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第九章 礼儀を知る人知らない人
29 遊ぼう 成人
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鶴丸たちが来てくれた翌日は、仕事をお休みの人が多い日。そして、お誕生日会の日だ。離宮にはたくさんの人の気配がした。
鶴丸と松吉は、うちでぐっすり眠れたみたい。元気一杯で、朝から、ひと汗流してくると訓練所へ出かけていった。常陸丸や力丸、じいじ、半助も皆、楽しそうに連れ立って行った。大あくびをしている緋色だけ、ちっとも楽しくなさそうだったけれど。
俺は、誕生日会の準備で忙しいから行かなかった。行っても見てるだけだし、速い動きを見過ぎると疲れるからなあ。でも今度、疲れてお昼寝してもいい日には、皆と一緒に訓練所に行って剣舞を少しやろう。少しだけ。疲れすぎない程度にさ。あの動き、綺麗で格好良くて素敵だからしっかり覚えたい。
あ、そうだ。帰るまでにまた、鶴丸と松吉に剣舞を見せてもらおう。ちゃんとした衣装と剣を使った剣舞を今度見せてくれるって約束してた。持ってきてくれたのかな? 綺麗だろうなあ。楽しみ。
「おはよー」
「おはようございます、成人殿下」
丁寧に頭を下げる使用人と一緒に階段を降りてきた亀吉も元気一杯。
「おはよう」
「なーひとでんか。かめとあそぶ?」
「ん?」
「か、亀吉さま。成人殿下は気楽に遊べるお方ではございませんよ。成人殿下、申し訳ございません。亀吉さまはまだお小さいもので、分別がつきませず」
「ん?」
使用人が慌ててるけど、亀吉は気にせず俺のとこに走ってきた。短い足でとてとてと走るのは、可愛いけど転びそうで怖い。
「かめと、んーと、えいってする?」
「んん?」
えいって言いながら、亀吉は腕を振る。これは、あれかな。訓練所に自分も行きたかったのかな。それで俺? 亀吉は俺と勝負したいの? んん、いいかも。俺と亀吉で訓練するの、ちょうどいいかもなあ。
んー、でもごめん、亀吉。俺は今日は忙しい。
「亀吉。今日はお誕生日会だから、俺は準備があって忙しいんだ。遊べなくてごめん」
あああ。しょんぼりしないで、亀吉。そうだよね。せっかく来てくれたんだし、仲良しになったし、いっぱい遊びたいよね。
「そうだ。一緒に準備しよう。お部屋を飾り付けするの、楽しいよ」
「する!」
俺たちは一緒に、にこにこになった。良かった。
あ、でも亀吉、一つだけ俺と約束。
折り紙、食べないでね。
鶴丸と松吉は、うちでぐっすり眠れたみたい。元気一杯で、朝から、ひと汗流してくると訓練所へ出かけていった。常陸丸や力丸、じいじ、半助も皆、楽しそうに連れ立って行った。大あくびをしている緋色だけ、ちっとも楽しくなさそうだったけれど。
俺は、誕生日会の準備で忙しいから行かなかった。行っても見てるだけだし、速い動きを見過ぎると疲れるからなあ。でも今度、疲れてお昼寝してもいい日には、皆と一緒に訓練所に行って剣舞を少しやろう。少しだけ。疲れすぎない程度にさ。あの動き、綺麗で格好良くて素敵だからしっかり覚えたい。
あ、そうだ。帰るまでにまた、鶴丸と松吉に剣舞を見せてもらおう。ちゃんとした衣装と剣を使った剣舞を今度見せてくれるって約束してた。持ってきてくれたのかな? 綺麗だろうなあ。楽しみ。
「おはよー」
「おはようございます、成人殿下」
丁寧に頭を下げる使用人と一緒に階段を降りてきた亀吉も元気一杯。
「おはよう」
「なーひとでんか。かめとあそぶ?」
「ん?」
「か、亀吉さま。成人殿下は気楽に遊べるお方ではございませんよ。成人殿下、申し訳ございません。亀吉さまはまだお小さいもので、分別がつきませず」
「ん?」
使用人が慌ててるけど、亀吉は気にせず俺のとこに走ってきた。短い足でとてとてと走るのは、可愛いけど転びそうで怖い。
「かめと、んーと、えいってする?」
「んん?」
えいって言いながら、亀吉は腕を振る。これは、あれかな。訓練所に自分も行きたかったのかな。それで俺? 亀吉は俺と勝負したいの? んん、いいかも。俺と亀吉で訓練するの、ちょうどいいかもなあ。
んー、でもごめん、亀吉。俺は今日は忙しい。
「亀吉。今日はお誕生日会だから、俺は準備があって忙しいんだ。遊べなくてごめん」
あああ。しょんぼりしないで、亀吉。そうだよね。せっかく来てくれたんだし、仲良しになったし、いっぱい遊びたいよね。
「そうだ。一緒に準備しよう。お部屋を飾り付けするの、楽しいよ」
「する!」
俺たちは一緒に、にこにこになった。良かった。
あ、でも亀吉、一つだけ俺と約束。
折り紙、食べないでね。
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