家族もチート！？な貴族に転生しました。

第３章

50話 嫌な予感

嫌な予感



「それでは、次の実技試験となります。今度は、魔法の発射速度及び強度を調べるので、順番にあの的に向かって魔法を撃ってください。」
それから、順番に撃っていったのだが、なぜかシオンとラウルは後回しにされた。
「貴方たちが、本気でやって的が壊れてしまうと他の子たちが出来なくなってしまうからね。」
そういう事らしい。みんなが終わるのを待って、やっとシオンたちの番になった。


「それでは、次の人魔法をどうぞ。」
許可が出たところで魔法を放った。すると、四方八方から悲鳴や驚きの声が上がった。教師の顔を見ると教師も驚愕だったようで、顎が外れそうだった。いったい何に驚いているのだろう。さすがに強く撃ちすぎたのかな、それとも、的を壊したのはだめだったのかな？
「無詠唱だと！？そんなバカな！それに、あの的は校長でも壊すことが出来なかったはずだぞ！？ほんと何者なんだ？」
なんと、どっちもだったようだ。ちなみに、ラウルも無詠唱で魔法を撃つことが出来る。

さて、すっきりしたところで、次の試験だ。次は実技の最後の試験で、武体術の試験だ。
これは、魔法なしで騎士団の人と戦う試験で、今までで騎士団の人を倒すことが出来たのは、アルフレッドとグレンだけだった。エミリアと、グロスは魔法メインだから仕方ないかもしれないが、公爵家には凄い人材が集まっていることが十分にわかる。
シオンと戦うのは第一騎士団の人らしい。王都には、第一～第十二までの騎士団があり、数が小さい方が強くなる。特に第一騎士団は、他とは別格でエリートのみで構成されているいわば精鋭部隊らしい。
それで、そんなすごい人がなぜこんなとこにいるのかと疑問に思う人もいると思うが絶対に、ブレイブかアルフレッドの仕業だろう。というか、グルだろうな。後で、問い詰めてやろう。
と試験中に考えるシオンだった。

「それでは、順番に騎士の人と戦ってもらいます。それではお願いします。」

それから、1番から順番に始まったのだが、何も面白いことはなかったので結果だけ言うと騎士の圧勝。それもそのはず、相手は7歳児だ。7歳児に負けるなど騎士団の恥だろう。ただ、第一騎士団はエリート集団ではあるらしいが、人間として終わっているかもしれないな、そう感じた理由は明らかに7歳児相手に遊んでいるからだ。それも、ニヤニヤしながら。そして、例のごとくシオンとラウルは後回しにされた。
そして、とうとうラウルの出番となった。

「じゃあ、行ってくるわ！」
そう言って、ラウルは騎士のもとに向かった。シオンは正直いやな予感がしていた。それも、絶対に何かあると思うほどに強く何処までも嫌な予感が。





そして、その嫌な予感は騎士とラウルとの戦いの最中に起ってしまうのだった。
「それでは、始めてください。」

その合図で、両者が同時に動き出した。