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《132話》

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「可愛い娘だなサラちゃんは」

「そのサラちゃんと言うの止めて貰えませんか?」

「何だ嫉妬か?」

「何を嫉妬することがあるんですか?」

「つまらん無自覚か」

「本当に意味が分からないのですが?」

「拗れているな、お前も33歳だろう?恋愛の1つや2つはしただろうに、何でそんなに拗れているんだ?」

「俺に恋愛経験は無いですが?」

「何と!玄人しか相手したことが無いのか!?」

「玄人を相手にした覚えはありませんね」

「ま、まさか…お前童貞、なのか…………?」

「そうですがソレが何か?」

「まさかの魔法使いか………」

「まぁ俺は魔術も使うので魔術師ではありますが魔法使いではありませんよ?人間がそんな高位の存在になれないですよ普通?」

「そう言う意味では無いのだがな…サラちゃんが最後のチャンスだな………」

「???」

 セブンの往診が終わるとサラとナナは帰される。
 そして診察の名のもと、仲良し兄弟のお茶タイムに入るのだ。
 因みにお茶もお菓子もセブンが用意する。
 下手に体の抵抗力を下げられても困るのだ。
 セブンの手作りが1番安全であるし、それに美味しい。

 今日の菓子はシフォンケーキ。
 軽くて病人でも食べやすい。
 カロリーを採るのにもたんぱく質を採るのにも、無添加のケーキは意外と病人に相性が良い。
 食べ易い事必須。

 ☆無添加のシフォンケーキ☆
 材料 (20cm型)
 卵黄6個分
 卵白7個分
 薄力粉(ふるう)120g
 砂糖(三温糖)130g
 オリーブオイル1/3カップ
 水1/3カップ
 塩少々
 生クリームお好みで
 ジャムなどお好みで
 ①卵黄と卵白を別々のボウルに入れる。卵黄6個分に砂糖の半量を入れ泡立て器で良く混ぜ、水・オイルを入れさらに混ぜる。
 ②ここに薄力粉・塩をふるいながらいれる。粉っぽさがなくなり生地がなめらかになるまで良く混ぜる。
 ③卵白の濃厚卵白(どろっとした部分)を切る。泡立て器でも箸を使っても良い。切ったら砂糖を入れながら混ぜる。
 ④メレンゲは砂糖を加える度にゆるくなるので、3回に分け硬いメレンゲを作る。すくって持ち上げても落ちないほど。
 ⑤ここでオーブン170度に余熱始める。②の卵黄生地にメレンゲの1/3量を加え混ぜ合わせなじませる。
 ⑥さらに残りのメレンゲを加えメレンゲをつぶさないように泡立て器ですくうように、かつ手早く混ぜる。
 ⑦型に生地を流し込む。始めリボン状に重なり平らになっていく位がちょうど良い。
 ⑧生地を全部入れたら型を台に2~3回打ち付け空気を抜く。これを170度のオーブンで40~454分焼く。
 ⑨焼きあがったら又型を台に打ち付け、逆さにしてコップなどで支え良く冷ます。
 ⑩冷めたら型からはずす。生クリームを添えて。

「ふむ、確かに美味い」

 ニコニコと国王は笑顔でシフォンケーキを口に運ぶ。
 大分痩せてしまったが、これだけ食欲があれば回復も早いだろう。
 セブンは内心ほっ、と溜息をついた。
 大切な兄なのである。
 絶対に治して見せるとの決意がいつも以上に硬い。

「今度はサラちゃんともお茶をしたいな」

「ソレは勘弁して下さい………」

 本当に、2人してセブンを褒めちぎるから身の置き場がないのだ。
 全身羞恥心でムズムズしてしまう。
 赤くなる顔など見られたくもない。

「全く、そんなだから拗れるんだ」

 ボソリ、と国王が呟いた。
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