1 / 38
第一話『お友達から始めましょう』
その1 中二病患者は嘆きに嘆く
しおりを挟む
★つぐむく。~中二病と不思議ちゃん~ 第一話『お友達から始めましょう』その1 中二病患者は嘆きに嘆く
完全に、失敗した。
俺の今の心の叫びの内容は、この一言で終わる気がする。
失敗した、本当に失敗したんだ、こんな筈じゃなかったんだ。
今更嘆いたって、遅すぎることくらいわかってはいるけれど。
俺の名前は、神室鶫。
残念ながら決してごく普通ではない、高校一年生の男である。
話はどれくらい遡ればいいだろうか。
子どもの頃、俺は自分を『特別な人間』だと信じて疑わなかった。
漫画やアニメ、ゲームなどで良く見かける、何か特別な使命を背負った人間なのだと。
その妄想は日に日にエスカレートし、果てには俺は自分のことを『悪の組織につけ狙われている異能力者』だと思い込むようになってしまった。
何度も学校で痛々しい台詞を吐いた、何度も突飛な言動をやらかした。
結果がこれだ。
髪は異常に目立つ紫色に染めて、頭には別に怪我をしているわけでもないのにぐるぐると包帯が巻かれている。
おまけに左腕にもその包帯は巻かれているのだからもう救いようがない。
更に言えば、特に意味もなく眼帯なんてものを付けてしまっている。
要するに、だ。
俺は、所謂中二病を拗らせてしまっているのである。
せめて中学でやめておけば良かった、高校から再スタートを切れば良かった。
だけど、愚かな俺はこのキャラクターのまま高校デビューを果たしてしまった。
馬鹿だ、俺は馬鹿だ、失敗した。
確かにまあ、俺の所属するクラスは少し変わっていて、何人か変人や不良は居たりする。
だけど、こんなコテコテの中二病患者は俺だけだった。
当然、俺はクラスでは孤立している。
と言うより、中二病を発症したその日から俺は友達と言うものができたことがない。
友達は勿論欲しい、そりゃあもう欲しい、喉から手が出る程に欲しい。
だって、寂しくて寂しくてたまらないんだ。
だけどこんな俺に寄ってくる生徒なんていないし、変な所で意地を張ってしまう俺は今更このキャラクターを変えることも出来ずに陰で悶えているわけだ。
失敗した、そう失敗したんだ、高校デビューに。
いっそ振り切れて本当に妄想の世界で生きてしまえば楽なのだろうが、悲しいことに俺のメンタルは根っこでは冷静かつ常識的だった。
俺はずっと、友達の作り方がわからずにいる。
このまま俺は、孤独な生き物のまま一生を終えてしまうのだろうか。
馬鹿なことをした、本当に馬鹿なことをした。
特別な人間になんてなれなくても良い、たった一人でも良いから、誰かに傍に居て欲しい。
そんな本音すら零せないまま、俺は今日も孤高の異能力者として日々を過ごす。
無性に虚しくて悲しくて仕方がない、独りぼっちの日々を。
完全に、失敗した。
俺の今の心の叫びの内容は、この一言で終わる気がする。
失敗した、本当に失敗したんだ、こんな筈じゃなかったんだ。
今更嘆いたって、遅すぎることくらいわかってはいるけれど。
俺の名前は、神室鶫。
残念ながら決してごく普通ではない、高校一年生の男である。
話はどれくらい遡ればいいだろうか。
子どもの頃、俺は自分を『特別な人間』だと信じて疑わなかった。
漫画やアニメ、ゲームなどで良く見かける、何か特別な使命を背負った人間なのだと。
その妄想は日に日にエスカレートし、果てには俺は自分のことを『悪の組織につけ狙われている異能力者』だと思い込むようになってしまった。
何度も学校で痛々しい台詞を吐いた、何度も突飛な言動をやらかした。
結果がこれだ。
髪は異常に目立つ紫色に染めて、頭には別に怪我をしているわけでもないのにぐるぐると包帯が巻かれている。
おまけに左腕にもその包帯は巻かれているのだからもう救いようがない。
更に言えば、特に意味もなく眼帯なんてものを付けてしまっている。
要するに、だ。
俺は、所謂中二病を拗らせてしまっているのである。
せめて中学でやめておけば良かった、高校から再スタートを切れば良かった。
だけど、愚かな俺はこのキャラクターのまま高校デビューを果たしてしまった。
馬鹿だ、俺は馬鹿だ、失敗した。
確かにまあ、俺の所属するクラスは少し変わっていて、何人か変人や不良は居たりする。
だけど、こんなコテコテの中二病患者は俺だけだった。
当然、俺はクラスでは孤立している。
と言うより、中二病を発症したその日から俺は友達と言うものができたことがない。
友達は勿論欲しい、そりゃあもう欲しい、喉から手が出る程に欲しい。
だって、寂しくて寂しくてたまらないんだ。
だけどこんな俺に寄ってくる生徒なんていないし、変な所で意地を張ってしまう俺は今更このキャラクターを変えることも出来ずに陰で悶えているわけだ。
失敗した、そう失敗したんだ、高校デビューに。
いっそ振り切れて本当に妄想の世界で生きてしまえば楽なのだろうが、悲しいことに俺のメンタルは根っこでは冷静かつ常識的だった。
俺はずっと、友達の作り方がわからずにいる。
このまま俺は、孤独な生き物のまま一生を終えてしまうのだろうか。
馬鹿なことをした、本当に馬鹿なことをした。
特別な人間になんてなれなくても良い、たった一人でも良いから、誰かに傍に居て欲しい。
そんな本音すら零せないまま、俺は今日も孤高の異能力者として日々を過ごす。
無性に虚しくて悲しくて仕方がない、独りぼっちの日々を。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
神楽坂gimmick
涼寺みすゞ
恋愛
明治26年、欧州視察を終え帰国した司法官僚 近衛惟前の耳に飛び込んできたのは、学友でもあり親戚にあたる久我侯爵家の跡取り 久我光雅負傷の連絡。
侯爵家のスキャンダルを収めるべく、奔走する羽目になり……
若者が広げた夢の大風呂敷と、初恋の行方は?
殺されるのは御免なので、逃げました
まめきち
恋愛
クーデターを起こした雪豹の獣人のシアンに処刑されるのではないかと、元第三皇女のリディアーヌは知り、鷹の獣人ゼンの力を借り逃亡。
リディアーヌはてっきりシアンには嫌われていると思い込んでいたが、
実は小さい頃からリディアーヌ事が好きだったシアン。
そんな事ではリディアーヌ事を諦めるはずもなく。寸前のところでリディアーヌを掠め取られたシアンの追跡がはじまります。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる