191 / 1,325
こぼれ話
お宿の料理 成人
しおりを挟む
お風呂から上がって、浴衣を着せてもらった。夏祭りの時に皆が着てるやつ。俺はいつも甚平だから、初めて着た。ズボンが無いんだね。気を付けて動かないとすぐに脱げてしまいそう。薄いピンク色に薄い黄色の線で模様があって綺麗だった。
緋色のは紺色で格好いい。こちらも、不規則に縦横の金色の線が模様になっている。緋色は何を着ても似合うねえ。
見惚れていたら、同じく浴衣姿の乙羽と常陸丸が俺たちの部屋へ来た。
二人もお風呂上がりで、なんだかほこほこしてる。
「きれいね。」
乙羽は、長い髪をゆるくまとめて、俺と同じ薄いピンク色の浴衣で、とても綺麗だった。
「なるも似合うよ。大人っぽくなった。」
にこにこの乙羽に言われて嬉しくなる。そお?大人っぽい?
常陸丸も、格好いい。緋色と同じ浴衣なのに、筋肉のつき具合で着た印象が違う。強そう。いや、強いんだった。
もちろん、緋色が一番格好いいけどね。
「お外にお風呂あった?」
「え?お外にお風呂があるの?」
「うん、こっち。」
がらがらと戸を開けて見せると、乙羽がびっくりしてた。
「うわー、すごい。湯気がすごい。気持ち良さそうねえ。」
「気持ちいかった。」
「うちの部屋は、中にお風呂があってね。檜でできた湯舟がいい匂いだったよ。」
「いいねえ。」
そんなことを話していると、部屋に人が入ってきて机を置いた。その上に、食べ物が続々と運ばれてくる。
お刺身とか、小さな鍋の中にお肉と豆腐と葱が入ってるものとか、茶碗蒸しとか、少しずつ煮物が入った小鉢とか。いっぱい!全部二つずつ並んでいった。
俺と緋色が並んで座布団に座って、乙羽と常陸丸が向かい側に並んで座る。
小さな鍋の下のろうそくみたいな物に火が点けられた。ぐつぐつと鍋の中が熱くなる。
あんまり熱いと食べられない……。
「豆腐、取ってもいい?」
「煮えて味が染みた方が美味しいから、火が消えてから。」
「熱くなるよ。」
「また冷まして食べるんだよ。」
「えー。」
「のんびり食べたらいい。後は寝るだけだし。」
「私、茶碗蒸し食べたい。」
乙羽が茶碗蒸しを引き寄せた。
常陸丸が、他には何がいる?って聞いている。
「俺も茶碗蒸し。」
「おう。ふたを開けて冷ましておけ。中に具が色々入ってるから、食べられない物は置いとけよ。帆立の刺身もあるぞ。」
「帆立の刺身。食べる。」
「これは?まぐろの山かけ。とろろ好きだろ?」
「食べるー。」
ご馳走がありすぎて、大変。こんなにいっぱい食べられるのかな。
「茶碗蒸しだけでも、あと二つお持ちしましょうか?」
料理を並べていた着物の女の人が緋色に尋ねている。
「いや、気にするな。全部二人前でいい。」
「かしこまりました。」
火が消えてから、大急ぎで鍋から出した豆腐は、ふーふーして、卵につけて食べた。肉も少しちぎって食べてみたら、やわらかくて食べれた。これ、好き。
「すき焼き、美味しいか。」
うん。
すごく美味しいから緋色も食べて。
はい、あーん。
お箸で肉を持って緋色の口に入れると、美味しいなって言ってくれた。
その後にまた、焼いた魚とか、炊き込みご飯とお味噌汁とか、何日分なんだーってくらい食べ物が出てきた。最後はプリン!プリンの頃にはとんでもなく満腹だったけど、半分は食べれた。
「私、三日分は食べたわ。人間ってこんなに食べれるのね……。」
乙羽の呟きにうんうんと首を縦に振る。
俺たち、だいぶ大きくなったんじゃない?
緋色のは紺色で格好いい。こちらも、不規則に縦横の金色の線が模様になっている。緋色は何を着ても似合うねえ。
見惚れていたら、同じく浴衣姿の乙羽と常陸丸が俺たちの部屋へ来た。
二人もお風呂上がりで、なんだかほこほこしてる。
「きれいね。」
乙羽は、長い髪をゆるくまとめて、俺と同じ薄いピンク色の浴衣で、とても綺麗だった。
「なるも似合うよ。大人っぽくなった。」
にこにこの乙羽に言われて嬉しくなる。そお?大人っぽい?
常陸丸も、格好いい。緋色と同じ浴衣なのに、筋肉のつき具合で着た印象が違う。強そう。いや、強いんだった。
もちろん、緋色が一番格好いいけどね。
「お外にお風呂あった?」
「え?お外にお風呂があるの?」
「うん、こっち。」
がらがらと戸を開けて見せると、乙羽がびっくりしてた。
「うわー、すごい。湯気がすごい。気持ち良さそうねえ。」
「気持ちいかった。」
「うちの部屋は、中にお風呂があってね。檜でできた湯舟がいい匂いだったよ。」
「いいねえ。」
そんなことを話していると、部屋に人が入ってきて机を置いた。その上に、食べ物が続々と運ばれてくる。
お刺身とか、小さな鍋の中にお肉と豆腐と葱が入ってるものとか、茶碗蒸しとか、少しずつ煮物が入った小鉢とか。いっぱい!全部二つずつ並んでいった。
俺と緋色が並んで座布団に座って、乙羽と常陸丸が向かい側に並んで座る。
小さな鍋の下のろうそくみたいな物に火が点けられた。ぐつぐつと鍋の中が熱くなる。
あんまり熱いと食べられない……。
「豆腐、取ってもいい?」
「煮えて味が染みた方が美味しいから、火が消えてから。」
「熱くなるよ。」
「また冷まして食べるんだよ。」
「えー。」
「のんびり食べたらいい。後は寝るだけだし。」
「私、茶碗蒸し食べたい。」
乙羽が茶碗蒸しを引き寄せた。
常陸丸が、他には何がいる?って聞いている。
「俺も茶碗蒸し。」
「おう。ふたを開けて冷ましておけ。中に具が色々入ってるから、食べられない物は置いとけよ。帆立の刺身もあるぞ。」
「帆立の刺身。食べる。」
「これは?まぐろの山かけ。とろろ好きだろ?」
「食べるー。」
ご馳走がありすぎて、大変。こんなにいっぱい食べられるのかな。
「茶碗蒸しだけでも、あと二つお持ちしましょうか?」
料理を並べていた着物の女の人が緋色に尋ねている。
「いや、気にするな。全部二人前でいい。」
「かしこまりました。」
火が消えてから、大急ぎで鍋から出した豆腐は、ふーふーして、卵につけて食べた。肉も少しちぎって食べてみたら、やわらかくて食べれた。これ、好き。
「すき焼き、美味しいか。」
うん。
すごく美味しいから緋色も食べて。
はい、あーん。
お箸で肉を持って緋色の口に入れると、美味しいなって言ってくれた。
その後にまた、焼いた魚とか、炊き込みご飯とお味噌汁とか、何日分なんだーってくらい食べ物が出てきた。最後はプリン!プリンの頃にはとんでもなく満腹だったけど、半分は食べれた。
「私、三日分は食べたわ。人間ってこんなに食べれるのね……。」
乙羽の呟きにうんうんと首を縦に振る。
俺たち、だいぶ大きくなったんじゃない?
1,631
あなたにおすすめの小説
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(りょうが)今年は7冊!
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる