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第六章 家族と暮らす
97 灯可は偉い 成人
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「宿題を終わらせてしまってもいいですか?」
お腹がいっぱいになると灯可が言った。宿題。俺もたまにするから知ってる。青葉の都合がつかなくて勉強の時間が取れない時やお休みの前の日は、習ったことを忘れないようにもう一度自分で練習しておくんだよ、って文字の練習のお手本が書かれたノートを青葉がくれるんだ。お手本にそっくりな字をたくさん書くのが宿題。白いノートが埋まっていくのは楽しい。
次に青葉に会ったときに渡すと、良くできました、って言って大きな花丸をくれるから宿題は好き。
灯可の宿題もやっぱり文字の練習だった。
「一緒」
「本当だ。一緒です」
俺のノートを見せると、灯可は手を止めて笑った。
「綺麗な字ですね」
「灯可の字は綺麗ね」
二人で同じことを言ってまた笑う。
「そう言ってもらえると嬉しいです」
うん。すごいよ。俺のは、ノートの一頁毎に青葉のお手本が書いてあって、すぐ横の綺麗な字を見ながら書けるけど、灯可は真っ白なノートに教科書の漢字を写しているんだもの。それで、間違えずに綺麗に書けるのはすごい。
「わざわざここまで来て宿題を先に終わらせるとか、時間がもったいないですよね、すみません」
しばらく静かに漢字を書いていた灯可が、急に言った。
別にいいよ?
綺麗な字を書く灯可を見てるのは楽しい。こう書こうと思った通りに手が動くのかなあ、すごいなあ、って見てた。
「四月に見可が家を移ったんです」
「うん」
見可は七条の隊長になるから一条の家から七条の家にいった。
「学校も同じだし、家もごく近くなので気が向いたら帰ってくるんですけど、そんなには帰ってこなくて」
「うん」
「学校が終わった後、家庭教師との勉強が無い日に何をしたら良いのか分からなくて」
学校でも勉強して、家でも勉強してるの?すごいね。
「灯可は偉いなあ」
「え?」
「たくさん勉強してて偉い」
「ああ。皆してますよ。皆おんなじです」
「そう?でも、偉い」
灯可はちょっと笑った。
「見可は学校から帰って予定の無い日には、玄関に鞄を放り投げてすぐに友達と遊びに出てしまうそうです。ただいま、の声を聞いて玄関に迎えに出た緋椀兄さまが姿を見ていないそうです」
見可って感じがする。家に入る時間ももったいないんだね、きっと。
「それで、遊び疲れて宿題もせずに寝てしまったり、ご飯の途中で寝てしまったりして大変だって言ってました」
「あはは。大変だ」
「全然ちゃんとしてないのに、大変だって言いながら皆笑ってて、それで、母上が、灯可もお友達と遊んでいらっしゃいって言うようになって……」
それで俺のとこ来てくれたの?嬉しい!
「私は、学校から帰ってからまで誰かと遊びたいと思うようなことがなく……。本などを読む方が楽しいのですけど、その、母上は、私が外で遊んでいる方がいいのかな、と考えてしまって」
「うん」
「その時に、遊ぶなら成人さまがいいなと思ったんです。その、先日のお誕生日会もとても楽しかったので」
「うん!」
「その、何か遊びを考えていたわけではなくて」
「え?何もしなくても一緒にいたら楽しいけど」
「え?そうですか?それでいいんでしょうか」
「うん。俺は灯可が宿題してるのを見てても楽しいよ?」
何だか力の抜けたような顔で灯可が笑った。
「また来てもいいですか?」
お腹がいっぱいになると灯可が言った。宿題。俺もたまにするから知ってる。青葉の都合がつかなくて勉強の時間が取れない時やお休みの前の日は、習ったことを忘れないようにもう一度自分で練習しておくんだよ、って文字の練習のお手本が書かれたノートを青葉がくれるんだ。お手本にそっくりな字をたくさん書くのが宿題。白いノートが埋まっていくのは楽しい。
次に青葉に会ったときに渡すと、良くできました、って言って大きな花丸をくれるから宿題は好き。
灯可の宿題もやっぱり文字の練習だった。
「一緒」
「本当だ。一緒です」
俺のノートを見せると、灯可は手を止めて笑った。
「綺麗な字ですね」
「灯可の字は綺麗ね」
二人で同じことを言ってまた笑う。
「そう言ってもらえると嬉しいです」
うん。すごいよ。俺のは、ノートの一頁毎に青葉のお手本が書いてあって、すぐ横の綺麗な字を見ながら書けるけど、灯可は真っ白なノートに教科書の漢字を写しているんだもの。それで、間違えずに綺麗に書けるのはすごい。
「わざわざここまで来て宿題を先に終わらせるとか、時間がもったいないですよね、すみません」
しばらく静かに漢字を書いていた灯可が、急に言った。
別にいいよ?
綺麗な字を書く灯可を見てるのは楽しい。こう書こうと思った通りに手が動くのかなあ、すごいなあ、って見てた。
「四月に見可が家を移ったんです」
「うん」
見可は七条の隊長になるから一条の家から七条の家にいった。
「学校も同じだし、家もごく近くなので気が向いたら帰ってくるんですけど、そんなには帰ってこなくて」
「うん」
「学校が終わった後、家庭教師との勉強が無い日に何をしたら良いのか分からなくて」
学校でも勉強して、家でも勉強してるの?すごいね。
「灯可は偉いなあ」
「え?」
「たくさん勉強してて偉い」
「ああ。皆してますよ。皆おんなじです」
「そう?でも、偉い」
灯可はちょっと笑った。
「見可は学校から帰って予定の無い日には、玄関に鞄を放り投げてすぐに友達と遊びに出てしまうそうです。ただいま、の声を聞いて玄関に迎えに出た緋椀兄さまが姿を見ていないそうです」
見可って感じがする。家に入る時間ももったいないんだね、きっと。
「それで、遊び疲れて宿題もせずに寝てしまったり、ご飯の途中で寝てしまったりして大変だって言ってました」
「あはは。大変だ」
「全然ちゃんとしてないのに、大変だって言いながら皆笑ってて、それで、母上が、灯可もお友達と遊んでいらっしゃいって言うようになって……」
それで俺のとこ来てくれたの?嬉しい!
「私は、学校から帰ってからまで誰かと遊びたいと思うようなことがなく……。本などを読む方が楽しいのですけど、その、母上は、私が外で遊んでいる方がいいのかな、と考えてしまって」
「うん」
「その時に、遊ぶなら成人さまがいいなと思ったんです。その、先日のお誕生日会もとても楽しかったので」
「うん!」
「その、何か遊びを考えていたわけではなくて」
「え?何もしなくても一緒にいたら楽しいけど」
「え?そうですか?それでいいんでしょうか」
「うん。俺は灯可が宿題してるのを見てても楽しいよ?」
何だか力の抜けたような顔で灯可が笑った。
「また来てもいいですか?」
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