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第三章 幸せの行方
21 赤璃 5
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三条初花が離宮へ向かった、と密偵から報告が届いた。
早かったわね。
赤虎と婚約させられた時は、ただ家の指示に従っていたのに。
一度諦めた恋を実らせることができる絶好の機会に、彼女は浮き足立っているのだろう。好きな人と結婚できる、と思うとじっとしていられない。そんな気持ちなのだろうか。
応援してあげたいくらいの可愛い恋心ではあるけれども。
離宮へ向かって歩きながら、小さく溜め息をつく。そんなに好きなら、相手を良く見るべきだ。自分の一番大切な人の目線がどこを向いているのかを見定めなくてはならない。それが分からないのなら、ただの恋に憧れる子どもに過ぎない。
物凄いタイミングで離宮に着いた。
緋色が、頭に包帯を巻いた成人を抱いている。成人の顔色は悪い。退院した? 流石に、勝手に連れて帰ったりはしないだろう。護衛は、力丸? 遊びに来ただけかも?
普段着の常陸丸が少し離れているから、あちらは乙羽を勝手に護衛かな。
見回して緋椀と目が合った。軍服だから、あれは仕事中ね。正式な護衛は緋椀か。目が合って少しだけ眉をしかめたの、見たわよ。私、目が良いんだから。
邪魔する気はない、と初花とその護衛に見つからない位置に、気配を消して立つ。勝手に付いてきた護衛も、元から気配は無い。
私の護衛の一ノ瀬村正が玄関前の使用人とアイコンタクトをしている。よく見ると一ノ瀬の当主が、離宮の使用人してるじゃない。隠密の頭領の使い方、間違ってると思うわ、朱実……。緋色への過保護がひどい。
九条のおじ様がいなくても、城の一つや二つ落とせそうな戦力が今、ここに……。
三条初花は、緋色に向かって満面の笑みを浮かべた。
「ごきげんよう、緋色殿下。わたくし、殿下にお話がありまして参りました」
「そうか、また王宮にでも部屋を借りておこう。借りられたら連絡する」
きちんと返事をした緋色に、少し驚く。問題なく終わりそうだ、とほっとする。
早かったわね。
赤虎と婚約させられた時は、ただ家の指示に従っていたのに。
一度諦めた恋を実らせることができる絶好の機会に、彼女は浮き足立っているのだろう。好きな人と結婚できる、と思うとじっとしていられない。そんな気持ちなのだろうか。
応援してあげたいくらいの可愛い恋心ではあるけれども。
離宮へ向かって歩きながら、小さく溜め息をつく。そんなに好きなら、相手を良く見るべきだ。自分の一番大切な人の目線がどこを向いているのかを見定めなくてはならない。それが分からないのなら、ただの恋に憧れる子どもに過ぎない。
物凄いタイミングで離宮に着いた。
緋色が、頭に包帯を巻いた成人を抱いている。成人の顔色は悪い。退院した? 流石に、勝手に連れて帰ったりはしないだろう。護衛は、力丸? 遊びに来ただけかも?
普段着の常陸丸が少し離れているから、あちらは乙羽を勝手に護衛かな。
見回して緋椀と目が合った。軍服だから、あれは仕事中ね。正式な護衛は緋椀か。目が合って少しだけ眉をしかめたの、見たわよ。私、目が良いんだから。
邪魔する気はない、と初花とその護衛に見つからない位置に、気配を消して立つ。勝手に付いてきた護衛も、元から気配は無い。
私の護衛の一ノ瀬村正が玄関前の使用人とアイコンタクトをしている。よく見ると一ノ瀬の当主が、離宮の使用人してるじゃない。隠密の頭領の使い方、間違ってると思うわ、朱実……。緋色への過保護がひどい。
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「ごきげんよう、緋色殿下。わたくし、殿下にお話がありまして参りました」
「そうか、また王宮にでも部屋を借りておこう。借りられたら連絡する」
きちんと返事をした緋色に、少し驚く。問題なく終わりそうだ、とほっとする。
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