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星海から訪れる侵略者
CSS
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規格の統一化と並行して、機体の強化開発も行っている。
僕が担当しているのはシュライスト、紅霞、クージンの三機。
ツインフォースはウラノスとコネコに任せてある。
基礎設計は僕も協力したけど、今では完全に僕の手から離れている。
それにアルケミーシリンダーはコネコにしか弄れない。
ヴィンディスから旅立ってからずっと、対シルフィードを想定して動いてきた。
その一環として、シミュレーターにシルフィードのデータを組み込んで、模擬戦を繰り返している。
勿論、敵パイロットの力量は以前戦った七光りの駄目パイロットを基準にしていない。
設定しているのはヴィニアちゃんクラスのエースパイロットだ。
何度も敗北を重ねてきたが、多対一なら何とか勝てるようになってきた。
だけど、それでは駄目なのだ。まだまだ統合軍に対抗できるレベルではない。
シルフィード単機ならどうにかなる。
だが、小隊を組んできた場合、勝ち目は薄い。
上手く分断して一機ずつ叩ければいいんだけど、常にそういう状況を作り出せるとは限らない。
僕のシュライスト、ユラさんの紅霞、ヴィニアちゃんのクージン、ウラノスとノロミオさんのツインフォースで、シルフィードが一機、ファルシュが五機の小隊に挑んだ場合の勝率は僅か10%。
これでも大分改善してきた。
少し前は一度も勝てなかったのだ。
シルフィード複数機所属する小隊と遭遇する事態も想定しておく必要がある。
三機のシルフィードが所属するシルフィード小隊を相手した場合の勝率は0%。
勝つどころか一機も撃墜することはできていない。それほどの戦力差があるのだ。
アローさんたちとの合流、そして、イドで入手できた技術、素材。
それらを組み込めば、勝率0%から脱することができるかもしれない。
アローさんたちの加入も大きかったが、それに匹敵するほど大きい影響を与えたのはハイカーボンの入手だ。
ハイカーボンは中位素材、普通のカーボンよりも優れた特性を持っている。
残念ながら、火薬の材料にはあんまり向いていなかった。
炭素を使った代表的な火薬である黒色火薬があるが、ハイカーボンに置き換えても、劇的な効果は見られなかったのである。
これなら他の火薬を使った方が遥かに安上がりだ。
休まずに通常のカーボンをハイカーボン化させているが、まだ数は少なく、無駄遣いしている余裕はない。
代わりになる物があるなら、そちらを使うべきだろう。
同じ理由で燃料として使うこともない。
他にも炭素繊維にできないか研究中。
しかし、完成までの道は果てしなく遠い。
そもそも普通の炭素繊維も自力で作れていない状態だし。
地道に研究を重ねよう。
火薬や炭素繊維は駄目だったが、ゴムの補強材としては有用だった。
普通のカーボンを補強材に使用した場合と比べると、その強度は低く見積もっても1.5倍以上。
配合を上手く調整すれば、二倍を超えるかも。
これも十分有用だけど、ハイカーボンによって誕生した物の中で最大の発明品はこれではない。
それはネオアイアンとハイカーボンを組み合わせた新たな鋼だ。
カーボン・スティール・セカンド、CSSと名付けられた。
CSSは究極の鋼と呼んでも、名前負けしないほどの性能を誇る。
硬度、靭性が共に優れており、その強さは両者とも既存の合金を上回っていた。
CSSは通常の鋼と異なり、無重力下でないと生成できない。
ベース22には重力があり、それは重力制御装置によって生み出されている。
装置は細かい調整は不可能、一室を無重力状態に変えるようなことはできなかった。
そこで生成は最近完成した新実験室で行われている。
この実験室は危険物作業用に作った物だ。
普段はベース22に接続されているが、切り離すことができる。
ベース22とはワイヤーで繋がっており、再接続もできる。
実験に失敗して、大爆発を起こしても、ここならベース22を巻き込むことはない。
切り離した状態だとベース22の重力制御装置の影響範囲から外れる。無重力状態を作り出すことも容易だ。
実験室は24時間フル稼働中。
もう一個作った方が良いかも。
CSS生成も大事だけど、無重力下で行いたい実験は山ほどある。
無重力という環境はそれだけ有用なのだ。
それよりかCSS専用の製鉄所を作った方がいいかもしれない。
僕が担当しているのはシュライスト、紅霞、クージンの三機。
ツインフォースはウラノスとコネコに任せてある。
基礎設計は僕も協力したけど、今では完全に僕の手から離れている。
それにアルケミーシリンダーはコネコにしか弄れない。
ヴィンディスから旅立ってからずっと、対シルフィードを想定して動いてきた。
その一環として、シミュレーターにシルフィードのデータを組み込んで、模擬戦を繰り返している。
勿論、敵パイロットの力量は以前戦った七光りの駄目パイロットを基準にしていない。
設定しているのはヴィニアちゃんクラスのエースパイロットだ。
何度も敗北を重ねてきたが、多対一なら何とか勝てるようになってきた。
だけど、それでは駄目なのだ。まだまだ統合軍に対抗できるレベルではない。
シルフィード単機ならどうにかなる。
だが、小隊を組んできた場合、勝ち目は薄い。
上手く分断して一機ずつ叩ければいいんだけど、常にそういう状況を作り出せるとは限らない。
僕のシュライスト、ユラさんの紅霞、ヴィニアちゃんのクージン、ウラノスとノロミオさんのツインフォースで、シルフィードが一機、ファルシュが五機の小隊に挑んだ場合の勝率は僅か10%。
これでも大分改善してきた。
少し前は一度も勝てなかったのだ。
シルフィード複数機所属する小隊と遭遇する事態も想定しておく必要がある。
三機のシルフィードが所属するシルフィード小隊を相手した場合の勝率は0%。
勝つどころか一機も撃墜することはできていない。それほどの戦力差があるのだ。
アローさんたちとの合流、そして、イドで入手できた技術、素材。
それらを組み込めば、勝率0%から脱することができるかもしれない。
アローさんたちの加入も大きかったが、それに匹敵するほど大きい影響を与えたのはハイカーボンの入手だ。
ハイカーボンは中位素材、普通のカーボンよりも優れた特性を持っている。
残念ながら、火薬の材料にはあんまり向いていなかった。
炭素を使った代表的な火薬である黒色火薬があるが、ハイカーボンに置き換えても、劇的な効果は見られなかったのである。
これなら他の火薬を使った方が遥かに安上がりだ。
休まずに通常のカーボンをハイカーボン化させているが、まだ数は少なく、無駄遣いしている余裕はない。
代わりになる物があるなら、そちらを使うべきだろう。
同じ理由で燃料として使うこともない。
他にも炭素繊維にできないか研究中。
しかし、完成までの道は果てしなく遠い。
そもそも普通の炭素繊維も自力で作れていない状態だし。
地道に研究を重ねよう。
火薬や炭素繊維は駄目だったが、ゴムの補強材としては有用だった。
普通のカーボンを補強材に使用した場合と比べると、その強度は低く見積もっても1.5倍以上。
配合を上手く調整すれば、二倍を超えるかも。
これも十分有用だけど、ハイカーボンによって誕生した物の中で最大の発明品はこれではない。
それはネオアイアンとハイカーボンを組み合わせた新たな鋼だ。
カーボン・スティール・セカンド、CSSと名付けられた。
CSSは究極の鋼と呼んでも、名前負けしないほどの性能を誇る。
硬度、靭性が共に優れており、その強さは両者とも既存の合金を上回っていた。
CSSは通常の鋼と異なり、無重力下でないと生成できない。
ベース22には重力があり、それは重力制御装置によって生み出されている。
装置は細かい調整は不可能、一室を無重力状態に変えるようなことはできなかった。
そこで生成は最近完成した新実験室で行われている。
この実験室は危険物作業用に作った物だ。
普段はベース22に接続されているが、切り離すことができる。
ベース22とはワイヤーで繋がっており、再接続もできる。
実験に失敗して、大爆発を起こしても、ここならベース22を巻き込むことはない。
切り離した状態だとベース22の重力制御装置の影響範囲から外れる。無重力状態を作り出すことも容易だ。
実験室は24時間フル稼働中。
もう一個作った方が良いかも。
CSS生成も大事だけど、無重力下で行いたい実験は山ほどある。
無重力という環境はそれだけ有用なのだ。
それよりかCSS専用の製鉄所を作った方がいいかもしれない。
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