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ベース22
アーマー修理2
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今じゃなくていいから結局保留にした。
必要になったその都度追加していこう。
ずっと回し続けていたのでバッテリーもそろそろ溜まってきている頃、もう一度起動しよう。
エネルギーの残量を示すバーはあれだけ回したのに三分の一ほどしかなかった。
戦闘するには三倍回さないといけない。
それを考えると今からでも億劫になる。
修理するだけなら、この量でもいけるので修理を進める。
まずは穴を塞ごう。
その前にこのまま塞いでいいのか調べないと。
塞いでから問題が起きたら、やり直さないと駄目だし。
チェックの結果、下半身へのエネルギー伝達に異常が起きているようで、そのせいで下半身のパワーアシストにエネルギーが回っていないのがわかった。
原因は下半身に繋がるコードが穴の部分にあり、それが断線しているせいだった。
穴の部分のコードは完全に消失しているので、補う必要がある。
代わりのコードは鉄板と一緒にあった何かの電源コードを使うことにした。
いっぱいあるし一つぐらい使っても問題はない。
まずはコードをちょうどいい長さに切る。
そのままでは使えないからゴムの被膜を剥いで中の線を露出させる。
繋ぐ部分はさらに軽くやすりを掛けて、被膜を完全に除去し、アーマーの断線部の両端に繋ぎ合わせた。
本当はろう接したいんだけど、はんだなんて用意できないためテープで固定して完了だ。
下半身へのエネルギー伝達は回復した。
これで穴を塞いでも大丈夫なはずだ。
塞ぐのはアーマーの装備一覧に補修スプレーがあるからそれを使う。
ちゃんと装備箇所も書いてあり、それによるとバックパックにあるはず……あった。
補修材の入っている本体はバックパックにあり、そこからホースを伸ばし穴が空いてる箇所に吹き付ければ、補修材が出て穴を塞いでくれるそうだ。
この補修材は液体で空気に触れるとそれを取り込んで固形化、発泡スチロールのように体積を増やし、穴を塞いでくれるものらしい。
早速レバー押したんだけど何も出てこない。
使い切っちゃたのかな。
確認のためにバックパックを開いてみる。
もしかしたらホースが詰まってるだけかもしれないし。
バックパックはデバイスから命令を出せば開く。
補修材が入っているはずの容器は空だった。
空の容器を見て一つのストーリーが思い浮かんだ。
’彼’がなぜアーマーを脱いだか。
たぶん再び通路の天井の穴が開いていたのを彼は見つけたんだと思う。
それを塞ぐために補修材を使おうとしたけど、腹部を貫かれたせいで下半身のパワーアシストが機能せず、仕方なくアーマーを脱ぎ捨てて、生身で穴まで近づき、補修材を噴射したのだろう。
なんか天井がモコモコと盛り上がっていたので補修材を噴射したのは間違いない。
考察だから確証はないけど、発狂して死んだよりもこちらの方が救いがある気がする。
死に救いを求めるのはどうかと思うけど。
アーマーの補修材がないので、違う物で塞がなきゃ。
宇宙船の補修材を使うか。
これはジャンクスターにあった物だ。
アーマーの物とは違って液体ではなく、パテ。
強度はアーマーの物よりも高い。
ただこのパテは小さい穴ならそのまま使用しても大丈夫だけど、このサイズの穴を塞ぐにはこのままじゃ使えない。
パテを塗るための土台がいる。
どうしようか考えた結果、太めの針金で土台を作ることにした。
針金に接着剤を塗り、縦と横に一本一本針金を張り巡らせていく。
こういう土台のことを小舞っていうらしい。
穴の範囲が大きいのでどうしても手間と時間が掛かる。
もっといい方法はないかなぁ。
「やばっ!服に付いた!」
眠気を感じ欠伸をしたら、手が滑って服に接着剤が付いてしまった。
接着剤は服に付くと取るのが大変だ。
急いで落としたけど、完全には落ちなかった。
「実験してみようかな」
接着剤が付いた箇所を切り取る。
Dクロスの自己修復機能がどれぐらいの代物かの確認したかった。
しばらく、眺めていたけど変化はない。切り取った傍から再生されるほど強くはないようだ。
切口がかすかに光を帯びているので機能はしている。
いずれ元に戻るだろう。そうじゃないと困る。
「……これで最後」
吐いた言葉に覇気はまるでないと自分でも感じる。
それほど土台作りは大変だった。
穴の幅は場所によって違う。
長さを調整しなくちゃ弛みができるし、下手したら長さが足りなくなる。
他にも接着剤がちゃんと付いてなくて、外れたこともあった。
苦行も終わり、後は固まるのを待つだけだ。
この接着剤、接着力は強いんだけど、完全に固まるのに時間が掛かる。
その間、パテの準備をしようとした時、アラームがなった。
これはログインの限界時間を知らせる物だ。
土台作りに時間が掛かったせいだ。
どうせ固まるのを待たなきゃいけなかったし、ちょうどいい。
ログアウトしよう。
必要になったその都度追加していこう。
ずっと回し続けていたのでバッテリーもそろそろ溜まってきている頃、もう一度起動しよう。
エネルギーの残量を示すバーはあれだけ回したのに三分の一ほどしかなかった。
戦闘するには三倍回さないといけない。
それを考えると今からでも億劫になる。
修理するだけなら、この量でもいけるので修理を進める。
まずは穴を塞ごう。
その前にこのまま塞いでいいのか調べないと。
塞いでから問題が起きたら、やり直さないと駄目だし。
チェックの結果、下半身へのエネルギー伝達に異常が起きているようで、そのせいで下半身のパワーアシストにエネルギーが回っていないのがわかった。
原因は下半身に繋がるコードが穴の部分にあり、それが断線しているせいだった。
穴の部分のコードは完全に消失しているので、補う必要がある。
代わりのコードは鉄板と一緒にあった何かの電源コードを使うことにした。
いっぱいあるし一つぐらい使っても問題はない。
まずはコードをちょうどいい長さに切る。
そのままでは使えないからゴムの被膜を剥いで中の線を露出させる。
繋ぐ部分はさらに軽くやすりを掛けて、被膜を完全に除去し、アーマーの断線部の両端に繋ぎ合わせた。
本当はろう接したいんだけど、はんだなんて用意できないためテープで固定して完了だ。
下半身へのエネルギー伝達は回復した。
これで穴を塞いでも大丈夫なはずだ。
塞ぐのはアーマーの装備一覧に補修スプレーがあるからそれを使う。
ちゃんと装備箇所も書いてあり、それによるとバックパックにあるはず……あった。
補修材の入っている本体はバックパックにあり、そこからホースを伸ばし穴が空いてる箇所に吹き付ければ、補修材が出て穴を塞いでくれるそうだ。
この補修材は液体で空気に触れるとそれを取り込んで固形化、発泡スチロールのように体積を増やし、穴を塞いでくれるものらしい。
早速レバー押したんだけど何も出てこない。
使い切っちゃたのかな。
確認のためにバックパックを開いてみる。
もしかしたらホースが詰まってるだけかもしれないし。
バックパックはデバイスから命令を出せば開く。
補修材が入っているはずの容器は空だった。
空の容器を見て一つのストーリーが思い浮かんだ。
’彼’がなぜアーマーを脱いだか。
たぶん再び通路の天井の穴が開いていたのを彼は見つけたんだと思う。
それを塞ぐために補修材を使おうとしたけど、腹部を貫かれたせいで下半身のパワーアシストが機能せず、仕方なくアーマーを脱ぎ捨てて、生身で穴まで近づき、補修材を噴射したのだろう。
なんか天井がモコモコと盛り上がっていたので補修材を噴射したのは間違いない。
考察だから確証はないけど、発狂して死んだよりもこちらの方が救いがある気がする。
死に救いを求めるのはどうかと思うけど。
アーマーの補修材がないので、違う物で塞がなきゃ。
宇宙船の補修材を使うか。
これはジャンクスターにあった物だ。
アーマーの物とは違って液体ではなく、パテ。
強度はアーマーの物よりも高い。
ただこのパテは小さい穴ならそのまま使用しても大丈夫だけど、このサイズの穴を塞ぐにはこのままじゃ使えない。
パテを塗るための土台がいる。
どうしようか考えた結果、太めの針金で土台を作ることにした。
針金に接着剤を塗り、縦と横に一本一本針金を張り巡らせていく。
こういう土台のことを小舞っていうらしい。
穴の範囲が大きいのでどうしても手間と時間が掛かる。
もっといい方法はないかなぁ。
「やばっ!服に付いた!」
眠気を感じ欠伸をしたら、手が滑って服に接着剤が付いてしまった。
接着剤は服に付くと取るのが大変だ。
急いで落としたけど、完全には落ちなかった。
「実験してみようかな」
接着剤が付いた箇所を切り取る。
Dクロスの自己修復機能がどれぐらいの代物かの確認したかった。
しばらく、眺めていたけど変化はない。切り取った傍から再生されるほど強くはないようだ。
切口がかすかに光を帯びているので機能はしている。
いずれ元に戻るだろう。そうじゃないと困る。
「……これで最後」
吐いた言葉に覇気はまるでないと自分でも感じる。
それほど土台作りは大変だった。
穴の幅は場所によって違う。
長さを調整しなくちゃ弛みができるし、下手したら長さが足りなくなる。
他にも接着剤がちゃんと付いてなくて、外れたこともあった。
苦行も終わり、後は固まるのを待つだけだ。
この接着剤、接着力は強いんだけど、完全に固まるのに時間が掛かる。
その間、パテの準備をしようとした時、アラームがなった。
これはログインの限界時間を知らせる物だ。
土台作りに時間が掛かったせいだ。
どうせ固まるのを待たなきゃいけなかったし、ちょうどいい。
ログアウトしよう。
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