72 / 167
魔剣使いの闘い~ロットン編
ep72 魔剣使いvs魔銃使い③
しおりを挟む
「オイ、あれってまさか......」
「そ、そうだぜ。あれは......」
「す、スゲェ!」
「ああ!初めて生で見たぜ!」
後ろからトレブルとブーストの驚嘆が届いた。
「トレブルさんとブーストさんは、今のが何かわかるんですか?」
今度はシヒロの声。
「ありゃあたぶん〔発閃〕だ」
「オイ嬢ちゃん、魔剣使いのダンナはマジで何モンなんだ?」
「ぼ、ぼくも知りたいぐらいです......」
どうやら物知りのシヒロでも〔発閃〕は知らないようだ。
トレブルとブーストが知っていたのは意外だが。
『実戦では初でしたが、うまくいったようですね』
『ああ。まだ〔溜め〕が必要ではあるが』
『現時点では充分です』
謎の声はそう言うが、まだまだ自在に使いこなすには至っていない。
それだけ〔発閃〕とは高度な技術。
『その昔、ある武術家が編み出したとされる〔発閃〕。彼はその技で、遠距離攻撃にまさる魔術師相手にも己の拳のみで全く引けを取らない闘いを演じたと言われている。
その戦いの構図は「剣対銃」ともぴったり当てはまります。とても良い判断ですよ、クロー様』
『そいつはどうも』
『〔発閃〕は魔力ではなく闘気に由来しますが、魔導剣士の使うは魔法を斬り裂き肉薄する唯一無二の〔魔斬発閃〕。
クロー様。魔銃如きに手をこまねいている場合ではありません。弾丸ごと斬り裂いてやるのです』
『簡単に言いやがって』
俺が再び相手に剣尖を立てると、両腕を下ろしたシヴィスが低い声で口をひらく。
「魔剣使い。テメー、そんな技まで使いやがんのか」
顔からは不敵な笑みが消えていた。
「これで中遠距離もお前が有利というわけではなくなった。覚悟しろ、シヴィス」
「魔剣使い。実力は認めてやる。オイ!トレブル!ブースト!何やってやがる!テメーらもちったあ役に立ちやがれ!」
もはや完全に観客となりきっている部下二人にシヴィスは怒鳴った。
「シ、シヴィスさん!で、でも!」
「おれたちじゃあその戦いにはついていけねえっすよ!」
「肉の壁くらいにはなれんだろうが!」
「そ、そんな!」
「か、勘弁してください!」
「ならそのガキをこっちへ連れて来い!魔法使えんなら何かの役に立つ。ゲインも死んじまったしな」
トレブルとブーストは互いに顔を見合わせてから、不安そうな表情を浮かべるシヒロに視線を運んだ。
「く、クローさん」
シヒロは訴えかけるような視線を俺に送ってきた。
俺はシヒロには目をくれずトレブルとブースに向かって、
「どうするのが得なのか、冷静に考えろ」
とだけ言い捨てた。
なぜ奴ら自身に選択権を与えるのか?
己自身に決断させた方がその後がうまくいくからだ。
力で強制したところで、さらなる強制が他から働けば容易にそちらへ従ってしまうだろう。
そして、選択を迫るには絶好のタイミング。
『まず武力で制してから傷を癒やし恩を着せ、稀有な〔発閃〕を披露してから選択を迫る。どうやら貴方は良い意味でワタクシの予想とは違う形で成長しているようですね』
『もしアイツらがシヒロに手を出そうしたらその時は頼むぞ』
『そしてワタクシで保険もかけると。ふむ。狡猾でよろしい』
『おほめにあずかりどうも』
結局、トレブルとブーストは動いていない。
動けないのだろう。
それはシヴィスも同様だ。
「......」
ヤツもよくわかっている。
もし今の状況でトレブルやブーストに手を出そうとすると俺に対して隙が生まれる。
その瞬間、俺にやられてしまうかもしれないからだ。
「チッ!まあいい。今度こそテメーを撃ち殺す」
シヴィスは部下たちを諦め、銃口を俺に向けた。
「今度こそ、斬る」
俺も剣を構えた。
「そ、そうだぜ。あれは......」
「す、スゲェ!」
「ああ!初めて生で見たぜ!」
後ろからトレブルとブーストの驚嘆が届いた。
「トレブルさんとブーストさんは、今のが何かわかるんですか?」
今度はシヒロの声。
「ありゃあたぶん〔発閃〕だ」
「オイ嬢ちゃん、魔剣使いのダンナはマジで何モンなんだ?」
「ぼ、ぼくも知りたいぐらいです......」
どうやら物知りのシヒロでも〔発閃〕は知らないようだ。
トレブルとブーストが知っていたのは意外だが。
『実戦では初でしたが、うまくいったようですね』
『ああ。まだ〔溜め〕が必要ではあるが』
『現時点では充分です』
謎の声はそう言うが、まだまだ自在に使いこなすには至っていない。
それだけ〔発閃〕とは高度な技術。
『その昔、ある武術家が編み出したとされる〔発閃〕。彼はその技で、遠距離攻撃にまさる魔術師相手にも己の拳のみで全く引けを取らない闘いを演じたと言われている。
その戦いの構図は「剣対銃」ともぴったり当てはまります。とても良い判断ですよ、クロー様』
『そいつはどうも』
『〔発閃〕は魔力ではなく闘気に由来しますが、魔導剣士の使うは魔法を斬り裂き肉薄する唯一無二の〔魔斬発閃〕。
クロー様。魔銃如きに手をこまねいている場合ではありません。弾丸ごと斬り裂いてやるのです』
『簡単に言いやがって』
俺が再び相手に剣尖を立てると、両腕を下ろしたシヴィスが低い声で口をひらく。
「魔剣使い。テメー、そんな技まで使いやがんのか」
顔からは不敵な笑みが消えていた。
「これで中遠距離もお前が有利というわけではなくなった。覚悟しろ、シヴィス」
「魔剣使い。実力は認めてやる。オイ!トレブル!ブースト!何やってやがる!テメーらもちったあ役に立ちやがれ!」
もはや完全に観客となりきっている部下二人にシヴィスは怒鳴った。
「シ、シヴィスさん!で、でも!」
「おれたちじゃあその戦いにはついていけねえっすよ!」
「肉の壁くらいにはなれんだろうが!」
「そ、そんな!」
「か、勘弁してください!」
「ならそのガキをこっちへ連れて来い!魔法使えんなら何かの役に立つ。ゲインも死んじまったしな」
トレブルとブーストは互いに顔を見合わせてから、不安そうな表情を浮かべるシヒロに視線を運んだ。
「く、クローさん」
シヒロは訴えかけるような視線を俺に送ってきた。
俺はシヒロには目をくれずトレブルとブースに向かって、
「どうするのが得なのか、冷静に考えろ」
とだけ言い捨てた。
なぜ奴ら自身に選択権を与えるのか?
己自身に決断させた方がその後がうまくいくからだ。
力で強制したところで、さらなる強制が他から働けば容易にそちらへ従ってしまうだろう。
そして、選択を迫るには絶好のタイミング。
『まず武力で制してから傷を癒やし恩を着せ、稀有な〔発閃〕を披露してから選択を迫る。どうやら貴方は良い意味でワタクシの予想とは違う形で成長しているようですね』
『もしアイツらがシヒロに手を出そうしたらその時は頼むぞ』
『そしてワタクシで保険もかけると。ふむ。狡猾でよろしい』
『おほめにあずかりどうも』
結局、トレブルとブーストは動いていない。
動けないのだろう。
それはシヴィスも同様だ。
「......」
ヤツもよくわかっている。
もし今の状況でトレブルやブーストに手を出そうとすると俺に対して隙が生まれる。
その瞬間、俺にやられてしまうかもしれないからだ。
「チッ!まあいい。今度こそテメーを撃ち殺す」
シヴィスは部下たちを諦め、銃口を俺に向けた。
「今度こそ、斬る」
俺も剣を構えた。
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる