イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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行方(???)

8(過去)

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麻耶ちゃんが死んだ

私の家に麻耶ちゃんのご両親が来て彼女の訃報を知らせた


最近公園に来ないから心配だったけどまさか亡くなってたとは夢にも思わなかった。


「麻耶と仲良くしてくれてありがとうね。あの子も嬉しかったと思います。」


綺麗な顔をした麻耶ちゃんのお母さんはそう言って私をお葬式に招待した。

私のお母さんには「どこで廣瀬家のお子様と出会ったの?!」って凄く驚かれた


人生で初めて着る喪服は親戚の葬式だと思ってたけど友達の葬式に着るなんて思ってもいなかった


8歳の百合がお葬式に行って騒がれたら困るとのことでお義父さんと百合は留守番させて、私とお母さんでお葬式に参列した


お葬式には沢山の人で溢れており、テレビでよく観る芸能人や有名人もいた


「遥奈、逸れると危ないから手握ってて。」

「うん、」

(お母さんの手握るの、久しぶりだな、)


まだ現実を受け止めきれてないせいかそんなことを考えてしまう


だけど麻耶ちゃんの遺影を見て流石に心にきた


写真と全く同じ笑顔で綺麗な麻耶ちゃんと最近まで話してたのに

親友って言ったのに


死んだんだ



亡くなった原因は不慮の火災と言われた


(人ってそんな簡単に死ぬんだ…)

「遥奈、あそこの子供部屋で少し遊んで来なさい。お母さんちょっとトイレ行ってくるわ。」


(子供部屋って…私13歳なんですけど…。)

なんて、そんな言い返せる余裕なんてない私は渋々キッズルームと書かれた部屋に入る。

部屋の中にはテレビで見たことある子役が沢山いる

だけど麻耶ちゃんと仲が良かったふう君がいない。

「……あ、」

部屋の端に雄斗くんがいる

参列しないのかな、否できないか。姉弟だもんね。

「雄斗くん、大丈夫?」

「…………誰、」

人間とは思えないほど、とても冷えきった瞳

前に会った時とは生気が全然ない

そんな綺麗な顔に、思わずゾクっとしてしまう。


「ま、麻耶ちゃんの親友の……公園で会ったじゃん!」

「……あぁ、…何?」

「あっ、いや…そのっ…」

どうしよ、
相手のこと全然考えてなかった
絶対不愉快な気持ちにさせちゃった
なにか、なにか話を振らないと

「ふうくんいないの?」

「ふーくん、………」

さらに彼の表情が暗くなった

(ふうくんも火災に遭ったのかな……)

気持ちが痛い
思わず私まで泣きそうになる

そんな時

ガチャッと扉が開いた

「ふーくん!!!」

雄斗君の目の色が変わった

扉の先にはふう君とそのお父さん(?)が入ってきた

雄斗君はすぐにふう君のほうへ駆け込み「気分はどう?大丈夫?」と心配の声をかけている
だけど、ふう君はずっとキョトンとした顔をしていて状況を理解してないような雰囲気が漂う
そして、

「誰のお葬式なの?」

と、ふう君が言った

雄斗君は固まって言葉が出ない様子だ

私も衝撃を受けた



「ごめんね。風は少し取り乱してて、まだ理解できてないんだ。」

深々と腰を下げてふう君のお父さんはそう言う。

私も雄斗君も意味が分からない。

(どういうことなの……)

「そろそろ行くね」とふう君のお父さんが言って部屋を出る

瞬間

ガチャッとまた扉が開く

「遥奈お待たせ。そろそろ帰るわよ、………え。」

お母さんが戻ってきた

早く帰りたい

なんだか頭が疲れてきた



あれ、お母さんの様子がおかしい


「………なんで、?」

「?、お母さんどうしたの」

お母さんはふう君のお父さんを見て固まっている。

10秒も経っていない間に大量の汗と震えでお母さんが腰から崩れた。

「お母さん?!!!」

(なんで?!どうしたの?!!)

私は急いでお母さんの方へ駆け寄る。

「大丈夫?!!お母さん!!!!」

「……あ、ぁぁぁ…あ、ぁ」

中身が無い。

まるで人形の様にお母さんがふう君のお父さんを見上げてる。

(?、ふう君のお父さんに何かあるの…?)

そう思い私も上を見上げる。


「ッ……!!!!」



ニヤリと、不気味な笑みを浮かべてる男が私たちを見下ろしてる。



「お前…………廃墟の女か…………」





聞こえた。

僅かに掠れていた声だけど、はっきり聞こえた。

「おとーさん!もういこうよ!てれびみたい!」

「そうだね。」

男は表情を変えて私たちに一礼し、部屋を出た。


間違い無い。

あの男だ。

あの男がお母さんをレイプした犯人だ、

そして………私の父かもしれない相手………。




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