コスモス・リバイブ・オンライン

星海から訪れる侵略者

研究協力

　ネオシルバーのオリジナルは交渉の結果、三分の一が僕らの取り分となった。
かなり多く貰えたのは向こうが出した条件を呑んだから。
　ダァンの上層部の要求は研究開発への協力。
特に強く興味を示し、協力を求められたのはエネルギーシールド技術だった。
Ｚが所持していたエネルギーシールド発生装置はほとんどは解析するできないほど破壊されているけど、無事な物もある。
それを警備軍が回収、研究を進めているそうだ。


　彼らが求めているのは駅の新たな防衛設備の模索。
現在駅で使われている防壁をエネルギーシールドに変更すれば、メンテの手間も大幅に減らすことができる。
駅の管理運営をしているダァンの上層部が興味を持つのは当然だろう。


　ＡＧリアクターや上位金属の複製法など、協力を求められた技術は他にもあるが、ネオシルバーのオリジナルと引き換えになるのなら安い物だろう。上位金属にはそれだけの価値があるのだ。
それに今回の上位金属は銀。銀の利用価値を考えれば、こちらがお金を払ってもおつりがくるだろう。
　利用価値が高すぎたから、アベル＆カインで奪い合いの戦争が起きたんだけど。
　

　あの戦いで消耗したのは弾薬だけではない。
ロボットも大きな傷を負っている。
　どの機体もかなりのダメージを蓄積しており、オーバーホールが必要になった機体も多い。
この一か月で復帰した機体もあるが、まだ全てじゃない。
跡地調査時では故障中だったシュライスト本体の修理は終わっている。
ただし、アッシュグレイブの刃は鋼刃一本しかなく、万全とは言い難い状況だ。


　シュライストはまだマシな方。
エネルギー弾の直撃を受けたツインフォースはほぼ大破している。
　ウラノスに任せてあるんだけど、修理はあんまり進んでいないらしい。
サボっているわけじゃなくて、どうやら強化を模索しているそうだ。
僕は僕でやることがあるから詳しくは聞いていない。


　ツインフォースはアルケミーシリンダーが絡むので、おそらくコネコもかかわっている。
そこが唯一の不安点だけど、ウラノスなら変な改造をすることはないだろう。
　一矢のガンアーチＦuも半数が撃破されており、中には修理不能なレベルの物まである。
愛機を失った者も多くいるが、ガンアーチの新規製造は行われていない。
　ガンアーチはパーツ規格の統一やチェンジコートシステムの導入などを予定している。
そのプランがまだ完成していないのだ。


　一番酷いのはパッション君のニックだろう。
ニックはパオペイの業炎に巻き込まれた全壊。機獣の心臓部のケルンも炭化してしまっている。
　ケルンの再生力ならこの状態からでも再生は可能だけど、ケルンのダメージはそう簡単に癒えるものじゃない。
一か月経過しているのに、まだケルンの再生が終わっていなかった。


　おっさんによると、完全再生にはまだまだ時間が掛かるそうだ。
毒に侵されていないので、再生は順調に進んでいる。
いずれ、元気な姿を見せてくれると思う。


　ユラさんの紅霞など、すでに復帰した機体もあるけど、彼女たちはマイグラントから出払っている。
彼女たちはモンスター討伐の遠征中で、ダァン中を駆け回っている。
　平時では警備軍とハンターがモンスターの討伐を担当している。
だが、寅とＺ、二つの大きな戦いによって警備軍とハンターは戦力が低下したため、ダァン全域まで手が回っていないそうだ。


　モンスターを放置していると、線路は破壊され、最悪の場合、駅が攻撃を受ける可能性がある。
そのため、彼女らの他にも余裕があるプレイヤーは率先して狩りに出ていた。
ダァン中のコロシアムが休止しているので、剣闘士たちもそれに加わっているらしい。
　おかげで、線路の破壊などの被害は出ていないそうだ。


　この一か月の間、他にもいろんなことがあった。変なプレイヤーに絡まれたりとか。
だけど、どれも些細なこと。プレイヤーに絡まれたことは些細なことにしておきたい。
苺さん、キャラ濃過ぎでしょ。あのうざさはコネコに匹敵する。