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《170話》
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「美味かったか?」
「はい、美味しかった、です」
「そうか、じゃぁシンクに容器をつけさせて貰うぞ」
「あ、私、やる、です!」
「良いから座ってろ。疲れているんだろう?」
確かに疲れていた。
食べるのが大好きなサラが食事もとらない程に。
だがセブンが来て、美味しいお弁当を食べて、今のサラは決して疲れてはいない。
疲れるとしたら動悸がする事位だろうか。
ドキドキして食べるのに何時もより時間がかかってしまった。
でも食事中のお喋りは楽しかったし、沈黙になって居心地が悪いと感じる事は無かった。
だけど、何故だか胸がむず痒い。
「さて、随分と暗くなったが、まぁもう獣車も走っていないだろうが徒歩で帰れるだろう」
容器を水につけたセブンが言った。
「獣車!もうない、です!歩く、危ない、です!!」
「俺は男だから問題ない」
「でも、夜は、歩く駄目、です!」
「じゃぁ泊めて貰おうか」
「え、あ、…………はい、です」
話の流れ的にお泊りの流れになってしまった。
因みにセブンの確信犯である。
実はセブンはサラの家に来るのに【飛翔】の魔術を使っていた。
さすがに【空間転移】の魔術は使えないが、【飛翔】ならお手の物だ。
薬師ギルドからサラの家まで直線状に飛んできたのだ。
その速さ音速。
意外と化け物じみたところがあるセブンである。
その内に秘術と言われる【空間転移】の魔術を覚える日も遠くないかも知れない。
少なくとも全能神が教えれば1日で身に付くであろう。
それくらいには全能神はセブンに気を許している。
餌付けとは実に恐ろしいものである。
そんな訳でセブンがサラの家にお泊りになった。
だがこの部屋にはシングルベッド(しかも硬い)が1つ。
予備の布団なども無い。
「シーツを1枚貸して貰えるか?俺は床で寝る」
「私が、床で寝る、です!お客様、を、床で寝させられない、です!」
「だが年頃の女を床で寝かす訳にはいかんからな。男としての沽券にかかる」
「え、と、じゃぁ、どうすれば…………?」
「一緒に寝れば良いだろう?」
「はへ!?」
「お前なら腕にすっぽり入るし、そう寝づらい事も無いだろうしな」
「わわわあわわたあしおふろはいってなぃぃですぅっ!!!」
「心配するな、俺も入ってない。俺は臭いか?」
「臭く、無い、で、す………」
「なら問題ないな」
「ない、です、か…………?」
「無い。じゃぁ寝るぞ」
「…………はぃ」
こうしてサラはセブンに抱きしめれられながら、眠れない夜を過ごすことになったのであった。
「はい、美味しかった、です」
「そうか、じゃぁシンクに容器をつけさせて貰うぞ」
「あ、私、やる、です!」
「良いから座ってろ。疲れているんだろう?」
確かに疲れていた。
食べるのが大好きなサラが食事もとらない程に。
だがセブンが来て、美味しいお弁当を食べて、今のサラは決して疲れてはいない。
疲れるとしたら動悸がする事位だろうか。
ドキドキして食べるのに何時もより時間がかかってしまった。
でも食事中のお喋りは楽しかったし、沈黙になって居心地が悪いと感じる事は無かった。
だけど、何故だか胸がむず痒い。
「さて、随分と暗くなったが、まぁもう獣車も走っていないだろうが徒歩で帰れるだろう」
容器を水につけたセブンが言った。
「獣車!もうない、です!歩く、危ない、です!!」
「俺は男だから問題ない」
「でも、夜は、歩く駄目、です!」
「じゃぁ泊めて貰おうか」
「え、あ、…………はい、です」
話の流れ的にお泊りの流れになってしまった。
因みにセブンの確信犯である。
実はセブンはサラの家に来るのに【飛翔】の魔術を使っていた。
さすがに【空間転移】の魔術は使えないが、【飛翔】ならお手の物だ。
薬師ギルドからサラの家まで直線状に飛んできたのだ。
その速さ音速。
意外と化け物じみたところがあるセブンである。
その内に秘術と言われる【空間転移】の魔術を覚える日も遠くないかも知れない。
少なくとも全能神が教えれば1日で身に付くであろう。
それくらいには全能神はセブンに気を許している。
餌付けとは実に恐ろしいものである。
そんな訳でセブンがサラの家にお泊りになった。
だがこの部屋にはシングルベッド(しかも硬い)が1つ。
予備の布団なども無い。
「シーツを1枚貸して貰えるか?俺は床で寝る」
「私が、床で寝る、です!お客様、を、床で寝させられない、です!」
「だが年頃の女を床で寝かす訳にはいかんからな。男としての沽券にかかる」
「え、と、じゃぁ、どうすれば…………?」
「一緒に寝れば良いだろう?」
「はへ!?」
「お前なら腕にすっぽり入るし、そう寝づらい事も無いだろうしな」
「わわわあわわたあしおふろはいってなぃぃですぅっ!!!」
「心配するな、俺も入ってない。俺は臭いか?」
「臭く、無い、で、す………」
「なら問題ないな」
「ない、です、か…………?」
「無い。じゃぁ寝るぞ」
「…………はぃ」
こうしてサラはセブンに抱きしめれられながら、眠れない夜を過ごすことになったのであった。
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