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御使い様が誑しに進化しました
【御使い様は学びたい34】
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「あ~フカミ君のご飯が今日も美味しい!このままだと太る~!!!」
そう言いながらお弁当を頬張るルナトー。
夜のエクササイズでかなりのカロリーを使っているので問題ないだろう。
一晩で5人を相手するとは、見かけからは想像できない精剛である。
そんなに爛れてて良いのか王宮所属巫女………。
深海とフィルドは同時に思った。
「確かに美味しいね~、他の人の食事見ているとどんだけ自分たちが食に潤っているかわかるし」
そう、周りの乗車客は硬そうなパンと1欠片のチーズ、そして干し肉を食べていた。
貧民を相手にしている獣車だ。
周りの食がさもしいのも仕方ない。
少しばかり申し訳なさも感じるが。
周尾視線が少し痛い。
仕方ない、深海の作るお弁当は本当に美味しそうなのだ。
「確かに皆さんの昼食は少寂しいですね」
「「!?」」
深海の言葉にフィルドとルナトーは固まった。
まさかお弁当分けるつもりじゃないよね?
そうだよね?
頼むからそう言って!!
そんな表情である。
確かに周りに悪いな~とは思うが自分の食い扶持を減らすのは嫌である。
フィルドとルナトーは人間性に問題ないが、そこまで食にたいして寛大でない。
深海のお弁当が美味しいのが悪いと思われる。
見ただけで美味しそうなのだ。
そして事実美味しい。
周りの視線を集めるのは仕方ない。
でもこれを分けてあげるのは絶対に嫌である。
それなら少しばかりの金を渡してあげる方がまだ我慢できる。
深海のご飯を食べる権利をそこいらの、ただ相乗りしているだけの他人に配るなんて問題外だ。
「俺、ちょっと差し入れしますね」
「「俺/僕のお弁当!!」」
「大丈夫、お弁当意外ですよ」
そう言って深海はバックからごそごそと荷物を取り出す。
「「?」」
フィルドとルナトーが頭に?マークを浮かべる。
「ちゃんとお2人の分もありますからね」
そう言って深海は近くに居た乗客に話しかけに行ってしまった。
深海が少しの包みを渡すと乗客は奇跡でも起きたような明るい顔になった。
子供がはしゃいでいる。
何か食べ物を渡したらしい。
そして相乗りしていた乗客全員に包みに渡した後、御者にも渡す。
御者は感動からか涙目になった。
この旅で多分1番食事がさもしいのは御者であろう。
獣車の御者は決してそれ程稼げる仕事でない。
貧民を相手にしているので仕方ない。
でも金持ちの相手を出来るほどの獣車を扱うのは大変だ。
獣車を引く魔獣は御者のテイマーとしての能力によってレベルが変わる。
この獣車を引く魔獣はそれ程高レベルでない。
御者のテイマーの能力が低いのだろう。
だが中々の大きな体の熊型の魔獣は馬力だけはある。
今一スピードは無いが。
スタミナもあるし、長旅には持って来いの魔獣だ。
この魔獣を獣車に扱うのは低レベルのテイマーにはよくある事だ。
まずテイマーと言う職業が冒険者の中でも外れ職業なのである。
己で戦えない。
テイムできる出来る魔物は低レベル。
ここ数百年で高レベルの魔物を使役したテイマーの話など聞いたことも無い。
大体のテイマーは途中で戦力外通知を言い渡されて冒険者パーティーを辞める事が多い。
そして獣社業をするものが多い。
この獣車の御者も同じであった。
深海に包みを貰ってペコペコ頭を下げている。
それを笑顔で受け返し、深海はフィルドとルナトーの元へ戻ってきた。
「フカミちゃん何渡したの?」
「日持ちするクッキーですよ」
ニッコリと深海が答えた。
この時代、日持ちする甘味など貧民には中々手に入らない。
そりゃ喜ぶわけだ。
フィルドは思った。
だが深海のお手製クッキーが特別な人間じゃなく、ただ一緒の獣車に乗り合わせただけの他人に渡るのは何かが嫌である。
喉に何かつっかえたような訳の分からないイライラ。
それが嫉妬と分かるほど、フィルドの恋愛の経験値は高くない。
傍から見ているルナトーには丸分かりだが。
勿論鈍い深海も気付いていない。
「お2人には特別製」
はい、と深海はマドレーヌが入った入れ物を出した。
黄金色の、綺麗な形のマドレーヌ。
型が宿屋の厨房にあったから作ったと言う。
視覚と嗅覚だけでもう美味しいのが分かる。
コレは間違いなく特別製だ。
「これは日持ちしないので今日中に食べましょうね、フィルド様が甘いもの好きだから甘味を強めにしていますよ」
本当に特別製中の特別製であった。
「食べますよね?」
「うん!食べる!!」
フィルドの機嫌が一気に直る。
だってコレは深海がフィルドの事を考えて作ってくれた、飛びっきりの特別製のお菓子であるのだから。
そう言いながらお弁当を頬張るルナトー。
夜のエクササイズでかなりのカロリーを使っているので問題ないだろう。
一晩で5人を相手するとは、見かけからは想像できない精剛である。
そんなに爛れてて良いのか王宮所属巫女………。
深海とフィルドは同時に思った。
「確かに美味しいね~、他の人の食事見ているとどんだけ自分たちが食に潤っているかわかるし」
そう、周りの乗車客は硬そうなパンと1欠片のチーズ、そして干し肉を食べていた。
貧民を相手にしている獣車だ。
周りの食がさもしいのも仕方ない。
少しばかり申し訳なさも感じるが。
周尾視線が少し痛い。
仕方ない、深海の作るお弁当は本当に美味しそうなのだ。
「確かに皆さんの昼食は少寂しいですね」
「「!?」」
深海の言葉にフィルドとルナトーは固まった。
まさかお弁当分けるつもりじゃないよね?
そうだよね?
頼むからそう言って!!
そんな表情である。
確かに周りに悪いな~とは思うが自分の食い扶持を減らすのは嫌である。
フィルドとルナトーは人間性に問題ないが、そこまで食にたいして寛大でない。
深海のお弁当が美味しいのが悪いと思われる。
見ただけで美味しそうなのだ。
そして事実美味しい。
周りの視線を集めるのは仕方ない。
でもこれを分けてあげるのは絶対に嫌である。
それなら少しばかりの金を渡してあげる方がまだ我慢できる。
深海のご飯を食べる権利をそこいらの、ただ相乗りしているだけの他人に配るなんて問題外だ。
「俺、ちょっと差し入れしますね」
「「俺/僕のお弁当!!」」
「大丈夫、お弁当意外ですよ」
そう言って深海はバックからごそごそと荷物を取り出す。
「「?」」
フィルドとルナトーが頭に?マークを浮かべる。
「ちゃんとお2人の分もありますからね」
そう言って深海は近くに居た乗客に話しかけに行ってしまった。
深海が少しの包みを渡すと乗客は奇跡でも起きたような明るい顔になった。
子供がはしゃいでいる。
何か食べ物を渡したらしい。
そして相乗りしていた乗客全員に包みに渡した後、御者にも渡す。
御者は感動からか涙目になった。
この旅で多分1番食事がさもしいのは御者であろう。
獣車の御者は決してそれ程稼げる仕事でない。
貧民を相手にしているので仕方ない。
でも金持ちの相手を出来るほどの獣車を扱うのは大変だ。
獣車を引く魔獣は御者のテイマーとしての能力によってレベルが変わる。
この獣車を引く魔獣はそれ程高レベルでない。
御者のテイマーの能力が低いのだろう。
だが中々の大きな体の熊型の魔獣は馬力だけはある。
今一スピードは無いが。
スタミナもあるし、長旅には持って来いの魔獣だ。
この魔獣を獣車に扱うのは低レベルのテイマーにはよくある事だ。
まずテイマーと言う職業が冒険者の中でも外れ職業なのである。
己で戦えない。
テイムできる出来る魔物は低レベル。
ここ数百年で高レベルの魔物を使役したテイマーの話など聞いたことも無い。
大体のテイマーは途中で戦力外通知を言い渡されて冒険者パーティーを辞める事が多い。
そして獣社業をするものが多い。
この獣車の御者も同じであった。
深海に包みを貰ってペコペコ頭を下げている。
それを笑顔で受け返し、深海はフィルドとルナトーの元へ戻ってきた。
「フカミちゃん何渡したの?」
「日持ちするクッキーですよ」
ニッコリと深海が答えた。
この時代、日持ちする甘味など貧民には中々手に入らない。
そりゃ喜ぶわけだ。
フィルドは思った。
だが深海のお手製クッキーが特別な人間じゃなく、ただ一緒の獣車に乗り合わせただけの他人に渡るのは何かが嫌である。
喉に何かつっかえたような訳の分からないイライラ。
それが嫉妬と分かるほど、フィルドの恋愛の経験値は高くない。
傍から見ているルナトーには丸分かりだが。
勿論鈍い深海も気付いていない。
「お2人には特別製」
はい、と深海はマドレーヌが入った入れ物を出した。
黄金色の、綺麗な形のマドレーヌ。
型が宿屋の厨房にあったから作ったと言う。
視覚と嗅覚だけでもう美味しいのが分かる。
コレは間違いなく特別製だ。
「これは日持ちしないので今日中に食べましょうね、フィルド様が甘いもの好きだから甘味を強めにしていますよ」
本当に特別製中の特別製であった。
「食べますよね?」
「うん!食べる!!」
フィルドの機嫌が一気に直る。
だってコレは深海がフィルドの事を考えて作ってくれた、飛びっきりの特別製のお菓子であるのだから。
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