皇太子から婚約破棄を言い渡されたので国の果ての塔で隠居生活を楽しもうと思っていたのですが…どうして私は魔王に口説かれているのでしょうか？

その後

過去への旅客２

　【全知全能】さんのお陰で【時渡り】さんに無事会えました。

「で、赤い嬢ちゃんは何がお望みで？」

「私を魔王が子供の頃に連れて行ってください」

「可愛い女の子の頼みは聞いてあげたいけど、時を渡るのはリスクが伴うぜ？それでも良いのか赤いお嬢ちゃん？」

　リスク、ですか。
　前に来た私の娘ちゃんが子供になってしまったのと名前が封印されていたみたいなのですよね？
　ですが目の前にぶら下がってるのはチビ魔王。
　鼻先にニンジンぶら下げられては知らない馬は不能だと思います。
　なので私は２つ返事で了承しました。

「女の子の恋心と欲望は怖いねぇ」

　チビ魔王なので恋心では無いんですが、欲望は否定できません。
　これも全て魔王が悪いのです。
　普段色気垂れ流しているくせに、お子ちゃまになったらあんなにプリティだなんて。
　ぷりぷりのお尻とポッコリのお腹が最高にセクシーです。
　チビ魔王もそう言う意味では色気の塊ですね。
　
　え、犯罪者？
　ロリ、ショタ、ペド？

　聞こえませんねー。

「こちらをどうぞ受け取って下さい」

　魔国でも和菓子で１，２を争う「タイガー屋」の羊羹です。
　和菓子が好きでこの「タイガー屋」の羊羹が嫌いなはずがありません！

「それタイガー屋の羊羹か！？良いぞ、依頼受けよう！」

　ふっ、チョロいですね。
　え、性格がどんどんミヤハルさんに似てきている？
　気のせいじゃないですか？
　それとも大人っぽくなったと受け取れば良いでしょうか？
　ミヤハルさん、あぁ見えて数億歳。
　今まで大勢子育てして包容力ありますもんね。
　つまり私は包容力が出てきた、と言う事ですね。
　
　ね！(無言の圧)

　では過去への旅行と行こうではありませんか！
　因みに今回私が封じられるのは、
　①未来の出来事を離さない
　②自分の名前を明かさない
　の２つでした。

　やっぱり名前の縛りは強いらしいです。
　それくらいしないと時を移動は出来ないと言う事ですね。

　滞在時間は１週間だそうで。
　あんまり長く過去に居ると時間の座標がズレるそうです。
　良く分からないですが、今と違う未来に飛ばされるらしいです。
　それは怖いですね。
　本当に時を渡るリスクが高くて、良く未来のチビチャンは過去に行く決心がつきましたね。
　それだけオウマさんの事が大好きなんですね。

　でもオウマさん恋人が出来たって噂ですけど…未来のチビチャンが生まれる頃には別れてるんでしょうか？
　それともオウマさんはチビチャンと結ばれない未来にこの時間軸(と言うらしいです)では変わってしまったんでしょうか？

　私も下手な事したら未来を変えかえないので、気を付けようと思います。
　私のやりたい事は１つ！
　チビ魔王を堪能する！
　それだけです！！

　では過去への旅に参ろうと思います！！