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新章:???(ネタバレ防止)
サーバールーム
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他の認証形式と組み合わせるなどの対策を施せば、コネクトバインダー単体で突破されることはないんだけど、ここはデバイス認証しか施されていなかった。
迂闊としか言えないが、それも仕方ないことかもしれない。
それほどデバイス認証の信頼性が高いのだ。
コネクトバインダーを通じて、セキュリティ側が求めているデバイスの個人情報を取得。
それを元にデータを複製セキュリティ側に送信する。
「よし、開いた開いた」
所要時間は一分ほど。
使用したのはコネクトバインダーとデバイス、それとコネクトバインダーを接続している小型の端末のみ。
たったそれだけで強固とされていたセキュリティを突破することに成功した。
照明は灯っていないが、サーバーは動作している。
予想通り、サーバールームにも電力供給が行われているようだ。
作業を始める前に監視カメラの無力化する。
幸い、通路の監視カメラと同じく機能停止している。
映らないように気を遣う必要がなかったので、すぐに終わらせることができた。
これで電力が回復しても僕の姿が映ることはない。
管理用のコンソールがあったので、それに準備してきた大容量の記憶媒体を二つ接続する。
一つはデータが破損した場合のバックアップだ。
手持ちの中で最も容量が大きい物を使うが、ここのデータ全てをコピーするには容量が足りない。
サーバーと携帯用記録媒体ではサイズが違い過ぎるのだ。
サーバーに保存されているデータの全てが有益な情報じゃない。
健康診断の結果とか給料明細なんていらない。
コピーするデータを選り分けなくてはならない。
でも、データは膨大。人力で選別する時間はない。
そこでフィルターを使用する。
キーワードなどの条件を設定し、重要度が高い確率が大きいファイルを選り分ける。
フィルターに使用するキーワードはすでに決めてある。
女王、シルフィード、巫女、空魔などなど。
コンソールの処理能力は高いので、選別しながらコピーさせても動作が重くなることはなかった。
「一つに収まればいいんだけど」
勿論、予備は用意してあるが、一つに収まった方がいい。
データが多いとそれだけコピーに時間がかかる。それに記録媒体自体もタダではないし。
選別とコピーをさせている間、ルイ君を探す。
「見つけた」
昨日、島民を逮捕した記録を見つけた。
昨日統合軍に逮捕された人間はいない。
人数も一致している。これで間違いない。
捕縛の理由も取ってつけたようなもので、空欄を適当に埋めた感じがする。
こんなのがまかり通るとは。この基地の腐敗は相当なモノだと思う。
監禁されている場所の特定することができた。
第二営倉に収容されているらしい。
サーバー内の監視カメラの記録を確認すると、ルイ君たちの姿を確認できた。
「急いでよかった」
彼らは三日後、どこかへ移送されることが決まっていた。
悠長に準備をしていたら、手遅れになるところだった。
気になるのはその移送先。何も書かれていない。
通常なら裁判で量刑を決めるんだけど、彼らは罪を犯していない。
司法の場に送られてしまえば、基地の不法行為が明らかになってしまう。
基地もそれは避けるはず。どこか別の場所に送られるのかな?
ルイ君の居場所も特定できたし、あとはコピーが終わるのを待つだけ。
今のうちにやれることをやっておくか。
考えていると、扉が開く音が聞こえた。
まだコピーは終わっていない。
ケーブルを繋げたまま記憶装置を隅に隠し、僕も物陰に隠れる。
麻酔銃を取り出し、様子を窺う。
エイムアシストなしの射撃の成績は良くないが、この距離なら外さない。
このまま立ち去るのならよし、気付かれたら麻酔銃で眠らせる。
◆
◇スタークス視点
少し迷ってしまったが、なんとかサーバールームまで到着した。
まだ私の動きは気付かれていない。
時機に電力が回復してしまう。その前に、データを入手しておきたい。
ドアをロックしている
デバイスを差し込む。
奪い取ったデバイスは二つだ。
一つ目はアウト。二つ目を差し込む。
「頼む。開いてくれ」
結果を表示する装置のモニターを見守る。
認証完了の文字が表示され、サーバールームへの扉が開いた。
「こいつは用済みだな」
こじ開けるために用意していたペン型の小型爆弾を仕舞い、サーバールームに入室する。
部下が時間を稼いでくれているが、いつまで持つかは分からない。
電力供給が回復してしまうと、こちらの動きが発覚するのも時間の問題になる。
早く目的のデータを探そう。
迂闊としか言えないが、それも仕方ないことかもしれない。
それほどデバイス認証の信頼性が高いのだ。
コネクトバインダーを通じて、セキュリティ側が求めているデバイスの個人情報を取得。
それを元にデータを複製セキュリティ側に送信する。
「よし、開いた開いた」
所要時間は一分ほど。
使用したのはコネクトバインダーとデバイス、それとコネクトバインダーを接続している小型の端末のみ。
たったそれだけで強固とされていたセキュリティを突破することに成功した。
照明は灯っていないが、サーバーは動作している。
予想通り、サーバールームにも電力供給が行われているようだ。
作業を始める前に監視カメラの無力化する。
幸い、通路の監視カメラと同じく機能停止している。
映らないように気を遣う必要がなかったので、すぐに終わらせることができた。
これで電力が回復しても僕の姿が映ることはない。
管理用のコンソールがあったので、それに準備してきた大容量の記憶媒体を二つ接続する。
一つはデータが破損した場合のバックアップだ。
手持ちの中で最も容量が大きい物を使うが、ここのデータ全てをコピーするには容量が足りない。
サーバーと携帯用記録媒体ではサイズが違い過ぎるのだ。
サーバーに保存されているデータの全てが有益な情報じゃない。
健康診断の結果とか給料明細なんていらない。
コピーするデータを選り分けなくてはならない。
でも、データは膨大。人力で選別する時間はない。
そこでフィルターを使用する。
キーワードなどの条件を設定し、重要度が高い確率が大きいファイルを選り分ける。
フィルターに使用するキーワードはすでに決めてある。
女王、シルフィード、巫女、空魔などなど。
コンソールの処理能力は高いので、選別しながらコピーさせても動作が重くなることはなかった。
「一つに収まればいいんだけど」
勿論、予備は用意してあるが、一つに収まった方がいい。
データが多いとそれだけコピーに時間がかかる。それに記録媒体自体もタダではないし。
選別とコピーをさせている間、ルイ君を探す。
「見つけた」
昨日、島民を逮捕した記録を見つけた。
昨日統合軍に逮捕された人間はいない。
人数も一致している。これで間違いない。
捕縛の理由も取ってつけたようなもので、空欄を適当に埋めた感じがする。
こんなのがまかり通るとは。この基地の腐敗は相当なモノだと思う。
監禁されている場所の特定することができた。
第二営倉に収容されているらしい。
サーバー内の監視カメラの記録を確認すると、ルイ君たちの姿を確認できた。
「急いでよかった」
彼らは三日後、どこかへ移送されることが決まっていた。
悠長に準備をしていたら、手遅れになるところだった。
気になるのはその移送先。何も書かれていない。
通常なら裁判で量刑を決めるんだけど、彼らは罪を犯していない。
司法の場に送られてしまえば、基地の不法行為が明らかになってしまう。
基地もそれは避けるはず。どこか別の場所に送られるのかな?
ルイ君の居場所も特定できたし、あとはコピーが終わるのを待つだけ。
今のうちにやれることをやっておくか。
考えていると、扉が開く音が聞こえた。
まだコピーは終わっていない。
ケーブルを繋げたまま記憶装置を隅に隠し、僕も物陰に隠れる。
麻酔銃を取り出し、様子を窺う。
エイムアシストなしの射撃の成績は良くないが、この距離なら外さない。
このまま立ち去るのならよし、気付かれたら麻酔銃で眠らせる。
◆
◇スタークス視点
少し迷ってしまったが、なんとかサーバールームまで到着した。
まだ私の動きは気付かれていない。
時機に電力が回復してしまう。その前に、データを入手しておきたい。
ドアをロックしている
デバイスを差し込む。
奪い取ったデバイスは二つだ。
一つ目はアウト。二つ目を差し込む。
「頼む。開いてくれ」
結果を表示する装置のモニターを見守る。
認証完了の文字が表示され、サーバールームへの扉が開いた。
「こいつは用済みだな」
こじ開けるために用意していたペン型の小型爆弾を仕舞い、サーバールームに入室する。
部下が時間を稼いでくれているが、いつまで持つかは分からない。
電力供給が回復してしまうと、こちらの動きが発覚するのも時間の問題になる。
早く目的のデータを探そう。
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