、ようたの……あっ、きもち……いいっ……あついの……すごい……」

「……っっ、仁……ヤバい、熱がアソコが溶けそうだ……、あっ……っっ」

「ん……いっぱ……はいった……ぁぁ……ハァハァ……」

 ゴム越しではなく、直接感じる熱の快感は強かった。何とか全ておさめた時には、目が眩んでしまい、香坂は納見に体を預けて縋りついた。

「い……いいよ、Goodいいこ、すごく気持ちいい、まだ動かないで……舌を出して、そう……上手だよ、仁」

「んっ……ようたぁ……いっぱい……して……んんっ……ぁぁ」

 繋がったまま動かずに、しばらくお互いの唇を貪り合った。
 口内を蹂躙されて、唇まで吸われるとたまらなくて、香坂は後ろをぎゅっと締め付けた。

「仁はキス好きだよね。ここ、吸うといつも中がピクピクして……、んんっ、気持ちい……」

「あっ……、ようた……もっと……おくまで……ほし」

「いいよ。今日は一番奥で出してあげる。中に出していい?」

「んっっ……うん、いっぱい……ほしい」

 繋がっているだけで波のように押し寄せる快感で、香坂はおかしくなりそうだった。
 トロけてしまった意識も丸ごと、奥まで突いて擦ってめちゃくちゃにかき混ぜて欲しい。
 熱のこもった目で納見を見つめると、納見はごくりと喉を鳴らして、香坂の背に手を回してゆっくりと繋がったままシーツの上に寝かせた。

「もうお顔がトロトロだね。もっと……いっぱい気持ち良くしてあげる」

「んっあああっっ!!」

 香坂の足を持ち上げた納見は、一度引き抜いてから、一気に深いところまで貫くように腰を打ち付けた。

「ああ……あぁぁ……こんな……おく……」

「はっ……はぁ……すごっ、全部包まれて、ぎゅうぎゅうされて、俺のが溶けそう……気持ちいい」

 香坂を見下ろす納見の顔は、いつもの穏やかで柔和なものではなかった。
 肉食獣を思わせるギラギラとした鋭い目つきは、興奮しきっているように見えた。

「もっと……もっと、ついて……ようた」

 強すぎる快感に香坂の目には涙が溢れた。
 潤んだ視界に見えた納見の瞳は、赤く光っているように見えた。






 ◇





「はぁ……はぁ、ハァハァ……またっ……くるっっんんんっ」

 白くて艶やかな肢体を揺らしながら、終わらない絶頂に背を弓なりに反らして、香坂は白濁を放った。
 一度始めたら終わらない。
 香坂の全てを貪り食うように、納見は体の奥まで求め続けた。
 何度目かに香坂が果てたのを感じたら、納見も限界になって、最奥に熱を放った。

 なんとか意識を繋いできたのだろう。
 納見の熱を腹の奥で感じたのか、香坂はフッと糸が切れたように納見の胸に崩れ落ちてきた。

「仁……好きだよ。すごい、気持ちよかった」

「ん………れ、も」

 ずっとこのまま繋がって、淫らな時間に耽っていたいのだが、遠くから歓声の音が聞こえてきて、どうやら後夜祭がスタートしたのだと気がついた。
 教師の手伝いは午前中までとなっているので、午後の手伝いは強制ではないのだが、時間を忘れて没頭してしまったのだと気がついた。

「ああ……、もう暗くなってきたね。何時間ヤってたんだろう。これは怒られそうだ」

「……んっ、うちもだ。このシーツも洗わないといけないし、俺が気分が悪くて吐いたことにしよう」

「二人とも汚れちゃったね。まさかこんなことになるとは……。でも……仁が可愛過ぎて、すごい興奮したし……その、アレは……よ、良かった」

「ふふっ……俺も」

 いつも以上に興奮して我を忘れてしまったが、香坂もそうだったようで、二人で顔を見合わせて笑ってしまった。

 手洗い場で水を借りて、体を綺麗にした後、汚れたものをまとめて持ち帰ることにした。
 保健室には着替え用のジャージが何点か置いてあったので、二人でそれを借りることにした。

「ほら、胃腸炎とかが流行すると、ここで吐いちゃう生徒が多くて、俺も何枚か寄付したんだ。これも洗濯して返そう。保健の先生には俺から言っておくから」

 荷物を持って立ち上がった香坂は、まだ足に力が入らなくてフラついていた。
 慌てて近寄った納見が、香坂を支えた。

「陽太、この後は……教室に戻る?」

「そうだね、片付けは月曜日だけど、今日の売り上げとか会計に報告しないと」

「俺もいったん戻るんだけどさ……、ええと……その……」

 保健室を出た香坂は、何か言いかけて目を泳がせた後、口元をもごもごと動かしていた。

「クラスの方が終わったらさ……、いつもの……準備室に来てくれないか?」

「ああ、花火? そっか、あの部屋からよく見えるって話したよね。いいよ」

 学園祭の後半、出店や出し物の時間が終わると、後夜祭がスタートする。
 運動場に特設ステージができていて、クラシックの生演奏や、カラオケやダンスなどのイベントが開催される。
 そして名物になっているのが花火で、小規模なものだが、業者を呼んでいて祭りのフィナーレとしてみんなが楽しみにしている。

 香坂は生徒に混じって会場で毎年見ていたらしいが、納見は後夜祭には参加せず仕事をしていることが多かった。
 その時、準備室から花火がよく見えることが分かって、それから毎年一人で見ていた。
 その話をした時に、香坂は前のめりになって聞いていた。

 よほど花火が好きなんだなと思いながら、納見が了承すると、香坂は良かったと言って笑ったが、やけに緊張したような様子が気になった。
 詳しく聞こうかと思ったが、教室に戻る途中に生徒に見つかった香坂は、また後でと言って生徒達に連れられて行ってしまった。


 クラスに戻った納見は報告を聞いて、本部に提出する書類を集めて、簡単に片付けをすることになった。
 ふと自分の鞄の中に入れていた包みが目に入って、息を飲み込んだ後、それをポケットに入れた。
 運動場の方はすっかり盛り上がっていた。
 楽しげな音楽が流れていて、歌声まで聞こえてきた。
 緊張していた様子の香坂の横顔を思い出しながら、納見もまた緊張してしまい、早く香坂の元へ向かおうと仕事の手を早めた。






 ◇□□
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