気がついたら乙女ゲームだった!チートって何ですか?美味しいですか?

おばば様

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学園編

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私が目を覚ますと、寮ではない天井で、目の前には居ないはずのロッテが居る。ロッテは手に持っていた花瓶を机に置き花を飾っていて。私が目を覚ました事に気がつくと、傍に駆け寄る。

「お嬢様?目が覚められたのですね?!ここがどこか、わかりますか?」
「ロッテ?ここは・・・」

私は慌てて辺りを見回すと、豪華な客間?王城かな?

「王城?」
「そうです。お嬢様が意識が無く、そのまま寮に返せない、そう判断をした学園の医師が、学園長に報告をし、王城へは学園長の指示で、こちらに療養しております。お嬢様が3日間程目が覚めないでいたので・・・。心配しておりました。」

ロッテが涙目で教えてくれ、お腹は空いてませんか?と聞いてくる、聞かれるとお腹が空いてくるから、なんとも不思議な感じ、私が頷いてお腹空きましたと言うと、ロッテは心底ホッとした顔をして、少々お待ちください。と外へ出て行く、

一人になるのを心細く感じると、あの白い世界での事をつい思い出してしまう。
私は頭を横に振り、思い出さない様にする、他にやる事が無いため、ぼんやりと天井を見ていた。
しばらくぼんやりとしていると、何やらいい匂いが漂って来る。そのいい匂いが近くと、ロッテがいつの間にか傍に居て、申し訳無さそうに頭を下げている、どこかで見た光景になり。スープ皿を乗せたトレーを持ったお父様が、とてもいい笑顔でやって来た。

「お父様?またですか?」
「トゥカーナ?まだ2回目だよ?幼少時からだと5回目かな?それに少し話をしたくてね。」

回数を覚えているのですね?お父様・・・
まず上掛けをこっそりと上げ、自分の今の格好を確認する。まだ夜着なので、お父様には丁重にこちらに来る事を拒否する。

「いくらお父様とはいえ、この格好では嫌です!」
「トゥカーナ・・・。」

何だか寂しそうにしているが、ここで許容してはいけない、全力で断りを入れる、お父様には隣りの部屋でしばらく待って貰う事に。
お父様が部屋から出る際に、仕事は良いのですか?と聞くと、娘が倒れて目が覚めたのに、仕事なんてしていられないからね。と寂しそうに笑うと部屋から出ていった。私はそのお父様の気持ちが嬉しくて、泣きそうになる。

私はゆっくりと消化に良い食事を取り、夜着からゆったりとしたドレスへと着替えた。正確には着替えさせて貰った。ロッテが食事を食べさせると言って聞かず、この歳で食べさせて貰うのも、恥ずかしいと断り、
その変わりとして、ドレスの着替えを手伝いを頼んだ・・・のに全てロッテがやってしまった。仕事が速いねロッテ・・・。着替えた私はロッテに手を引かれついて行く、ロッテと手を繋いで歩くのも久しぶりで、恥ずかしくもあり、嬉しくも思う。

隣の部屋へと行くと、お父様とアウラが居る私の顔を見るなり、アウラは安心したのか身体のチカラが抜けた様にソファへもたれ掛る。

「アウラ様、お父様ご心配をお掛けしました。」

私はペコリと頭を下げ謝罪する。お父様は、まだ起きて間も無いから、まずは座りなさいと私は頷き、ソファへと座ると、タイミングを見計らった様にロッテがサッと紅茶を出し、お父様は目配せをして、ロッテは部屋から出ていった。

「起きて直ぐの話し合いでごめんね。もう少しゆっくりで良かったけど、そうも言っていられなくてね。トゥカーナ身体に何か変化はあった?」
「いいえお父様、ロッテの話を聞いたのですが、何も無かった様です。」

お父様は私にアルゲティ様としての変化は?と聞く、私はそのままを答える、やはり変化するのはあの呪文なのだろう。そう結論をする。
そんな事を考えていると、アウラが膝に手を置き頭を下げ、ギョ!と私とお父様がアウラを見る。

「カーナごめん。色々と負担を掛けた」
「アウラ様?!何を謝っているのですか?」
「ほらあの事だよ・・・」
「えぇ!!どれですか?」
「トゥカーナ?顔が赤いよ?何があったのかお父様に言ってごらん」

私は、え?負担・・・?!色々とグルグル考えが回ると、あの事?とか考えた結果、帝国の事と医務室でのやり取りだと聞く、でもその結果お父様に、アウラと何かあったかと問われ、私は思わず赤くなってしまい、結果的お父様は激しく落ち込んでいる。親バレとか一番辛いし、恥ずかしい・・・。私は慌てて話題を母様に変えて、母様との話しをした。

「母様は父様が来たら呼びなさいと言いました。」
「その空の人はアルゲティ様のお母様なの?」
「でもトゥカーナの名前で呼ぶなんて、協力的な感じなのかな?」

私は最後に聞いた言葉を、アウラは疑問をお父様は母様の心情を、互いに意見を出し合う。私は前世の後藤ミクの時代は結婚はした事は無いが、子守りならある。

「私やアウラ様は、婚約はしていても結婚はした事はありませんのでお父様・・・。もし父様の立場なら誰に止めて欲しいですか?」
「うーん。難しい質問なんだよね。」

もし逆の立場で・・・と考え出した様で、父様とお父様は子供に甘いのは似てると思う。その点母様は甘いというよりも、見守る方が強いのだと思う。母は強し、こんな言葉も前世にはあったしね。お父様は迷いながらも決まったようで、

「転生してしまった子供に、負担を掛けたくない、だが困っていたら助けてしまうね。だけどもしあの魔法が使えて、もしトゥカーナを元に戻せるとしたら、使うのだろうな・・・それをもし誰か止めるとなると、愛する妻だな!」

「では父様の暴走は、母様に止めて貰うでいいですか?」
「あぁ。ヴェロールに説教をされてる気分だよ・・・」

お父様はかなり遠い目をしているお父様・・・大丈夫?それでも、お母様の名前をかなり久しぶりに聞きました。母様に会ったのでお母様にも会いたいなぁ・・・。なんて思ってしまう、
余り長く話しても身体に障るからと、私は早々に就寝の挨拶をする。

「アウラ様、お父様天使様が素敵な夢を運んでくれます様に。」

「カーナ天使様が素敵な夢を見せて貰えます様に。」
「トゥカーナ天使様が素敵な夢を見せて貰えます様に。」

私は就寝の挨拶の後に、アウラと目が合うとニッコリと笑った。ロッテと共に部屋を後にした。
寝ていた客間へと戻り、ロッテに久しぶりに緑茶を入れて貰いそれを味わう

「ロッテの緑茶久しぶりに飲めて感激だわ!美味しい・・・」
「お嬢様・・・お褒め頂き光栄です。」

私はロッテの緑茶を飲み干すと、夜着へと着替えを済ませ、そのままベッドへと入ると疲れが出たのか、瞼を閉じると眠くなりそのまま眠った
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