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水の都ルーセント編
エリアルの滝③
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俺とレグルス以外は。
その言い方だと、俺とレグルスだけは別件で呼ばれたことになる。
それにヴィエントの言い方するに、彼女は原初の神側の者だ。
とすると、俺達二人を呼んだのは三女神ではないだろう。
「・・・俺達を呼んだのは原初の神なのか?」
『ええ。貴方方二人を呼んだ──いえ、留めようとしたのは原初の神です』
留めようと? なるほど、それでレグルスはそのままこちらに取り残されたのか。
『彼女は消滅する寸前、残った力で貴方方を留めようとしました。力が弱かったせいか、一人ずつでしか力を使うことができず、ノア──貴方の方は力が足りず、我々精霊王が力を貸すことで呼び戻すと言う形になりました』
「なるほど。だが、俺達二人を留めようとした理由は? プレイヤー達が三女神の後始末として呼び戻されたのならば、俺達はどんな理由で留めようとした?」
『それが、今回私がここに顕現した理由でもあります。貴方方二人を留めようとした理由は彼女──原初の神プリミティスを復活させ、世界を救うためです』
・・・なんだか話が壮大になってきたな。
「でも、復活させるって言っても死んじゃったんでしょ? どうするの?」
今まで黙っていたカプリスが、ヴィエントに疑問を投げ掛ける。
確かにそうだ。原初の神であるプリミティスは三女神によって殺された。
力の欠片を残して。
『今から説明させていただきます。ノア。貴方はこれまでに二体の異形の神──神生物を倒しましたね?』
「神生物? あの鮫とクリフォトのことか?」
『ええ。あれらは原初の神の力によって魔物が姿を変えた偽りの神。神に等しい力を持つあれらを、我々は神生物と呼ぶことにしました』
つまり、あれは元々ただの魔物だったのか。
原初の神の力を取り込んだことにより姿を変えてしまったと。
「確かに、俺達はその神生物とやらを二体倒した」
『では、力の欠片を入手していますね?』
「ああ。これのことだろ?」
俺は頷き、アイテムボックスから原初の神の力片を取り出す。
『それです。その欠片を全て集め、ユグドラシルの頂上──ッ!?』
ヴィエントが言葉を紡ごうとした所で、彼女は驚いたような表情をしたあと、掻き消えた。
『逃げられたか』
直後、彼女のいた場所に灰色の翼を背に持つ男のフリューゲルが現れる。
『余計なことを・・・。騙されるなプレイヤー。原初の神は邪なる神だ。覚えておけ』
こちらに振り向きそう告げると、彼は飛び去っていった。
「なんなんだよ一体・・・」
一連のことに混乱してきた。
「あの言い方をするに三女神の味方だろうね」
「ああ。にしても、原初の神が邪ねぇ」
三女神の映像を見たあとだから何とも言えないな。
「お前らはどう思う?」
「うちは復活させた方がいいと思う」
「私もカプリスの意見に賛成です」
『どちらが本当かわからないのならば、やるだけやるしかないだろう』
『ですね。どちらが敵にせよ、主がいますし』
いや、さすがに神殺しは無理だと思うぞ。
「まぁいいや。俺も復活させる方に賛成だ。あの映像を見たあとではあいつ等は信用できないしな」
「だよね~」
俺の言葉に苦笑いを浮かべるカプリス。
カプリスは映像を見ていないが、話しはしてあるので、彼女としても三女神は信用できないようだ。
「とにかく先を急ぐことにしよう。オリジンホエールを仲間にできればいい移動手段になる。神生物もすぐに探せるだろう」
『もはやオリジンを乗り物としか考えてないのだな』
『どんどん乗ってください! いえ、踏んでください!!』
二匹がなんか言っているが無視。
「移動の準備が終わったら進むぞ」
「あいさー!」
「わかりました」
カプリスとリーリスは、俺の指示通り準備を始めた。
『移動の前にもう少し飯をくれ』
「腹ペコわんこめ」
適当に肉を投げ渡して、俺も移動の準備をすることにした。
───────────────────────
お読みいただきありがとうございます。
少し短いですが、エリアルの滝の話は終わりです。
それと、前回言っていた改稿の件ですが、プロローグから王都編を改稿しなくちゃならなそうなのでやめました。申し訳ない。
その代わり、アイテム名【原初の神の力の欠片】を【原初の神の力片】に書き換えました。
これからも応援よろしくです!
その言い方だと、俺とレグルスだけは別件で呼ばれたことになる。
それにヴィエントの言い方するに、彼女は原初の神側の者だ。
とすると、俺達二人を呼んだのは三女神ではないだろう。
「・・・俺達を呼んだのは原初の神なのか?」
『ええ。貴方方二人を呼んだ──いえ、留めようとしたのは原初の神です』
留めようと? なるほど、それでレグルスはそのままこちらに取り残されたのか。
『彼女は消滅する寸前、残った力で貴方方を留めようとしました。力が弱かったせいか、一人ずつでしか力を使うことができず、ノア──貴方の方は力が足りず、我々精霊王が力を貸すことで呼び戻すと言う形になりました』
「なるほど。だが、俺達二人を留めようとした理由は? プレイヤー達が三女神の後始末として呼び戻されたのならば、俺達はどんな理由で留めようとした?」
『それが、今回私がここに顕現した理由でもあります。貴方方二人を留めようとした理由は彼女──原初の神プリミティスを復活させ、世界を救うためです』
・・・なんだか話が壮大になってきたな。
「でも、復活させるって言っても死んじゃったんでしょ? どうするの?」
今まで黙っていたカプリスが、ヴィエントに疑問を投げ掛ける。
確かにそうだ。原初の神であるプリミティスは三女神によって殺された。
力の欠片を残して。
『今から説明させていただきます。ノア。貴方はこれまでに二体の異形の神──神生物を倒しましたね?』
「神生物? あの鮫とクリフォトのことか?」
『ええ。あれらは原初の神の力によって魔物が姿を変えた偽りの神。神に等しい力を持つあれらを、我々は神生物と呼ぶことにしました』
つまり、あれは元々ただの魔物だったのか。
原初の神の力を取り込んだことにより姿を変えてしまったと。
「確かに、俺達はその神生物とやらを二体倒した」
『では、力の欠片を入手していますね?』
「ああ。これのことだろ?」
俺は頷き、アイテムボックスから原初の神の力片を取り出す。
『それです。その欠片を全て集め、ユグドラシルの頂上──ッ!?』
ヴィエントが言葉を紡ごうとした所で、彼女は驚いたような表情をしたあと、掻き消えた。
『逃げられたか』
直後、彼女のいた場所に灰色の翼を背に持つ男のフリューゲルが現れる。
『余計なことを・・・。騙されるなプレイヤー。原初の神は邪なる神だ。覚えておけ』
こちらに振り向きそう告げると、彼は飛び去っていった。
「なんなんだよ一体・・・」
一連のことに混乱してきた。
「あの言い方をするに三女神の味方だろうね」
「ああ。にしても、原初の神が邪ねぇ」
三女神の映像を見たあとだから何とも言えないな。
「お前らはどう思う?」
「うちは復活させた方がいいと思う」
「私もカプリスの意見に賛成です」
『どちらが本当かわからないのならば、やるだけやるしかないだろう』
『ですね。どちらが敵にせよ、主がいますし』
いや、さすがに神殺しは無理だと思うぞ。
「まぁいいや。俺も復活させる方に賛成だ。あの映像を見たあとではあいつ等は信用できないしな」
「だよね~」
俺の言葉に苦笑いを浮かべるカプリス。
カプリスは映像を見ていないが、話しはしてあるので、彼女としても三女神は信用できないようだ。
「とにかく先を急ぐことにしよう。オリジンホエールを仲間にできればいい移動手段になる。神生物もすぐに探せるだろう」
『もはやオリジンを乗り物としか考えてないのだな』
『どんどん乗ってください! いえ、踏んでください!!』
二匹がなんか言っているが無視。
「移動の準備が終わったら進むぞ」
「あいさー!」
「わかりました」
カプリスとリーリスは、俺の指示通り準備を始めた。
『移動の前にもう少し飯をくれ』
「腹ペコわんこめ」
適当に肉を投げ渡して、俺も移動の準備をすることにした。
───────────────────────
お読みいただきありがとうございます。
少し短いですが、エリアルの滝の話は終わりです。
それと、前回言っていた改稿の件ですが、プロローグから王都編を改稿しなくちゃならなそうなのでやめました。申し訳ない。
その代わり、アイテム名【原初の神の力の欠片】を【原初の神の力片】に書き換えました。
これからも応援よろしくです!
応援ありがとうございます!
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