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学園編
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王太子妃教育と、姉様との再特訓やらで忙しい日々を過ごし、あっという間に一年が過ぎた。
お父様に土属性の魔法を教えてもらい、髪を染める練習を沢山した。オーキッド髪色にあれから何も変化は無い。相変わらず夢は分からないのが多い。
あと前世の夢も見た。弟妹が仏壇に手紙、作者ミユキと書かれた本や何故か乙女ゲームが供えてある夢だ。クッキーもあり懐かしくなった夢。
手紙の内容まではわからなかったのは、寂しいが、大きくなった姿を見た気がして、私は嬉しかった。
学園の制服は学園指定で、白いシャツ、リボン、茶色のブレザー、膝下スカート、ソックス。私は目の色と同じリボンをする予定だ。
姉様は制服に決まりがある為、このリボンで学園女子はオシャレをしているらしい。
確かに前世でしていた乙女ゲームは制服は地味だが、リボンがカラフルだった。
そして制服に袖を通す。この時をどんなに怯えて過ごしていたのかわからない。
入学前にやった事と言えば、ヒロインと学年を変えた事位。色々と問題も山積みだけれど、イベントは起きないはずだから・・・多分。
アウラの婚約者だから目立つのは仕方がないと思う。本当なら目立たない様に隠れたい!目標は私は空気になる!
それでも出来る限りイベントは回避だ!
「お嬢様行ってらっしゃいませ」
「「「トゥカーナ行ってらっしゃい」」」
お父様はまるで嫁にでも行かせるかの様に泣き
お母様は楽しんで来なさい!と励まされる
兄様には、王弟が在学中に学園イベントを色々変えて楽しかった、学園を楽しんでおいで、と、前半不穏なセリフを言われた。
姉様は教師なので、今日は居ない先に行って入学式の準備する為に早めに出掛けた様だ
姉様も今日から学園の教師寮生活するらしい、
「行ってきます!長い休みには帰って来ます」
私はスカートの端をちょこんと持ち上げ挨拶をした。不安な気持ちは微笑みで隠す。
家族、ロッテ、使用人達に見送られ私は馬車に乗る。
侍女さえ連れて行けない学園での寮生活、高位貴族でも例外はない、頑張るぞ私・・・。おー!
最初のイベント。入学式。王太子推し、妹クルミが言っていたのは、
「ここでね王太子が学園代表として、壇上に上がるの、ヒロインの髪はありふれた色だけど、あの瞳の色だけは違うの!王太子はヒロインを見つける、そこから王太子はヒロインに興味を持つ、そこがスタートよ!」
流石に前世で耳にタコ状態だったが、今世で産まれ13年過ぎている。何かを忘れている様だ。
馬車の中1人で自分に気合いを入れた頃、馬車は王都に着いた。緩い上りの坂道を馬車は進み
大きな門の横にある馬車の停留所みたいな所で止まった。
門の前まで歩き、門番に入学手続きの紙を見せて通る、門番が軽く外出時の説明をする。
「外出時は教師に外出先を書き、教師へ提出と、門番に許可証を出して下さい。その許可証が無いと学園へと入る事は出来ません。」
「わかりました。」
セキュリティがしっかりとしていて安心だ。
門番と別れ改めて学園を見る。
そこはオープニングで見た3階建ての白く大きな学園・・・ここから私の学園での寮生活が始まる。
1年後自分が、どうなっているのか・・・わからない生活が今から始まる。
空気になるぞ!おー!
私は気合いを入れて学園へと入る
◆
学園内を見渡す。かなり広いエントランスがあり床には絨毯が引かれ、家具は無いが、絵画が数点飾ってあり、天井を見上げるとシャンデリアが輝いている。ここは確か学園だったよね?頭の中が混乱している。
そこにエントランスで待ち構えていた、姉様に案内をされて、体育館らしい所へ行く
「お姉様?私1人で歩けます」
「あらそうなの?でも可愛いトゥカーナが迷子になったら困るもの」
手を繋いで歩く光景はかなり目立つ私の空気計画すでに破綻してないか?
教師に制服が無いので、周りから見れば保護者に連れ回されている過保護な令嬢だ。
さらに厄介な事にアウラが近付いてくるのが分かった。焦りを見せない様に挨拶せねば・・・。
「アウラ様おはようございます。」
「カーナおはよう」
「あら?王太子様おはようございます。」
姉様?何故そんなに棘がある言い方なのですか?不敬罪で捕まりますよ?
「カーナは僕の婚約者なんだ、カーナと一緒に入学式会場へ行こうと思ってね。」
「あら?王太子様、未婚者2人きりでの行動なんていけませんわ。私もご一緒します。」
姉様はどこから出したのか扇子で口元を隠しながら言い切り、アウラは冷ややかに笑っている。周りの人達は私達を避ける様に歩いていて
私も避ける様に入学式へと行きたい。行かせてください。両サイドから手を握られ会場へと移動する。もう帰りたい。
私の空気生活はここでおわりを告げた。
そろそろ仕事が忙しくなります。
明日からの更新を1日1回、0時にさせて頂きます。
土、日、月曜日は不定期更新になりますので
よろしくお願いいたします。
沢山の栞が挟んであり、とても嬉しく思います。誤字報告もありがとうございます。
お父様に土属性の魔法を教えてもらい、髪を染める練習を沢山した。オーキッド髪色にあれから何も変化は無い。相変わらず夢は分からないのが多い。
あと前世の夢も見た。弟妹が仏壇に手紙、作者ミユキと書かれた本や何故か乙女ゲームが供えてある夢だ。クッキーもあり懐かしくなった夢。
手紙の内容まではわからなかったのは、寂しいが、大きくなった姿を見た気がして、私は嬉しかった。
学園の制服は学園指定で、白いシャツ、リボン、茶色のブレザー、膝下スカート、ソックス。私は目の色と同じリボンをする予定だ。
姉様は制服に決まりがある為、このリボンで学園女子はオシャレをしているらしい。
確かに前世でしていた乙女ゲームは制服は地味だが、リボンがカラフルだった。
そして制服に袖を通す。この時をどんなに怯えて過ごしていたのかわからない。
入学前にやった事と言えば、ヒロインと学年を変えた事位。色々と問題も山積みだけれど、イベントは起きないはずだから・・・多分。
アウラの婚約者だから目立つのは仕方がないと思う。本当なら目立たない様に隠れたい!目標は私は空気になる!
それでも出来る限りイベントは回避だ!
「お嬢様行ってらっしゃいませ」
「「「トゥカーナ行ってらっしゃい」」」
お父様はまるで嫁にでも行かせるかの様に泣き
お母様は楽しんで来なさい!と励まされる
兄様には、王弟が在学中に学園イベントを色々変えて楽しかった、学園を楽しんでおいで、と、前半不穏なセリフを言われた。
姉様は教師なので、今日は居ない先に行って入学式の準備する為に早めに出掛けた様だ
姉様も今日から学園の教師寮生活するらしい、
「行ってきます!長い休みには帰って来ます」
私はスカートの端をちょこんと持ち上げ挨拶をした。不安な気持ちは微笑みで隠す。
家族、ロッテ、使用人達に見送られ私は馬車に乗る。
侍女さえ連れて行けない学園での寮生活、高位貴族でも例外はない、頑張るぞ私・・・。おー!
最初のイベント。入学式。王太子推し、妹クルミが言っていたのは、
「ここでね王太子が学園代表として、壇上に上がるの、ヒロインの髪はありふれた色だけど、あの瞳の色だけは違うの!王太子はヒロインを見つける、そこから王太子はヒロインに興味を持つ、そこがスタートよ!」
流石に前世で耳にタコ状態だったが、今世で産まれ13年過ぎている。何かを忘れている様だ。
馬車の中1人で自分に気合いを入れた頃、馬車は王都に着いた。緩い上りの坂道を馬車は進み
大きな門の横にある馬車の停留所みたいな所で止まった。
門の前まで歩き、門番に入学手続きの紙を見せて通る、門番が軽く外出時の説明をする。
「外出時は教師に外出先を書き、教師へ提出と、門番に許可証を出して下さい。その許可証が無いと学園へと入る事は出来ません。」
「わかりました。」
セキュリティがしっかりとしていて安心だ。
門番と別れ改めて学園を見る。
そこはオープニングで見た3階建ての白く大きな学園・・・ここから私の学園での寮生活が始まる。
1年後自分が、どうなっているのか・・・わからない生活が今から始まる。
空気になるぞ!おー!
私は気合いを入れて学園へと入る
◆
学園内を見渡す。かなり広いエントランスがあり床には絨毯が引かれ、家具は無いが、絵画が数点飾ってあり、天井を見上げるとシャンデリアが輝いている。ここは確か学園だったよね?頭の中が混乱している。
そこにエントランスで待ち構えていた、姉様に案内をされて、体育館らしい所へ行く
「お姉様?私1人で歩けます」
「あらそうなの?でも可愛いトゥカーナが迷子になったら困るもの」
手を繋いで歩く光景はかなり目立つ私の空気計画すでに破綻してないか?
教師に制服が無いので、周りから見れば保護者に連れ回されている過保護な令嬢だ。
さらに厄介な事にアウラが近付いてくるのが分かった。焦りを見せない様に挨拶せねば・・・。
「アウラ様おはようございます。」
「カーナおはよう」
「あら?王太子様おはようございます。」
姉様?何故そんなに棘がある言い方なのですか?不敬罪で捕まりますよ?
「カーナは僕の婚約者なんだ、カーナと一緒に入学式会場へ行こうと思ってね。」
「あら?王太子様、未婚者2人きりでの行動なんていけませんわ。私もご一緒します。」
姉様はどこから出したのか扇子で口元を隠しながら言い切り、アウラは冷ややかに笑っている。周りの人達は私達を避ける様に歩いていて
私も避ける様に入学式へと行きたい。行かせてください。両サイドから手を握られ会場へと移動する。もう帰りたい。
私の空気生活はここでおわりを告げた。
そろそろ仕事が忙しくなります。
明日からの更新を1日1回、0時にさせて頂きます。
土、日、月曜日は不定期更新になりますので
よろしくお願いいたします。
沢山の栞が挟んであり、とても嬉しく思います。誤字報告もありがとうございます。
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