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短編集3

セカンドステージ

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 現在、コスモス・リバイブでは星ごとの技術格差が広がりつつある。
原因はクラン星の獣。彼らが異星の技術を広めたからだ。
それは歓迎なんだけど、彼らが訪れた星とそうじゃない星で許容範囲を超える差が生まれるのは好ましくない。
プレイヤーの人口密度に大きな偏りが生まれる可能性があるのだ。
 どうせなら少しでも良い機体に乗りたいと思うのは自然なこと。
今のうちに手を打たないと、過疎る星も出てくるかもしれない。


 ヴィンディスも新規参入がいなくて、過疎になりかけていたけど、あれは現地プレイヤーの頑張りでどうにかなるレベルだった。
今回は運営が手を打つ必要がありそう。
 でも、上の許可を取るのは難しそう。
基本放置の方針は絶対なのよね。


 ヴィンディス、イドではセカンドステージに近づいている。
ファーストはゲーム開始直後のロボットのこと。セカンドはその一歩先にある領域。
 セカンドステージクラスの機体もちょくちょく現れてるけど、全体としてはまだまだだと思う。
私たちが重要視しているのは量産機の方。
ワンオフ機がセカンドステージに到達してもそこまで重要じゃない。
ワンオフの場合、金と時間を掛ければ、到達可能なレベルだし。


 量産機の中で最もセカンドステージに近いのはフレスヴェルグだろう。
だけど、デフォルト状態ではまだファースト。私たちが設定した基準を超えていない。
 でも、あの機体はコート次第でセカンドステージに足を踏み入れることができる。
機体の基礎スペックがもう少し上がれば、セカンドステージ到達は確定だろう。


 データを見る限り、アベル&カインの新型AGはセカンドステージに到達している。
ただし、あれは論外。
動力に希少品である上位金属を使用しているせいで、量産性が著しく欠けている。
 あんなものをセカンドステージと認めません。断じて!
なので、ヴィンディスが一番乗り。イエーイ!
 実はどこがセカンドステージ一番乗りするのか同期と賭けをしていた。
負けが濃厚だったけど、最後の最後で私の大逆転勝利だ。ありがとう、スワロさん!
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