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ベース22
ベース22探索開始
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管制室できることはもうなかったので、とりあえず宇宙船に戻ってきた。
管制室のコンソールにデバイスを取り付けられなかったせいで、簡易マップはダウンロードできなかった。
なので、代わりにカメラで撮影しておいた。
手ぶれなどで少し質が悪いけど読めるから大丈夫だ。
地図はセクション2、3、4のものだけでセクション1と5以上のものはなかった。
各セクションはかなり広いので闇雲に行動しても、一人では警備室を見つけることはできないだろう。
ここの設計者の気持ちになってみる。そうすれば、少しは絞り込めるかもしれない。
僕ならどこに警備室を作ろうかな。
まず入口付近には作らない。
警備員が待機する詰所ぐらいならありそうだけど、セキュリティの管理をする警備室をそんなところに作ったら、外部からの悪意ある侵入者にあっという間に占拠されてしまう。
僕だったらもっと奥、中央部付近に作る。
色々考えたけどこれ以上絞り込むことはできない。
あとは足で探すしかない。
最初の隔壁を抜けた先はただ通路だった。
扉があるけど、無視して先に進む。
目指すは中央部だ。
地図によると中央部までかなり距離がある。
これって徒歩で行く距離じゃない。
たぶんここの人たちは乗り物を使っていたんじゃないかな。
ないから歩くしかないけど。
デバイスの中にある物でなんか作れないかな。
作るにしても設備がないので、人力のものに限られる。
人力の乗り物といえば自転車だ。
でも、そんな物作れそうにない。
タイヤがないし、チェーンも作れない。
もしあっても安全性と速度が高い物を作るには設備がいる。
作れそうな物で思い浮かんだのはスケボーだ。
スケボーはファンキー爺ちゃんに教わったことがある。
爺ちゃんたちみたいに入賞できるほど上手くはないけど、乗ることぐらいはできる。
スケボーなら見てくれと安定は悪くなるけど、板とタイヤがあれば僕でも作れる。
……ただし、肝心のタイヤがないけど。
やっぱりタイヤがなければ乗り物は作れなさそうだ。
どっかに落ちてないかな。
簡単に作れそう乗り物を考えながら歩いていると大きな広間に出た。
鉄道の駅舎を彷彿させるような大きな広間だ。
……本当に駅舎なのかもしれない。中央に待ち合わせに使えそうな大きな時計があるし。
地図によると反対側の扉は別のドッグに繋がっているようだ。
ドッグをプラットホームだと仮定すると、ここは宇宙船の駅に相当する施設なんじゃないかな。
そう考えると色々と推測できる。上層にあるセクション3、4は個室が並んでいるからホテルだ。
だとしたらセクション3に上がってすぐのこの広い空間はホテルのロビーだ。
ここが中央部なので、僕の予想が正しければこの辺りに警備室がある。
だけど、なんだか自信がなくなってきた。
駅だと仮定するならここに作るのは良くない気がする。
人の往来が激しすぎると隠してあるはずの警備室が見つかってしまう恐れがある。
ベンチがあったのでそこに座って地図を眺める。
そうしていると違和感を感じた。
その正体を考えていると、頭に何かが当たった。
触ってみるとわずかに湿っている。
「水?スプリンクラーかな?」
見上げると天井に怪物が張り付いていた。
頭は細長く、後頭部は円錐に盛り上がっていた。
口は横に大きく裂けており、僅かに開いた隙間から涎が大量にあふれ出ている。
怪物は天井から飛び降りた。
二足歩行だけど、直立ではない。姿勢はゴリラとか猿に近い。
腕は長く、爪はナイフのように鋭い。その先端は尖っていた。引っ掻かれたら痛いでは済まないだろう。
律儀に目の前に降りてきてくれたから、友好関係を築けるかもしれない。まずは挨拶からだ。
「えっと、こんにちは?」
「キシャアアアア!」
明らかに友好的じゃない奇声を上げた怪物は飛び掛かってきた。
とっさに体を捻ったけど躱し切れなかった。肩に怪物の巨体が当たり、吹き飛ばされる。
肩に痛みがあるけどちゃんと動く。
それに吹き飛ばされたおかげで距離を取ることができた。この隙に体勢と整えよう。
愛用の鉄パイプを取り出し、怪物に正対する。
怪物のスピードはかなり速いので逃げるのは難しい。
かなり逸脱しているけど、一応生物の姿をしている。
頭を潰せば勝てるはずだ。
虫のように甲殻がないので鉄パイプでも攻撃が通じるだろう。
通じなくても怯ませることさえできれば、扉まで逃げる隙が生まれる。
特に注意するのは爪。あんなの喰らったら一瞬でゲームオーバーだ。
怪物の動きを注視していると突如お腹に違和感を感じた。
見るとお腹から鋭利な爪が飛び出していた。
正面にはちゃんと怪物がいるからこいつの爪じゃない。
爪の持ち主を確かめるために振り返るとそこに二匹目の怪物がいて、その腕が僕のお腹に向かって伸びていた。
「それってありなの!?」
完全な不意打ちだ。二匹目がいることも腕が伸びることも想像してなかった。
HPのゲージなくても分かる。明らかに致命傷だ。ここまでか……
目の前が真っ暗になった。死亡だ。
【キャラクターdead】
管制室のコンソールにデバイスを取り付けられなかったせいで、簡易マップはダウンロードできなかった。
なので、代わりにカメラで撮影しておいた。
手ぶれなどで少し質が悪いけど読めるから大丈夫だ。
地図はセクション2、3、4のものだけでセクション1と5以上のものはなかった。
各セクションはかなり広いので闇雲に行動しても、一人では警備室を見つけることはできないだろう。
ここの設計者の気持ちになってみる。そうすれば、少しは絞り込めるかもしれない。
僕ならどこに警備室を作ろうかな。
まず入口付近には作らない。
警備員が待機する詰所ぐらいならありそうだけど、セキュリティの管理をする警備室をそんなところに作ったら、外部からの悪意ある侵入者にあっという間に占拠されてしまう。
僕だったらもっと奥、中央部付近に作る。
色々考えたけどこれ以上絞り込むことはできない。
あとは足で探すしかない。
最初の隔壁を抜けた先はただ通路だった。
扉があるけど、無視して先に進む。
目指すは中央部だ。
地図によると中央部までかなり距離がある。
これって徒歩で行く距離じゃない。
たぶんここの人たちは乗り物を使っていたんじゃないかな。
ないから歩くしかないけど。
デバイスの中にある物でなんか作れないかな。
作るにしても設備がないので、人力のものに限られる。
人力の乗り物といえば自転車だ。
でも、そんな物作れそうにない。
タイヤがないし、チェーンも作れない。
もしあっても安全性と速度が高い物を作るには設備がいる。
作れそうな物で思い浮かんだのはスケボーだ。
スケボーはファンキー爺ちゃんに教わったことがある。
爺ちゃんたちみたいに入賞できるほど上手くはないけど、乗ることぐらいはできる。
スケボーなら見てくれと安定は悪くなるけど、板とタイヤがあれば僕でも作れる。
……ただし、肝心のタイヤがないけど。
やっぱりタイヤがなければ乗り物は作れなさそうだ。
どっかに落ちてないかな。
簡単に作れそう乗り物を考えながら歩いていると大きな広間に出た。
鉄道の駅舎を彷彿させるような大きな広間だ。
……本当に駅舎なのかもしれない。中央に待ち合わせに使えそうな大きな時計があるし。
地図によると反対側の扉は別のドッグに繋がっているようだ。
ドッグをプラットホームだと仮定すると、ここは宇宙船の駅に相当する施設なんじゃないかな。
そう考えると色々と推測できる。上層にあるセクション3、4は個室が並んでいるからホテルだ。
だとしたらセクション3に上がってすぐのこの広い空間はホテルのロビーだ。
ここが中央部なので、僕の予想が正しければこの辺りに警備室がある。
だけど、なんだか自信がなくなってきた。
駅だと仮定するならここに作るのは良くない気がする。
人の往来が激しすぎると隠してあるはずの警備室が見つかってしまう恐れがある。
ベンチがあったのでそこに座って地図を眺める。
そうしていると違和感を感じた。
その正体を考えていると、頭に何かが当たった。
触ってみるとわずかに湿っている。
「水?スプリンクラーかな?」
見上げると天井に怪物が張り付いていた。
頭は細長く、後頭部は円錐に盛り上がっていた。
口は横に大きく裂けており、僅かに開いた隙間から涎が大量にあふれ出ている。
怪物は天井から飛び降りた。
二足歩行だけど、直立ではない。姿勢はゴリラとか猿に近い。
腕は長く、爪はナイフのように鋭い。その先端は尖っていた。引っ掻かれたら痛いでは済まないだろう。
律儀に目の前に降りてきてくれたから、友好関係を築けるかもしれない。まずは挨拶からだ。
「えっと、こんにちは?」
「キシャアアアア!」
明らかに友好的じゃない奇声を上げた怪物は飛び掛かってきた。
とっさに体を捻ったけど躱し切れなかった。肩に怪物の巨体が当たり、吹き飛ばされる。
肩に痛みがあるけどちゃんと動く。
それに吹き飛ばされたおかげで距離を取ることができた。この隙に体勢と整えよう。
愛用の鉄パイプを取り出し、怪物に正対する。
怪物のスピードはかなり速いので逃げるのは難しい。
かなり逸脱しているけど、一応生物の姿をしている。
頭を潰せば勝てるはずだ。
虫のように甲殻がないので鉄パイプでも攻撃が通じるだろう。
通じなくても怯ませることさえできれば、扉まで逃げる隙が生まれる。
特に注意するのは爪。あんなの喰らったら一瞬でゲームオーバーだ。
怪物の動きを注視していると突如お腹に違和感を感じた。
見るとお腹から鋭利な爪が飛び出していた。
正面にはちゃんと怪物がいるからこいつの爪じゃない。
爪の持ち主を確かめるために振り返るとそこに二匹目の怪物がいて、その腕が僕のお腹に向かって伸びていた。
「それってありなの!?」
完全な不意打ちだ。二匹目がいることも腕が伸びることも想像してなかった。
HPのゲージなくても分かる。明らかに致命傷だ。ここまでか……
目の前が真っ暗になった。死亡だ。
【キャラクターdead】
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