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そして全能神は愉快犯となった
【116話】
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「す、素晴らしいですマロン様!このポーション、中級なのに上級並みの効能ですよ!?」
「天界の材質で作っているのもありますがコツがありましてね」
マロンがポーションの製造レシピを説明する。
カノンはソレを真剣にメモに書いていく。
元々薬学を学んでいたカノンにとって、マロンのポーション製造は目を見張るほどの高技術で聞いているだけでも胸が躍る。
マロンの方も良い教え子が出来て、薬学の話をするのも久しく楽しい様だ。
これがカノンの朝のお勤め。
マロンによる薬学授業である。
:::
「大振りしなくていい、脇を締めてもっとコンパクトに振れ」
「はい、クオン様!」
昼は騎士団の訓練に参加。
剣を握った事の無かった手は今は豆が出来ている。
その豆が潰れると大変痛い。
それを治すことはサイヒによって止められている。
苦労して身に付けた技術こそ真に身につく技術だからだ。
楽をして覚えた付け焼刃では何時か折れる。
折れない刃は何度も何度も高温で叩いて作り上げるのだ。
精錬な刃を作るべく。
:::
「では、この術式ではこの魔力回路を通さずにコチラを使用するのですね」
「物分かりが良いですね。では実際に体現してみせましょう」
夕刻から夕食までの時間はクロタンによる魔術の授業。
人間が使う詠唱魔術と違って悪魔の使う無詠唱魔術は理論が根本から違う。
しかし威力は桁外れにコチラが上だ。
1度身に付いているものを矯正するのは難しいが、カノンは自分に魔術の才能がある事すら知らなかったのですぐに無詠唱魔術の理論を覚えた。
元々地頭が良いのだろう。
教えた事は乾いた砂に水を灌ぐようにグングンと吸収する。
「クロタン、カノンの授業の出来はどうだ?」
「サイヒ様!」
「神様!」
クロタンがサイヒの足にすり寄り、カノンは膝をつき頭を垂れる。
カノンはサイヒに仕える身だ。
失敬な態度は許されない、とカノンは思っている。
サイヒ的には別にもう少し砕けた態度でも全然かまわないのだが。
虐待されて育ったせいか、カノンは自分を過小評価する。
自分の価値など塵芥と思っているのだ。
だからこそ逆らうことなく教えを受ける事が出来ているのもあるが。
なにせ反抗精神がない上に人を敬う事を呼吸をするのと同じくらいに自然にしてしまう。
コレは身に付いたものなのでちょっとやそっとでは治せそうもない。
まぁソレがこれから武器になるだろうともサイヒは思っているが。
クロタンを抱きかかえサイヒはその喉を擽る。
クロタンも恍惚の表情で喉をゴロゴロ鳴らす。
ルークが見たらギリィものだ。
仕方ない、サイヒは無類の猫好きなのだ。
「クロタン様の教えが分かりやすいので私でも魔術が身に付きつつあります!」
「そうか、流石はクロタンだな」
「お褒めの言葉有難うございますサイヒ様」ゴロゴロ
クロタンのゴロゴロが止まらない。
猫好きサイヒの猫誑し技術は物凄いのだ。
猫なら5秒で落とすその撫で技術。
猫好きだからこそ出来る御業である。
ちなみに絶対神になる前から身に付いていた能力である。
「カノン、後で手合わせをしてやろう。1ヵ月でどの程度の技術が身に付いたか私自ら見てやろう」
「そんな、私如きに神様の手を煩わせるなどもっての外です!」
「良い良い、丁度そんな気分なだけだ。私のお遊びに付き合うと思って付き合え」
「で、では…宜しくお願いします神様!」
何度も断るのは無礼と思ったのだろうカノンがサイヒの言葉を了承した。
この後0,2秒で地面と仲良くなるカノンだった。
カノンの出来は中々良い具合だとその日のサイヒの機嫌は良かったらしい。
「天界の材質で作っているのもありますがコツがありましてね」
マロンがポーションの製造レシピを説明する。
カノンはソレを真剣にメモに書いていく。
元々薬学を学んでいたカノンにとって、マロンのポーション製造は目を見張るほどの高技術で聞いているだけでも胸が躍る。
マロンの方も良い教え子が出来て、薬学の話をするのも久しく楽しい様だ。
これがカノンの朝のお勤め。
マロンによる薬学授業である。
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「大振りしなくていい、脇を締めてもっとコンパクトに振れ」
「はい、クオン様!」
昼は騎士団の訓練に参加。
剣を握った事の無かった手は今は豆が出来ている。
その豆が潰れると大変痛い。
それを治すことはサイヒによって止められている。
苦労して身に付けた技術こそ真に身につく技術だからだ。
楽をして覚えた付け焼刃では何時か折れる。
折れない刃は何度も何度も高温で叩いて作り上げるのだ。
精錬な刃を作るべく。
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「では、この術式ではこの魔力回路を通さずにコチラを使用するのですね」
「物分かりが良いですね。では実際に体現してみせましょう」
夕刻から夕食までの時間はクロタンによる魔術の授業。
人間が使う詠唱魔術と違って悪魔の使う無詠唱魔術は理論が根本から違う。
しかし威力は桁外れにコチラが上だ。
1度身に付いているものを矯正するのは難しいが、カノンは自分に魔術の才能がある事すら知らなかったのですぐに無詠唱魔術の理論を覚えた。
元々地頭が良いのだろう。
教えた事は乾いた砂に水を灌ぐようにグングンと吸収する。
「クロタン、カノンの授業の出来はどうだ?」
「サイヒ様!」
「神様!」
クロタンがサイヒの足にすり寄り、カノンは膝をつき頭を垂れる。
カノンはサイヒに仕える身だ。
失敬な態度は許されない、とカノンは思っている。
サイヒ的には別にもう少し砕けた態度でも全然かまわないのだが。
虐待されて育ったせいか、カノンは自分を過小評価する。
自分の価値など塵芥と思っているのだ。
だからこそ逆らうことなく教えを受ける事が出来ているのもあるが。
なにせ反抗精神がない上に人を敬う事を呼吸をするのと同じくらいに自然にしてしまう。
コレは身に付いたものなのでちょっとやそっとでは治せそうもない。
まぁソレがこれから武器になるだろうともサイヒは思っているが。
クロタンを抱きかかえサイヒはその喉を擽る。
クロタンも恍惚の表情で喉をゴロゴロ鳴らす。
ルークが見たらギリィものだ。
仕方ない、サイヒは無類の猫好きなのだ。
「クロタン様の教えが分かりやすいので私でも魔術が身に付きつつあります!」
「そうか、流石はクロタンだな」
「お褒めの言葉有難うございますサイヒ様」ゴロゴロ
クロタンのゴロゴロが止まらない。
猫好きサイヒの猫誑し技術は物凄いのだ。
猫なら5秒で落とすその撫で技術。
猫好きだからこそ出来る御業である。
ちなみに絶対神になる前から身に付いていた能力である。
「カノン、後で手合わせをしてやろう。1ヵ月でどの程度の技術が身に付いたか私自ら見てやろう」
「そんな、私如きに神様の手を煩わせるなどもっての外です!」
「良い良い、丁度そんな気分なだけだ。私のお遊びに付き合うと思って付き合え」
「で、では…宜しくお願いします神様!」
何度も断るのは無礼と思ったのだろうカノンがサイヒの言葉を了承した。
この後0,2秒で地面と仲良くなるカノンだった。
カノンの出来は中々良い具合だとその日のサイヒの機嫌は良かったらしい。
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