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学園入学前編
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王太子アウラの視点です。
護衛騎士が斜め前を歩き図書室の奥へと進む、今日この時間の図書室は人払いをしている。司書さえ居ない、あの話を漏さない様に細心の注意をしての事だが、カーナには言わない、いらない心配をさせたくは無いからな。
奥にある個室へと入り、
この部屋は宰相が調べ物をする時に使う部屋だ。
この部屋の奥には飾りが無い扉と短い通路があり、今日はその個室でのお茶会だ
護衛騎士達は僕達が居る個室の扉の前では無く、1つ前の扉の内側での待機をしてもらう。カーナの事情なんて誰にも聞かせたくはない、
王城のメイドがノックをして扉を開ける。
カーナに会うまでが長かった。
「おはようございますアウラ様」
「おはようカーナ」
お互いにこやかに微笑み、カーナに手を差し出しエスコートをしてソファへと移動する。カーナの手は柔らかで、艶やかな爪先は先の方まで綺麗に手入れが行き届いていて、触られた部分だけが熱くなる。名残惜しい気持ちを抑えながら手を離す。
今日の為に2人掛けソファを2脚用意したが、1脚にすれば良かった。次回は1脚だな。と思いカーナの横へと腰を下ろす、
イプシロン領地産の紅茶を入れて貰い、カーナが持ってきたクッキーを置くと、メイドに目配せをした。メイドが頭を下げて出ていく、もちろん扉は話が漏れない程度に少し開いておく、婚約者とはいえ密室にはしない。その為の護衛騎士の配置だ。
カーナとの距離を詰めようとジリジリと寄ったが、恥ずかしいと、顔を斜め下に向けた顔が赤く瞳が潤んでいる。
少しの間カーナに見とれてしまい、咄嗟に視線を外し。対面側のソファへと移動した。やはり次は1脚にしよう。
流石にこれ以上の無理強いを出来ない
「カーナ魔力検査どうだった?」
「はい。アルゲティ様の影響なのかもしれませんが。魔法の適正が全属性でした。最後にこの花が落ちてきて。」
カーナはその花を栞にして持っていた。赤いスイートピー?それをとても大事そうに仕舞う。
そこからは、教会の部屋の中の話になり、
「アルゲティ様の銅像見て驚きました。」
「僕も見た時驚いたよ!高さあるからね」
「アルゲディ様は守りの女神様なのですね」
「でもカーナはカーナでしょ?」
カーナの髪をひと房持ち口付けをする。真っ赤になったカーナはこれ以上考えられなくなるはずだ、そして余計な考えをしなくても良くなる様にと、思いも込める
それでも何だか色々な事を考え過ぎの様だ。宰相からもう少し話をまた聞くとしよう。僕は話題を変える事にした。
「カーナ?王太子妃の勉強は楽しい?」
「はい!アウラ様大変ですが、楽しいですよ。」
カーナはニッコリと微笑みそれから紅茶を飲む。
オーキッド色の瞳は僕だけを写していて、視線を下にし、瞳が紅茶を写す。透き通る様に白く滑らかな肌と、頬は薔薇色に染まり、その艶やかで柔らかそうな唇は口角を上げて紅茶を飲んでいる。
「ヤバイな吸い込まれそう。」
「アウラ様?どうなさったのですか?」
カーナはキョトンと可愛らしく首を傾けている。
僕はおもむろに抹茶クッキーを皿から取り出す
その柔らかな唇にクッキーが押し込む、
「フグッ?!アウラ様?」
「ごめん。何か考え事してたら、クッキー押し込んでた。」
「・・・・・・。せっかく令嬢らしくしてたのに、むぐ」
「ハハハッごめん。」
最近カーナの色気が凄くて、じーっと見てると何だか色々と・・・。色々と、いけない方向に進みそうになる。
まぁ僕としては、
そちらの方が良いのかもしれない。
護衛騎士が斜め前を歩き図書室の奥へと進む、今日この時間の図書室は人払いをしている。司書さえ居ない、あの話を漏さない様に細心の注意をしての事だが、カーナには言わない、いらない心配をさせたくは無いからな。
奥にある個室へと入り、
この部屋は宰相が調べ物をする時に使う部屋だ。
この部屋の奥には飾りが無い扉と短い通路があり、今日はその個室でのお茶会だ
護衛騎士達は僕達が居る個室の扉の前では無く、1つ前の扉の内側での待機をしてもらう。カーナの事情なんて誰にも聞かせたくはない、
王城のメイドがノックをして扉を開ける。
カーナに会うまでが長かった。
「おはようございますアウラ様」
「おはようカーナ」
お互いにこやかに微笑み、カーナに手を差し出しエスコートをしてソファへと移動する。カーナの手は柔らかで、艶やかな爪先は先の方まで綺麗に手入れが行き届いていて、触られた部分だけが熱くなる。名残惜しい気持ちを抑えながら手を離す。
今日の為に2人掛けソファを2脚用意したが、1脚にすれば良かった。次回は1脚だな。と思いカーナの横へと腰を下ろす、
イプシロン領地産の紅茶を入れて貰い、カーナが持ってきたクッキーを置くと、メイドに目配せをした。メイドが頭を下げて出ていく、もちろん扉は話が漏れない程度に少し開いておく、婚約者とはいえ密室にはしない。その為の護衛騎士の配置だ。
カーナとの距離を詰めようとジリジリと寄ったが、恥ずかしいと、顔を斜め下に向けた顔が赤く瞳が潤んでいる。
少しの間カーナに見とれてしまい、咄嗟に視線を外し。対面側のソファへと移動した。やはり次は1脚にしよう。
流石にこれ以上の無理強いを出来ない
「カーナ魔力検査どうだった?」
「はい。アルゲティ様の影響なのかもしれませんが。魔法の適正が全属性でした。最後にこの花が落ちてきて。」
カーナはその花を栞にして持っていた。赤いスイートピー?それをとても大事そうに仕舞う。
そこからは、教会の部屋の中の話になり、
「アルゲティ様の銅像見て驚きました。」
「僕も見た時驚いたよ!高さあるからね」
「アルゲディ様は守りの女神様なのですね」
「でもカーナはカーナでしょ?」
カーナの髪をひと房持ち口付けをする。真っ赤になったカーナはこれ以上考えられなくなるはずだ、そして余計な考えをしなくても良くなる様にと、思いも込める
それでも何だか色々な事を考え過ぎの様だ。宰相からもう少し話をまた聞くとしよう。僕は話題を変える事にした。
「カーナ?王太子妃の勉強は楽しい?」
「はい!アウラ様大変ですが、楽しいですよ。」
カーナはニッコリと微笑みそれから紅茶を飲む。
オーキッド色の瞳は僕だけを写していて、視線を下にし、瞳が紅茶を写す。透き通る様に白く滑らかな肌と、頬は薔薇色に染まり、その艶やかで柔らかそうな唇は口角を上げて紅茶を飲んでいる。
「ヤバイな吸い込まれそう。」
「アウラ様?どうなさったのですか?」
カーナはキョトンと可愛らしく首を傾けている。
僕はおもむろに抹茶クッキーを皿から取り出す
その柔らかな唇にクッキーが押し込む、
「フグッ?!アウラ様?」
「ごめん。何か考え事してたら、クッキー押し込んでた。」
「・・・・・・。せっかく令嬢らしくしてたのに、むぐ」
「ハハハッごめん。」
最近カーナの色気が凄くて、じーっと見てると何だか色々と・・・。色々と、いけない方向に進みそうになる。
まぁ僕としては、
そちらの方が良いのかもしれない。
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