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【88話】

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「結婚式には誰を呼ぶのだ?」

 夜の褥。
 薄い寝着を来たルークが小首を傾げてサイヒに問うた?

 ”うん、可愛い”

 サイヒが顔に出さず心の中でそう思った。

「まずはアンドュアイスとルーシュだな。それと姉上とローズ様、実家の面々、ジャクタル女王とその側近。後はディノートの聖女と、と、もう絶対神の聖女では無いんだったな…まぁその元聖女とその周辺、くらいか?」

 ぷくーとルークが頬を膨らませている。

「どうしたルーク、顔が真ん丸だぞ」

 その子供じみた姿にサイヒは思わずクスクスと笑みを漏らしてしまう。

「サイヒが私の知らない者と仲が良い……」

「嫉妬か?本当に愛らしいなルーク」

 チュッ、とルークのこめかみにサイヒが唇を落とす。
 わざとリップ音を立てて。
 その方がルークが恥ずかしがるのを知っての確信犯だ。

 効果はてきめん。

 ルークの頬がバラ色に染まる。

「サイヒ、最近垂らし癖が酷くなってないか?」

「お前だけにしかしないのだから問題ないだろう?」

「でも話をはぐらかそうとしてるように見えるぞ?」

 実際そうである。
 正直ルークは面倒臭い質だ。
 嫉妬深いし独占欲が強い。
 サイヒに対しての執着はすさまじいものがある。
 それを手練れの誑かしの手段で言葉を封じている節がサイヒにはある。

 勿論嫉妬深いのも、独占欲が強いのも執着されるのも悪い気はしない。
 サイヒだって表に出さないだけでルークと同じくらい執着しているのだ。
 出なければ全能神と言う立場で魔王のルークを伴侶にする筈がない。

「お前が可愛いのが悪いんだよルーク。あんまり可愛い事を言うな、食べてしまいたくなる」

「今はまだ、食べて貰えないだろう?」

「まぁ妊娠期間だからな。安定期に入ったらお前を美味しく頂くつもりではあるが」

「サイヒ…えっちぃ………」

「まぁルークよりはその欲があるのは認めよう。エッチな私は嫌いか?」

「してる最中は恥ずかしいけど…私を貪るサイヒは野性的で格好良いと思う……」

 もう耳と首まで真っ赤にしてルークが涙目になる。
 零れ落ちそうなエメラルドの瞳が潤むのはサイヒにとって目の毒である。

「ふむ、これは我慢が出来そうにない。マーキングくらいはさせて貰おう」

 サイヒがルークの上に乗る。
 そしてルークの寝着を脱がしていき、色気に溢れた欲を垂れ流した目をする。
 そんな瞳で見つめられたらルークはひとたまりもない。
 肉食獣にロックオンされた野生動物の気分だ。

 サイヒの唇がルークの首筋に落ちてきて……ルークはこの日声が枯れるまで鳴かされるのだった。

 PS
 勿論執務に差し支えないようサイヒの神力でルークの体力と気力は全開させたらしい。 
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