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【カカン王国下水問題】
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「では王都の方に下水を作るのは大変なコストがかかって出来そうにもないんですかね。火魔術で処分していくのは効率が悪すぎますし、誰でも火魔術が使えれば問題ないんでしょうけど……」
「フカミの世界ではどういう具合だったんだ?」
「家庭や工場で発生した汚水や、道路に降った雨水は、下水管に流入します。
下水管は、 都市の地下に網目状に埋設されていて、汚水を下水処理場まで運び、 雨水を河川等に運ぶ役目をしています。下水管は下水を流すために、こう配をつけて埋められています。
下水処理場では、バクテリアなどの微生物が下水の汚れを食べることを利用して、 下水をきれいに処理します。きれいに処理された下水は、 河川や海などに放流されて自然の水循環に戻っていきます。
処理場に運ばれた下水は、まず、沈砂池と呼ばれる池に入り、 下水の中に含まれている大きなゴミや砂は、ここで取り除かれます。
大きなゴミや砂を取り除かれた下水は、最初沈殿池に入ります。 この池をゆっくりと流れていく間に、 沈砂池で沈まなかった小さなゴミや砂はそこに沈んで取り除かれます。
最初沈殿池を通った下水は、反応タンクに入ります。 反応タンクでは、バクテリアや原生動物のような微生物の集まりを下水に混ぜて、空気を吹き込みま す。
活性汚泥は、 下水に溶けた空気を呼吸しながら水の汚れを食べ、増殖し、水はきれいになっていきます。
反応タンクで増殖した活性汚泥は、この最終沈殿池で沈み、取り除かれ、下水はきれいになります。最後に、最終沈殿池の上澄み水を消毒してから、 きれいになった下水処理水として河川や海に放流されます」
頭の中で水道局の見学に行った時の映像を思い出しながら深海が日本の下水の説明をした。
「へ~凄いねその施設」
「今の説明で伝わりました?」
「俺の方は問題ない」
「まぁ大体は…」
特別頭の良いカグウとチノシスには今の説明で通じたらしい。
どうなっているんだこの2人の頭の中。
「俺は頭の中覗かせて貰ったから大丈夫だよ~」
「はい?覗いて、て…うわぁぁぁぁ止めて下さい!恥ずかしさで死ねます!つーか俺の頭の中そんなしょっちゅう覗いてたりするんですか!?」
「大丈夫~必要に応じてしか覗かないから。それにしてもフカミちゃんのトコの文明凄いわ。東の文明国家のクロイツ王国にも匹敵するんじゃない?」
空中に胡坐をかいてプカプカ浮いているフィルドが言う。
「東のクロイツ王国?と言うことは此処は西に当たる訳ですか?良ければこの大陸の名前とかあるなら教えて頂きたいのですが」
「ここはアメイジア大陸だよ~」
「!!」
「どうかした?」
プカプカ浮いたまま深海の目の前に来たフィルドが深海の顔を覗き込む。
本当にその前髪越しで表情が読み取れるのかとも思うが声色的に蒼褪めた深海を心配しての行動らしい。
ラキザだけでなくカグウの親衛隊は人が良いらしい。
「大丈夫です。で、下水の件なんですが、聞きたいことがありまして。この世界にスライムっています?」
魔法があるならモンスターも存在するのではないかと考え深海は疑問をぶつけた。
「スライム?存在するよ~」
どうやら会話の係はフィルドに一任されているようだ。
カグウでは深海が緊張してしまうしチノシスは半分寝ているし適材適所と言うやつだろう。
「スライムって何でも食べます?」
「食べるね~」
「じゃぁ排泄物とかも食べたりしませんか?」
「「「!!」」」
フィルドだけでなくカグウとチノシスも反応し、一斉に深海の方を凝視した。
「だったら地中に穴を掘ってソコにスライムを放して汚物をその穴に落とすと言うのはどうでしょう?出来れば個人の家のトイレが穴に直結したらベストですね。全家庭は流石に時間がかかるのですぐには無理でしょうけど人の集まる場所に公衆トイレを何か所か設置したいですね。後、汚物を窓から捨てるのは王命で厳しく処罰すると言う事にしないと衛生問題は解決しないと思います。同時に街の掃除も行いたいので人を募って賃金と炊き出しを与える事で労働力も確保したいです」
「フィルド、お前の土魔術で何とかなるか?」
「カグウがやれって言うなら公衆トイレくらいなら3日くれれば完成させるよ~」
この王都はかなり広く深海が見たところ数万単位で人が住んでいるように思えた。
それを3日でやってしまうとはフィルドは深海が思っていた以上に凄腕の魔術師のようだ。
流石は宮廷魔術師長の名は伊達ではない。
「トイレの形は和式スタイルなら作りやすいと思いますよ」
「和式?どんな感じ?」
「こんな感じです。頭の中覗いちゃってください」
「ではでは、うん!これならすぐ作れるね!!」
フィルドが顔の横で両手でグッと拳を握る。
何処か拳の握り方が女の子っぽい。
喋り方もギャル感があり思わず女子か!と突っ込みたくなるのを深海は堪えた。
その後フィルドは本当に3日でスライム下水の公衆トイレを数十か所作り上げ更に深海を驚かすこととなる。
「フカミの世界ではどういう具合だったんだ?」
「家庭や工場で発生した汚水や、道路に降った雨水は、下水管に流入します。
下水管は、 都市の地下に網目状に埋設されていて、汚水を下水処理場まで運び、 雨水を河川等に運ぶ役目をしています。下水管は下水を流すために、こう配をつけて埋められています。
下水処理場では、バクテリアなどの微生物が下水の汚れを食べることを利用して、 下水をきれいに処理します。きれいに処理された下水は、 河川や海などに放流されて自然の水循環に戻っていきます。
処理場に運ばれた下水は、まず、沈砂池と呼ばれる池に入り、 下水の中に含まれている大きなゴミや砂は、ここで取り除かれます。
大きなゴミや砂を取り除かれた下水は、最初沈殿池に入ります。 この池をゆっくりと流れていく間に、 沈砂池で沈まなかった小さなゴミや砂はそこに沈んで取り除かれます。
最初沈殿池を通った下水は、反応タンクに入ります。 反応タンクでは、バクテリアや原生動物のような微生物の集まりを下水に混ぜて、空気を吹き込みま す。
活性汚泥は、 下水に溶けた空気を呼吸しながら水の汚れを食べ、増殖し、水はきれいになっていきます。
反応タンクで増殖した活性汚泥は、この最終沈殿池で沈み、取り除かれ、下水はきれいになります。最後に、最終沈殿池の上澄み水を消毒してから、 きれいになった下水処理水として河川や海に放流されます」
頭の中で水道局の見学に行った時の映像を思い出しながら深海が日本の下水の説明をした。
「へ~凄いねその施設」
「今の説明で伝わりました?」
「俺の方は問題ない」
「まぁ大体は…」
特別頭の良いカグウとチノシスには今の説明で通じたらしい。
どうなっているんだこの2人の頭の中。
「俺は頭の中覗かせて貰ったから大丈夫だよ~」
「はい?覗いて、て…うわぁぁぁぁ止めて下さい!恥ずかしさで死ねます!つーか俺の頭の中そんなしょっちゅう覗いてたりするんですか!?」
「大丈夫~必要に応じてしか覗かないから。それにしてもフカミちゃんのトコの文明凄いわ。東の文明国家のクロイツ王国にも匹敵するんじゃない?」
空中に胡坐をかいてプカプカ浮いているフィルドが言う。
「東のクロイツ王国?と言うことは此処は西に当たる訳ですか?良ければこの大陸の名前とかあるなら教えて頂きたいのですが」
「ここはアメイジア大陸だよ~」
「!!」
「どうかした?」
プカプカ浮いたまま深海の目の前に来たフィルドが深海の顔を覗き込む。
本当にその前髪越しで表情が読み取れるのかとも思うが声色的に蒼褪めた深海を心配しての行動らしい。
ラキザだけでなくカグウの親衛隊は人が良いらしい。
「大丈夫です。で、下水の件なんですが、聞きたいことがありまして。この世界にスライムっています?」
魔法があるならモンスターも存在するのではないかと考え深海は疑問をぶつけた。
「スライム?存在するよ~」
どうやら会話の係はフィルドに一任されているようだ。
カグウでは深海が緊張してしまうしチノシスは半分寝ているし適材適所と言うやつだろう。
「スライムって何でも食べます?」
「食べるね~」
「じゃぁ排泄物とかも食べたりしませんか?」
「「「!!」」」
フィルドだけでなくカグウとチノシスも反応し、一斉に深海の方を凝視した。
「だったら地中に穴を掘ってソコにスライムを放して汚物をその穴に落とすと言うのはどうでしょう?出来れば個人の家のトイレが穴に直結したらベストですね。全家庭は流石に時間がかかるのですぐには無理でしょうけど人の集まる場所に公衆トイレを何か所か設置したいですね。後、汚物を窓から捨てるのは王命で厳しく処罰すると言う事にしないと衛生問題は解決しないと思います。同時に街の掃除も行いたいので人を募って賃金と炊き出しを与える事で労働力も確保したいです」
「フィルド、お前の土魔術で何とかなるか?」
「カグウがやれって言うなら公衆トイレくらいなら3日くれれば完成させるよ~」
この王都はかなり広く深海が見たところ数万単位で人が住んでいるように思えた。
それを3日でやってしまうとはフィルドは深海が思っていた以上に凄腕の魔術師のようだ。
流石は宮廷魔術師長の名は伊達ではない。
「トイレの形は和式スタイルなら作りやすいと思いますよ」
「和式?どんな感じ?」
「こんな感じです。頭の中覗いちゃってください」
「ではでは、うん!これならすぐ作れるね!!」
フィルドが顔の横で両手でグッと拳を握る。
何処か拳の握り方が女の子っぽい。
喋り方もギャル感があり思わず女子か!と突っ込みたくなるのを深海は堪えた。
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