気がついたら乙女ゲームだった!チートって何ですか?美味しいですか?

おばば様

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幼女編

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 ガボガボ…なぜこうなったのだろう?

 私は水の中で溺れている、私の専属メイドが大慌てで引っ張り上げた。

「お嬢様大丈夫ですか!?誰か早くお医者さんを呼んでください!それとお嬢様が風邪を引いてしまいますタオルを早く持ってきて!」

 メイドは噴水まで入ってきてギュッと抱きしめる、人肌は暖かいな。季節は夏とはいえ始まったばかり冷えて風邪をひかぬ様ずぶ濡れな私を温める。チラリと見えた落ちそうだった男の子は無事だったらしい。耳に水が入ったのかザワザワする声だけは分かった。しかし同時にキーンと耳鳴りがして回りが何を言ってるか分からない、

なぜこうなったのかと言えば、私は追いかけっこをして押された男の子が噴水にひっくり返りそうになったのが見えただけ、
空から鳥のものなのか白い羽がヒラヒラ落ちたのが見えた。綺麗な羽と思いながら瞼が重くなった私はそのまま気を失ってしまったらしい、



 目を覚ましたらそこは知らない天井・・・辺りを見渡すと豪華な家具、手を見れば小さな手・・・なんだこりゃー!と心の中で叫ぶ、混乱してる中ノックの音と共にメイドさんが入ってきた。

「お嬢様良かった目が覚めたのですね。溺れたのを覚えてますか?お嬢様は1週間眠っていたのですよ、すぐにご家族をお呼びしますお待ちください。」

 私が目が覚めたのを確認したメイドのロッテは慌てて家族を呼びに行った。
 私の頭の中はクエッションマークが沢山だ。溺れた?あの子は無事?なんでこんな豪華な場所で寝かされているの?ぐるぐる考えてるうちにバンと大きく扉が開く音と同時にガバッと抱きつかれた。
 飛び込んできた人は自分の父親、一目見ればこの人は父親でその後ろでまたやってると呆れ顔のイケメンは兄らしい、ぞろぞろと美人な母親と美少女な姉も来て大きな部屋だけど狭く感じる。
 それよりもお父様ほっぺたをグリグリしないで!こっちは寝起きで頭がボーッとしてるの、

「気がついたんだね良かった!」

「お父様?グリグリ嫌です。」

「そうお父様だ、気がついて本当によかった。お父様もお母様もお兄様もお姉様も沢山心配してたんだ。」

「ご心配かけました。ごめんなさい、」

「無事だったならいいんだ!お父様は心配で心配で、さぁお父様にいつもの挨拶をしよう、」

「妹よ、少しの間我慢してくれ、」

「えっ我慢?ひゃー!」

 優しく抱き上げられた私が見たのは、きっとアイドルも顔を青くする程のイケメンなお父様の顔面ドアップ、キラキラ眩しい笑顔と共に右と左に場所を変えられかれこれ1分程頬ずりをされている。思わず顔を背けようとすると、とても悲しそうな顔をされるので、私はされるがままにされている、
 お兄様は我慢してと言っていた。受け入れ態勢をとればとても嬉しそうな顔をするお父様を見ると少しくらいいいかな?とタップしそうな手を下ろし現実逃避を始める、
 ツルツルなお肌に髭はない、森林を思わせる香りは香水だろうか、お兄様やお姉様はお父様から頬ずりをされるのだろうか?チラリとお兄様を見ればため息を付いてお父様を見て、私に同情めいた視線を送っている、お姉様は「寝起きの頬ずりは私が最初だと思っていましたのに!」とギリギリとお父様を睨んでいる、
 お兄様も頬ずりをされてるな、お姉様は分からない、お母様は「あらあら、ボレアリスあなたも頬ずりしたかったのね、」と困った顔をしてる、お母様困ってるの私なので助けてください、
 なるがままでいると、後ろで呆れ顔をしたお兄様がチラリと横を見る、30代位の綺麗な顔をした黒髪の執事が「失礼します。」とペリっと私からお父様を引っぺがした。すかさずお兄様はお父様の背中をギュッと扉の方へ押す。

「お父様行ってらっしゃい、玄関で青い顔をした部下の人が待ってます。」

「判子が欲しいなら机の上にあると言ったぞ、今日はとても嬉しい日だ。眠っていたこの子が目覚めたんだ。だからこの子の為に一日中側にいると決めた。お父様にとって子供は天使なんだ。」

「それは決済の判子をお父様しか押せないからでしょ?早く行ってあげて下さい、ストレスが凄いのかお腹押さえていらっしゃいますよ、」

「お父様、可愛い私の妹ですもの、後の事は私がきちんと面倒みますわ、」

「仕方がない、可愛い子お父様は早く帰ってくるから、寂しくても泣くんじゃないよ、チラ、チラ、」

「頑張って下さい、」

 騒いでいたお父様は何度も何度もこちらを見ては、売られていく子牛のように出ていきました。
 整った顔をしたお兄様が私の顔を見て心底安心した顔をして頭を撫でてくれるし、いつの間にかいたお姉様はお父様が頬ずりした場所を上書きだと、同じ場所を優しく頬ずりした。上書きって何?とぼんやり考えていたら、お母様は頬ずりしてるお姉様を私から離し、私の頭を優しく撫でる。

「目が覚めて良かったわ私の可愛い子、早く元気になってね、どうして噴水に飛び込んだのかしら?まぁいいわ、あなたが無事ならなんでもいいの、」

「お母様ごめんなさい、せっかくのドレスがびしょ濡れになってしまって、」

「いいのよ、ドレスはまた買えばいいけど、あなたは替えがきかない、ゆっくり休みなさい、」

「可愛い妹が無事で本当に良かった。トゥカーナおやすみなさい、寝てると暇だから明日はお姉様と一緒に絵本を読みましょう。また明日ね可愛いトゥカーナ、」

「トゥカーナ……?どこかで聞いたことがあるような?」

 仕事に行ってしまったが、お父様には頬ずりをされ(ちなみに力か強すぎて死ぬかと思った)
 御手洗に行こうと起き上がろうとしたら、まだ足元はフラフラする私を見た家族一致で寝てなさい!とベッドにふんわりと寝かされている。
 御手洗は……言えないがきちんと行きました。というよりしてもらったに近い、先程のやり取りを思い出し恥ずかしくなったので、ふかふかのベッドに潜り込み考える、意識が戻ったとはいえ追加で3日の療養を言い渡された。ほかに何も出来ないので、頭の中を整理するには丁度いい時間になると思う。



 時はさかのぼり溺れる前の話になる。


 ◆


 今日はお茶会の日、お兄様とお姉様もおめかしはバッチリらしい、私達のドレスが出来上がった日にお仕事で見られないお父様の為にお披露目したんだ。

 ふわふわでお気に入りのドレスをメイドにバッチリ着せてもらい、鏡の前でクルクルと回る、
 今日私は初めてのお茶会に出る日。ドキドキするわ、
 ふわふわの薄いピンクのドレスに、レースを可愛くあしらい腰には少し大きめのリボン。ワンポイントが欲しかったので急遽付けてもらった。ふわふわ動くリボンはやっぱり最強に可愛い、

 私は一回転してクルっと回り姿見でチェック。姿見の中の少女が右に左に身体をひねらせ満足してから正面を向いた。フワッとしたリボンも少し遅れて落ち着く、それから机の上に置いてある宝物入れから一枚の白い羽根を取り出した。
 この羽根はお父様からお守りとして貰ったもの、お父様は何処で貰ったとかはけして教えてくれなかったけど、緊張した時に触ると不思議と心が落ち着く、ゆっくり綺麗な羽根を撫で、無くさないようにまた宝箱に入れ直した。

「お父様におねだりして買ってもらったこのドレス、きっと私の可愛さに皆仲良くしてくれるはず……たぶん。お友達が出来るといいな。」

「お嬢様大変華麗で可愛いです。大丈夫です。お嬢様の可愛さをわからない人はいません。……もしそんな不届き者が居たら、ボレアリス様が対処をされるでしょうから、」

「えへへ。嬉しい!お父様達の所に行ってきます!」

 後半の呟きを聞き取れないまま、メイドに照れ笑いをしていそいそと階段を降り家族の元へ向う。
 そこには出勤前のお父様がいらっしゃるので、お見送りをする。それは毎朝の日課だ。

 お父様は宰相という仕事をしていて、とても忙しいとお母様が教えてくれた。そんなお母様はこの土地の領主で日々忙しくしている、多忙な両親と毎日会うのは難しく、朝食の時かか仕事に向かう時間だけの時が多い。
 そんなお父様は白金の髪を後ろに撫で付けビシッと決まっているが、子煩悩の為か自分の子供が見送ると知るとエメラルドの目元を優しく下げ、子供らしくトトトと駆け寄る私を両手を広げ待ち受ける。

「おぉ!私の可愛いトゥカーナ、お父様はもう仕事辞めてもいいかな?それとも一緒にお父様と仕事場に来るかい?名案だ!是非そうしよう!」

 お父様は私の事を思いっ切りハグする、私は苦しくて、思わずタップする。確か3回叩けばギブ!このタップはお兄様達が苦肉の策で決めた決まりらしい、それはそれでどうなの?お父様……、

「ヴェ!お父様苦しい!ギブ!」

 3回タップをする。ちなみに毎朝こうである。
 横でクスクス笑い声がする、振り向くとお母様とお姉様が毎朝の恒例行事を楽しんでいる様で、
 お母様は、ベイビーブルーの髪の両サイドを少し編み込みをし耳後ろで縛っている、お母様は私に言い聞かせる様に、その場で屈むと私と同じオーギットの目を見て話す。お母様はお父様が大好きなのです。

「お父様はトゥカーナにハグするのは、淋しいからなのよ。」

「私はハグはもう沢山貰いましたし、お父様、お母様とハグをされればいいかと思います。」

「まぁあらあらトゥカーナったら、ではお言葉に甘えてそうしましょうか。」

 お母様?私は毎回それで死にそうになっているのですよ?お母様がお父様と軽くハグをかわし愛を囁いてる。甘い、しかしお父様のハグが強くなると、お母様はどこからか扇子を取り出しピシャリとして怒る、私もそうした方がいいのだろうか?等と考えてると、横からギュッと抱きつく美少女、なぜか頬ずりをされる。もしかしたらこの家の挨拶方法なのかもしれない、でもお兄様はこの挨拶でしないな、

「さぁお姉様とも挨拶しましょ!、……私のトゥカーナは私のなのに、」

「お姉様、ギュッとされると恥ずかしい、」

 お姉様は私にとても優しい。お姉様は頬を赤らめてもう一度ギュッと抱きついた。白金のストレートヘアーの髪がさらりと肩から滑り落ちる。

「私お父様のハグは卒業できたけど、私の時はもう少し強かったと思うわ。」

「僕の時はもっと凄かったよ。ハグをされながらお城に連れていかれたし、執務室に着く前に家の執事が僕を回収するまでがセットだったから、あの時の事を知ってる人がいると思うと、僕お城に行くの少し恥ずかしい。
それにお父様はやっと首が座った僕を学園にも連れていったとか、なんでかは聞かないけど、
教師の間に流れる伝説化をしてるらしい、」

「お兄様も話を聞くと、私はまだ恵まれてると感じるわ、」

 その当時を思い出したのか、エメラルドの瞳が潤み悲しげな顔をするお姉様。お兄様は第1子だったからでしょうか?
これ以上強いと私死んでしまいます!

 そんなやり取りの中お兄様は横からボソッと言う、

「流石にヴェ!は無いと思うよ。」

 ベビーブルーの髪をかき揚げ笑っている。
 エメラルドの目は涙目。酷いよ兄様!私が怒っている事を知った兄様が助言をくれる。

 僕は捕まらない様にすり抜けたから、トゥカーナも捕まらない様になればいいんだ!とポツリと零す。
 なんて事言っているのですかお兄様?出来たらやってます!

 そんなやり取りを傍で聞いていたお父様は、淋しそうに笑う、

「大丈夫だ!息子には逃げられたけど娘には逃げられないはず!」


 めげてはいない様で、なんだか怖い位に力説をしている。そんなやり取りを聞いていた姉様は

「反射で逃げてしまいますから、もう少しやんわりとハグして下さい」

 とお願いをしていた。姉様優しい!ありがとう!
 なんだかんだとあり、お父様は渋々と仕事に出かけて行きました。

 お茶会の時間になり馬車が入り始める。
 今日は私のお茶会デビューの為少人数の集まり、

 集まった皆さんに、行儀教育で教えて貰ったスカートの端を摘んで、

「ようこそいらっしゃいました。今日は楽しんで下さい」

 と、挨拶を済ませると、私は姉様の顔を見る、姉様がよく出来ていたよと、頷いていて、

 お茶会がスタートする。私と同じ歳の子供もいて、私は同じ歳の令嬢とお喋りをしていた。話題はやはりドレスの流行りや、同じ歳の王太子様の事等、お喋りに花を咲かせる。

 1人の同じ歳男の子が噴水近くで走り回る、理由は分からないが危ないなぁと見ていたら、その子は噴水の前で盛大に転ぶと目の前の噴水へと落ちて溺れた。パニックになってるらしい、目の前で起きたことに一瞬頭が真っ白になる、

「ダメ!私が助ける!」

 何かの記憶がフラッシュバックする、頭の中で「お姉ちゃん!」と頭の中で聞いたことがないが懐かしい声が聞こえる、私は胸が苦しくなり荒い呼吸のまま、私はドレスの事も忘れ噴水へ入った。
 私の回りに大人が居ないが、3人の内一緒に走り回ってた男の子の1人が誰かを呼びに行くのが視線の先で見えた。私は溺れていた子を助けたが、その子の重さで後ろに倒れ次は私が溺れた。
 (足は着く、ちなみに噴水の水嵩は私の膝下だ)


 ガボガボと空気の泡が口や鼻から出る。この光景を見た事がある。あの時の事そして今溺れて思い出す。それは私にはもう一つ人生があったらしい、溺れた弟を助け……、

「そっか良かった弟は助かったんだ。」

 なぜなら私は溺れた弟を助けて死んだと思われる。

「お嬢様大丈夫ですか?すぐにタオルをお持ちします少々お待ちください、」

 メイドが手を引っ張ってもらい座り込んだ私の姿がゆらゆらと水に映る、噴水の底に付いた手が痛くなり手を膝の上に置いた。怪我をしてないか手のひらを見たが怪我はなかった、しかし小さい手のひらを見ても成人を超えた前世程大きくない、
 何で私ここに居るんだろ?と思うと、そのままひっくり返ってしまい2度程溺れ、辺りにまた悲鳴が響いた。


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