108 / 164
第八章 莢迷
瞳に映る者
しおりを挟む
玄華と千玄が北宮へ行っている間に、先に西宮へ行っていた柊虎が女宿に戻り、その日に交代で東宮へ向かった蒼万は、翌日の夕方には戻ってきた。同日に玄華達も戻り、四人は志瑞也が意識を失って四日目の夜を迎えた。
蒼万と柊虎は既に宗主に指示を伝え終え、解決する迄は同行すると玄華に伝える。玄華も今の志瑞也の状態を考えると、二人がいた方が良いと安堵した。玄武洞の惨事に観玄は直ぐに手配するも、洞内の浄化や山を整えるのに三日もかかった。甲斐は志瑞也の手荷物を咥え甲羅にり閉じ籠り、甲哉も玄華のいうことを聞かず、仕方なく二匹は玄武洞に置いてきたと玄華は説明した。
蒼万と柊虎は外で見張りをしていた。
「お前顔色は戻っているようだが、体調は大丈夫なのか?」
「馬があって助かった、恩に着る」
柊虎は頷くか、良くて「大丈夫だ」と返事が返って来ると思っていた。弱った姿を見せるなど、以前の蒼万からは考えられない。なりふり構っていられない程、追い詰められていたのだろう。そう言った蒼万の言葉は、柊虎への信頼が込められていた。
「構わないさ、だがお前が、私と志瑞也を二人にするとは思わなかった…」
「お前はもう手は出せない」
「そうか…」
蒼万が頷き、柊虎は軽く笑う。
「蒼万様っ、柊虎様っ、いらして下さいっ!」
宿屋の中から千玄が二人を呼んだ。
二人は直ぐさま中に駆け込む。寝床では志瑞也が眉間に皺を寄せ、頭を横に振り、体をもぞもぞと動かしていた。側へ寄ろうとする蒼万の腕を、柊虎は掴んで「待て」目で訴える。側には玄華が座り、手を握り頬を優しくなでていた。蒼万はそれ見ながら拳を握りしめる。志瑞也の瞼が少しずつ開き、眩しそうに目を窄めた。
「ここは…」
ゆっくり瞬きをしながら瞳を動かす。
「…母上?」
「黄怜っ… は…母ですよっ」
「母上?… 母上っ、ううっ…母上っ!」
黄怜が両腕を玄華に伸ばして抱きつく。
「黄怜っ…ううっ… 黄怜っ会いたかったわ…」
「母上っ、私もです…ううっ…」
蒼万が柊虎の手を振り払って部屋を出て行く。
「蒼万っ!」
柊虎は蒼万を追いかけた。
「蒼万っ、待てっ」
「うるさいっ わかっているっ……」
蒼万は誰よりも願ったはずだ。最初に自分の名を呼び、あの手が差し伸べられるのを。蒼万はうつむきながら拳を震わせている。一人残された男の背中は、とても悲しく泣いているように見えて、柊虎は何も言うことができなかった。
その夜、蒼万と柊虎は宿屋の中には入らず、外で見張りをするも、会話をすることはなかった。
玄華と黄怜は寝床に座り、玄華は血の謎を全て黄怜に話した。「こ…黄虎は今は…」泣きながら言葉を詰まらせる黄怜に、玄華は肩を抱き寄せ「大丈夫よ黄怜、黄虎もしっかり向き合っているわ」微笑む。
黄怜は残された者の苦しみを知り、あの日、一瞬でも解放されたと思った自分を叩きたくなった。何か起こると分かっていて、誰にも言わなかったのは自分も同じだ。今更、妖魔が九虎と繋がっていたとは思わなかったと言っても、意味はない。確証の無いまま九虎を疑えば、身内で揉め事が起き、黄虎と引き離されると思った。多くを諦め、黄虎までなんて耐えられない。全ては自分の我儘が、結果的に黄虎を追い詰めてしまっていたのだ。
「祖父上や、曾祖父上は?」
「あなたが亡くなった二年後に義父上が亡くなり、その三年後に義祖父上も亡くなったわ」
「そう…だったのですね」
「志瑞也のことは何処まで?」
黄怜は胸に手をあてる。
「志瑞也が強く感じた記憶を、共有しています」
「志瑞也が意識を失う前に、私を見て錯乱状態になったのは、分かる?」
黄怜はうつむきながら言う。
「はい…玄一の死に、志瑞也はとても混乱していました。志瑞也の悲痛は、私にも伝わるほどでした…」
黄怜は顔を上げ玄華を見て言う。
「はっ…母上はもう、お気付きかもしれませんが…」
「黄怜…(言わないで)」
玄華が顔を横に振り、黄怜は頷き尋ねる。
「先程はあまり見えなかったのですが、ここには母上と千玄以外にも誰かいるのですか?」
「蒼万と柊虎よ」
「そっ蒼万…と柊虎が? 何故です?」
「あなたを守るためよ…」
玄華から二人の話を聞いている内に、黄怜の中の志瑞也の記憶が繋がっていく。
「今回の事で、義母上は内密に集会を開くと五神家に通達を出したわ」
「祖母上が? いつですか?」
「三日後よ」
黄怜は少し間を置いて言う。
「…では明日ここを発って、私達も集会に参加しましょう」
「…よいの?」
「はい、私は大丈夫です」
「……わかったわ、では明日に備えて今日はもう休みなさい」
「はい…」
黄怜は寝床から立ち上った玄華の手を掴む。
「母上、一緒に…寝たいです」
玄華は微笑んで頷き、二人は寝床に向かい合って横になる。
玄華は黄怜の頭をなでながら言う。
「黄怜、霊魂の転生なら本来性別は同じはずよ(何故男子に?)」
「私が望んだのです」
「そうだったの…(何故?)」
「男子であれば… 父上と…母上に… 心配かけなかったと…」
黄怜は声を震わせる。
「黄怜…他には?(本当にそれだけ?)」
「だ…男子であれば… 友と一緒に戦い…競い合えたと…」
「そう… 想い人は?(いたのでしょ?)」
「いっ…いました… 男子であれば友として彼に会いに行けて… 側にいれると…」
「きっと素敵な人なのね…(友でよいの?)」
玄華の声も震えていた。
「で…でも…やっぱり… 女子として彼に想われたくて… 側にいたくて…ううっ…想いを伝えたくて…」
涙を横に流す黄怜を、玄華がそっと抱き寄せる。
「辛かったわね…(幸せを奪ってしまって…ごめんなさい…)」
「いいえ…母上… それでも私は…ううっ…幸せでした… 父上と母上に愛されて… とても幸せでした…」
「あ…ありがとう…黄怜… いい子…本当にあなたは… あの人によく似ているわ…(黄一と同じ目をしているわ…)」
黄怜は玄華にしがみつく。
「は…母上… ううっ…独りにしてしまって… ううっ…ご…ごめんなさい……」
「黄怜…」
玄華は再び腕に抱く我が子の温もりに、二度と失わないよう強く抱きしめる。胸に顔を埋める黄怜の姿は、幼い頃と変わらず愛しい。二人の涙を止められる者は、もうこの世にはいない。玄華は黄怜の頬に、慈しみの口づけをする。母からの〝おまじない〟はとても優しく、黄怜は止まらない涙を流した。
翌日、五人は中央宮に向かう支度をした。
黄怜は蒼万と柊虎に話しかける。
「久し振りね、二人共色々とありがとう」
「黄怜…無理しなくてよいのだぞ(本当に、黄怜なのだな…)」
「大丈夫よ」
そう言って、黄怜は気遣う柊虎に微笑むが、蒼万は黙ったままだ。
「蒼万、あの日、黄虎と私を助けてくれてありがとう」
「…(志瑞也)」
蒼万が眉間に皺を寄せる。
「おいっ蒼万っ(…ったく)」
黄怜は微笑みながら言う。
「柊虎いいのよ。蒼万、一つ聞いていいかしら?」
「何だ…(何だ)」
「あの日、何故直ぐ来れたの?」
「私が見つけた妖魔が急に走り出した(追いかけたまでだ)」
「そうだったのね」
黄怜は微笑む。
「…(しゃ、喋り方が…)」
「…(志瑞也はそんな話し方はしない)」
「どうしたの? 二人共変な顔してるわよアハハ」
「いっいや、なんかその喋り方が慣れなくて…なっ? 蒼万(お前もだろ?)」
「私は向こう行ってる(勝手にしろ)」
蒼万は立ち去る。
「黄怜、蒼万のことは気にするな(あいつ…)」
「柊虎は今も変わらないのね」
「そっ…そうか?ハハハ(喋り方に慣れなければ…)」
柊虎は顔を引き攣らせた。
蒼万と柊虎は既に宗主に指示を伝え終え、解決する迄は同行すると玄華に伝える。玄華も今の志瑞也の状態を考えると、二人がいた方が良いと安堵した。玄武洞の惨事に観玄は直ぐに手配するも、洞内の浄化や山を整えるのに三日もかかった。甲斐は志瑞也の手荷物を咥え甲羅にり閉じ籠り、甲哉も玄華のいうことを聞かず、仕方なく二匹は玄武洞に置いてきたと玄華は説明した。
蒼万と柊虎は外で見張りをしていた。
「お前顔色は戻っているようだが、体調は大丈夫なのか?」
「馬があって助かった、恩に着る」
柊虎は頷くか、良くて「大丈夫だ」と返事が返って来ると思っていた。弱った姿を見せるなど、以前の蒼万からは考えられない。なりふり構っていられない程、追い詰められていたのだろう。そう言った蒼万の言葉は、柊虎への信頼が込められていた。
「構わないさ、だがお前が、私と志瑞也を二人にするとは思わなかった…」
「お前はもう手は出せない」
「そうか…」
蒼万が頷き、柊虎は軽く笑う。
「蒼万様っ、柊虎様っ、いらして下さいっ!」
宿屋の中から千玄が二人を呼んだ。
二人は直ぐさま中に駆け込む。寝床では志瑞也が眉間に皺を寄せ、頭を横に振り、体をもぞもぞと動かしていた。側へ寄ろうとする蒼万の腕を、柊虎は掴んで「待て」目で訴える。側には玄華が座り、手を握り頬を優しくなでていた。蒼万はそれ見ながら拳を握りしめる。志瑞也の瞼が少しずつ開き、眩しそうに目を窄めた。
「ここは…」
ゆっくり瞬きをしながら瞳を動かす。
「…母上?」
「黄怜っ… は…母ですよっ」
「母上?… 母上っ、ううっ…母上っ!」
黄怜が両腕を玄華に伸ばして抱きつく。
「黄怜っ…ううっ… 黄怜っ会いたかったわ…」
「母上っ、私もです…ううっ…」
蒼万が柊虎の手を振り払って部屋を出て行く。
「蒼万っ!」
柊虎は蒼万を追いかけた。
「蒼万っ、待てっ」
「うるさいっ わかっているっ……」
蒼万は誰よりも願ったはずだ。最初に自分の名を呼び、あの手が差し伸べられるのを。蒼万はうつむきながら拳を震わせている。一人残された男の背中は、とても悲しく泣いているように見えて、柊虎は何も言うことができなかった。
その夜、蒼万と柊虎は宿屋の中には入らず、外で見張りをするも、会話をすることはなかった。
玄華と黄怜は寝床に座り、玄華は血の謎を全て黄怜に話した。「こ…黄虎は今は…」泣きながら言葉を詰まらせる黄怜に、玄華は肩を抱き寄せ「大丈夫よ黄怜、黄虎もしっかり向き合っているわ」微笑む。
黄怜は残された者の苦しみを知り、あの日、一瞬でも解放されたと思った自分を叩きたくなった。何か起こると分かっていて、誰にも言わなかったのは自分も同じだ。今更、妖魔が九虎と繋がっていたとは思わなかったと言っても、意味はない。確証の無いまま九虎を疑えば、身内で揉め事が起き、黄虎と引き離されると思った。多くを諦め、黄虎までなんて耐えられない。全ては自分の我儘が、結果的に黄虎を追い詰めてしまっていたのだ。
「祖父上や、曾祖父上は?」
「あなたが亡くなった二年後に義父上が亡くなり、その三年後に義祖父上も亡くなったわ」
「そう…だったのですね」
「志瑞也のことは何処まで?」
黄怜は胸に手をあてる。
「志瑞也が強く感じた記憶を、共有しています」
「志瑞也が意識を失う前に、私を見て錯乱状態になったのは、分かる?」
黄怜はうつむきながら言う。
「はい…玄一の死に、志瑞也はとても混乱していました。志瑞也の悲痛は、私にも伝わるほどでした…」
黄怜は顔を上げ玄華を見て言う。
「はっ…母上はもう、お気付きかもしれませんが…」
「黄怜…(言わないで)」
玄華が顔を横に振り、黄怜は頷き尋ねる。
「先程はあまり見えなかったのですが、ここには母上と千玄以外にも誰かいるのですか?」
「蒼万と柊虎よ」
「そっ蒼万…と柊虎が? 何故です?」
「あなたを守るためよ…」
玄華から二人の話を聞いている内に、黄怜の中の志瑞也の記憶が繋がっていく。
「今回の事で、義母上は内密に集会を開くと五神家に通達を出したわ」
「祖母上が? いつですか?」
「三日後よ」
黄怜は少し間を置いて言う。
「…では明日ここを発って、私達も集会に参加しましょう」
「…よいの?」
「はい、私は大丈夫です」
「……わかったわ、では明日に備えて今日はもう休みなさい」
「はい…」
黄怜は寝床から立ち上った玄華の手を掴む。
「母上、一緒に…寝たいです」
玄華は微笑んで頷き、二人は寝床に向かい合って横になる。
玄華は黄怜の頭をなでながら言う。
「黄怜、霊魂の転生なら本来性別は同じはずよ(何故男子に?)」
「私が望んだのです」
「そうだったの…(何故?)」
「男子であれば… 父上と…母上に… 心配かけなかったと…」
黄怜は声を震わせる。
「黄怜…他には?(本当にそれだけ?)」
「だ…男子であれば… 友と一緒に戦い…競い合えたと…」
「そう… 想い人は?(いたのでしょ?)」
「いっ…いました… 男子であれば友として彼に会いに行けて… 側にいれると…」
「きっと素敵な人なのね…(友でよいの?)」
玄華の声も震えていた。
「で…でも…やっぱり… 女子として彼に想われたくて… 側にいたくて…ううっ…想いを伝えたくて…」
涙を横に流す黄怜を、玄華がそっと抱き寄せる。
「辛かったわね…(幸せを奪ってしまって…ごめんなさい…)」
「いいえ…母上… それでも私は…ううっ…幸せでした… 父上と母上に愛されて… とても幸せでした…」
「あ…ありがとう…黄怜… いい子…本当にあなたは… あの人によく似ているわ…(黄一と同じ目をしているわ…)」
黄怜は玄華にしがみつく。
「は…母上… ううっ…独りにしてしまって… ううっ…ご…ごめんなさい……」
「黄怜…」
玄華は再び腕に抱く我が子の温もりに、二度と失わないよう強く抱きしめる。胸に顔を埋める黄怜の姿は、幼い頃と変わらず愛しい。二人の涙を止められる者は、もうこの世にはいない。玄華は黄怜の頬に、慈しみの口づけをする。母からの〝おまじない〟はとても優しく、黄怜は止まらない涙を流した。
翌日、五人は中央宮に向かう支度をした。
黄怜は蒼万と柊虎に話しかける。
「久し振りね、二人共色々とありがとう」
「黄怜…無理しなくてよいのだぞ(本当に、黄怜なのだな…)」
「大丈夫よ」
そう言って、黄怜は気遣う柊虎に微笑むが、蒼万は黙ったままだ。
「蒼万、あの日、黄虎と私を助けてくれてありがとう」
「…(志瑞也)」
蒼万が眉間に皺を寄せる。
「おいっ蒼万っ(…ったく)」
黄怜は微笑みながら言う。
「柊虎いいのよ。蒼万、一つ聞いていいかしら?」
「何だ…(何だ)」
「あの日、何故直ぐ来れたの?」
「私が見つけた妖魔が急に走り出した(追いかけたまでだ)」
「そうだったのね」
黄怜は微笑む。
「…(しゃ、喋り方が…)」
「…(志瑞也はそんな話し方はしない)」
「どうしたの? 二人共変な顔してるわよアハハ」
「いっいや、なんかその喋り方が慣れなくて…なっ? 蒼万(お前もだろ?)」
「私は向こう行ってる(勝手にしろ)」
蒼万は立ち去る。
「黄怜、蒼万のことは気にするな(あいつ…)」
「柊虎は今も変わらないのね」
「そっ…そうか?ハハハ(喋り方に慣れなければ…)」
柊虎は顔を引き攣らせた。
1
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
からっぽを満たせ
ゆきうさぎ
BL
両親を失ってから、叔父に引き取られていた柳要は、邪魔者として虐げられていた。
そんな要は大学に入るタイミングを機に叔父の家から出て一人暮らしを始めることで虐げられる日々から逃れることに成功する。
しかし、長く叔父一族から非人間的扱いを受けていたことで感情や感覚が鈍り、ただただ、生きるだけの日々を送る要……。
そんな時、バイト先のオーナーの友人、風間幸久に出会いーー
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
宰相様は抱き枕がほしい【完結】
うなきのこ
BL
イグニバイル国に仕える宰相のハイドラ•アルペンジオ。
国王や王子たちからの無茶振りを全てそつなく熟す手腕を持つ宰相ハイドラは、今までの無理が祟り倒れるがそれを支えたのはーー
抱き枕(癒し)が欲しい宰相様のお話
※R指定
設定ざっくりですので、なんとなくの関係性だけで読めると思います。
小説はほぼ初めてですので拙い文章ですが、どうかお手柔らかに
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる