上 下
147 / 257

《120話》???Side2

しおりを挟む
※ゴブリンの自慰あり。
 ♂×♂要素アリ。
 男の母乳表現アリ。
 苦手な方は読まないで下さい(*- -)(*_ _)ペコリ


「ゴブリンまで雌だな…いや、性別は雄なのだが、魂が雌になっている………」

 非常に面白い。
 空色の髪と翡翠の瞳の美少年はゴブリンの巣で観察をしていた。
 いや美少年に見えるが正体は絶世の美貌の持ち主の女である。
 男装しているからと言って、女に子供を産ませる本能が強いゴブリンの巣に来るのは非常に危険である。

 だがそんな心配は無用であった。

 ゴブリンたちは睦あっていた。
 同種族でも睦合うのか、男装の少女は面白いものを見つけた目をキラキラさせてソレを見ていた。

 しかもゴブリン達は互いの尻穴を弄っている。

 ………張り子型を使って…………。

 勿論司教のソレを模ったものだ。
 大きい。
 そしてごつごつしている。

 誰が作ったのか非常に気になるところである。

『URYYYYYYYYY♡』

『GYUUUUUUUU♡』

「嬌声まで雌だな。司教が魔族化した時に特殊な性質が体液にあったのかもしれないな。アコロ王子を雌化したのは別の触手だったが、司教と交わったことで魂が雌に変質したのか………実に面白い!!」

 取り合えずゴブリンは平和そうだし幸せそうなので男装の少女はそのままにしておくことにした。
 たまに様子を見に来て観察日記でも付けようと思いながら。

 :::

 そして王宮である。
 見かけない冒険者の少年(正確には男装の少女)が堂々と歩き回っているのに誰も咎めない。
 男装の少女は己に【認識阻害】の術をかけているのである。

 そうして足を運ぶのは宰相の部屋。
 
 扉をすり抜けて(物理)中に入ると、ソファに母乳を垂らす美青年が汚らしい親父に組み敷かれて、その胸の頂点をひたすら弄られていた。
 汚らしい親父ー宰相が乳首に吸い付いてちゅぱちゅぱと音を立てながら母乳を吸っている。
 いや、この場合は父乳か?

「あぁ美味い!どんな美酒よりも甘く蕩けて口の中に芳醇な味が広がる!!」

「あぁ、反対のオッパイくりくりしないでぇ♡」

 そう言えばこの王子も魔物化した時の司教に犯されていたことを男装の少女は思い出した。

「魂に影響を与える性質…調べたい、また司教を魔物化してみるか?いや、ソレをやったら今度は物理的な怒りでなくメンタル的な怒りを買いそうだ。何より大量の吐血の痕の床の掃除は大変だからな………」

 唯二の心友である。
 あまり胃を刺激してやるのも可哀そうだ。

「面白そうなんだかなぁ…まぁ仕方ない、戻すか………」

 カッ、と青銀の光が室内で眩やいた。

「あぁ~~~………ん、ひぃぃぃぃぃ何をやっている宰相っ!!!!!」

 ドカッ、とアコロ王子は自分の胸に吸い付いていた宰相を蹴り落とした。

「お、王子?いきなりどうしたのです?」

「なぜ私の美しい胸を貴様などが吸い付いておるのだ!極刑だ!汚らしいにも程があるぞ!!」

「ですが、王子の母乳が……」

「男が母乳を出す筈が無いだろう!」

 そうアコロ王子の母乳は止まっていた。
 魂の変質を治すなど、全能神にはかすり傷に傷薬を塗るよりも簡単なお仕事だ。
 
「父上に訴えてお前を首にしてやるわ!」

「あぁぁあっぁあ待ってくださいアコロ王子ぃぃぃいぃぃいっ!!!」

 アコロ王子が早足で宰相の部屋から逃げ出す。
 余程気持ち悪かったらしい。
 顔が苦虫を潰したように歪んでいる。
 折角の美形が台無しである。
 美形しか取り柄が無いのに、本当に残念な男である。

「成功したが…性格が元に戻ってしまった……まぁ良いか、別にあの王子が女好きに戻ろうと私には害がないからな。色香は全てなくなったし、これで女好きの仮性包〇の性欲が強い王子の出来上がりだ。特に国に問題なかろう」

 男装の少女はうんうんと頷き自分を納得させた。
 やってることは神業なのだが、心が全然伴っていない。
 神様何て案外こんなものである。
 そのせいでこれから一悶着もめる事になるのだが、今の男装の少女はそこまで深く考えていなかった。

「せっかく地上に降りたしサラでも誘って甘味でも食べに行くか」

 お気に入りの少女を思い出し、「そういえばこの付近も色々拗れていて面白いことになっていたな」と男装の少女は唇に弧を描く笑みを浮かべた。

 こうして舞台はディノートの食いログで☆4.5を獲得しているケーキバイキングの店に移る事となったのである。
しおりを挟む
感想 945

あなたにおすすめの小説

石塔に幽閉って、私、石の聖女ですけど

ハツカ
恋愛
私はある日、王子から役立たずだからと、石塔に閉じ込められた。 でも私は石の聖女。 石でできた塔に閉じ込められても何も困らない。 幼馴染の従者も一緒だし。

お飾り公爵夫人の憂鬱

初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。 私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。 やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。 そう自由……自由になるはずだったのに…… ※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です ※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません ※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります

王子様は王妃の出産後すぐ離縁するつもりです~貴方が欲しいのは私の魔力を受け継ぐ世継ぎだけですよね?~

五月ふう
恋愛
ここはロマリア国の大神殿。ロマリア歴417年。雪が降りしきる冬の夜。 「最初から……子供を奪って……離縁するつもりだったのでしょう?」  ロマリア国王子エドワーズの妃、セラ・スチュワートは無表情で言った。セラは両手両足を拘束され、王子エドワーズの前に跪いている。 「……子供をどこに隠した?!」  質問には答えず、エドワーズはセラを怒鳴りつけた。背が高く黒い髪を持つ美しい王子エドワードの顔が、醜く歪んでいる。  「教えてあげない。」  その目には何の感情も浮かんでいない。セラは魔導士達が作る魔法陣の中央に座っていた。魔法陣は少しずつセラから魔力を奪っていく。 (もう……限界ね)  セラは生まれたときから誰よりも強い魔力を持っていた。その強い魔力は彼女から大切なものを奪い、不幸をもたらすものだった。魔力が人並み外れて強くなければ、セラはエドワーズの妃に望まれることも、大切な人と引き離されることもなかったはずだ。  「ちくしょう!もういいっ!セラの魔力を奪え!」    「良いのかしら?魔力がすべて失われたら、私は死んでしまうわよ?貴方の探し物は、きっと見つからないままになるでしょう。」    「魔力を失い、死にたくなかったら、子供の居場所を教えろ!」  「嫌よ。貴方には……絶対見つけられない場所に……隠しておいたから……。」  セラの体は白く光っている。魔力は彼女の生命力を維持するものだ。魔力がなくなれば、セラは空っぽの動かない人形になってしまう。  「もういいっ!母親がいなくなれば、赤子はすぐに見つかるっ。さあ、この死にぞこないから全ての魔力を奪え!」  広い神殿にエドワーズのわめき声が響いた。耳を澄ませば、ゴゴオオオという、吹雪の音が聞こえてくる。  (ねえ、もう一度だけ……貴方に会いたかったわ。)  セラは目を閉じて、大切な元婚約者の顔を思い浮かべる。彼はセラが残したものを見つけて、幸せになってくれるだろうか。  「セラの魔力をすべて奪うまで、あと少しです!」  魔法陣は目を開けていられないほどのまばゆい光を放っている。セラに残された魔力が根こそぎ奪われていく。もはや抵抗は無意味だった。  (ああ……ついに終わるのね……。)  ついにセラは力を失い、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。  「ねえ、***…………。ずっと貴方を……愛していたわ……。」  彼の傍にいる間、一度も伝えたことのなかった想いをセラは最後にそっと呟いた。  

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ

音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。 だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。 相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。 どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

あなたをかばって顔に傷を負ったら婚約破棄ですか、なおその後

アソビのココロ
恋愛
「その顔では抱けんのだ。わかるかシンシア」 侯爵令嬢シンシアは婚約者であるバーナビー王太子を暴漢から救ったが、その際顔に大ケガを負ってしまい、婚約破棄された。身軽になったシンシアは冒険者を志して辺境へ行く。そこに出会いがあった。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜

星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」 「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」 (レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)  美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。  やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。 * 2023年01月15日、連載完結しました。 * ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました! * 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。 * この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。 * ブクマ、感想、ありがとうございます。

処理中です...